構成の巧みさが光る、神永学氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。
自費出版した「赤い隻眼」という作品が話題になり、2004年10月にその「赤い隻眼」を改題した「心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている」で作家デビューを果たします。
「心霊探偵八雲」シリーズは、累計で680万部を超え、舞台化、アニメ化などもされている人気シリーズです。
神永学おすすめ8選をご紹介~空想する楽しさを味わって欲しい~
神永氏のずっと変わらない想いとしては、「僕は入り口になりたい」という想いを持っているそうです。
あまり本を読まない人が、自分の作品を読んだことがキッカケで、物事を想像する楽しみや、本の面白さに気付いてくれたなら、とても嬉しく思うそうです。
想像する楽しみを一人でも多くの読者の方に伝えることが、自分の役割だと思っているのだそうです。
そんな神永学氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。
1、『心霊探偵・八雲 赤い瞳は知っている』
心霊探偵八雲シリーズの第一弾であり、死者の魂が見える斎藤八雲と同じ大学の晴香がいろいろな事件を解決していく4編からなる連作短編集です。
ヒロインの晴香が幽霊騒動に巻き込まれ、死んだ人の魂がみえる赤い瞳を持つ八雲が解決していくという、非常に分かり易い展開になっています。
廃屋に肝試しに行った晴香の友だちが巻き込まれた事件を始め、幽霊トンネルの事件、晴香の高校時代の友だちが巻き込まれた事件などを解決していきます。
ここがポイント
思ったほど、ホラー要素も多くなく、結局は生きている人間が一番怖いということで落ち着く作品です。
2、『コンダクター』
音楽を奏でる若者たちの日常が、一見つながりのない、複数の出来事が絡み合い、崩壊の道を辿っていく話です。
次々に明らかになっていく、真相と人間の醜い本性、そして物語が進む度に、怖さと気持ち悪さを覚えながらも、目が離せなくなってしまいます。
ここがポイント
様々な視点で描かれていて、次第に登場人物の過去が、明らかになっていき、それと同時に、陰りをみせていく登場人物たちの心情に引きつけられてしまいます。
構成の巧みさは卓越していて、最後まで驚きが続く展開の作品です。
3、『確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム』
エキセントリックな数学者の御子柴岳人が、数学の知識を駆使して、取り調べ室という閉ざされた空間で謎を解く話です。
新設された部署、「捜査一課特殊取調対策班」を舞台に変わり者の数学者、御子柴と、新米女刑事、友紀がコンビを組み、数学の力で犯人を追い詰めていくのです。
ここがポイント
統計学を用いた確率で犯人を特定していく様は、斬新でシャープであり、目が離せなくなってしまいます。
分かり易いキャラクターと、劇的な展開などもあり、間口が広い印象を受けます。
たとえ数学が苦手でも、気軽に読めて楽しめる作品です。
4、『イノセントブルー 記憶の旅人』
前世の記憶を持った人たちが、記憶の場所に惹きつけられたように集まる話です。
前世を見せることができる、不思議な青年、才谷、前世を見せられた男女は現世でも引き合うように繋がっていたのです。
悩みをかかえた人々が、前世に答えを見出すように、記憶を蘇らせていく中で、本当に大切なことに気付き、抗い、そしてとまどいながらも生きていく覚悟が描かれています。
ここがポイント
人と人とのつながりは、常識だけでは、とても説明がつかない事だってあるのです。
過去は変えられなくても、未来は変えることができるのです。
堅実な面白さが味わえる作品です。
5、『革命のリベリオン:第1部 いつわりの世界』
ここがポイント
革命のリベリオンシリーズの第一弾であり、近未来、人間がDNAで仕分けされるという世界の話です。
大震災後の迅速な復興を促すために、人材を適材適所に配置し、活用したDNAが、いつの間にかDNAのランクで、人生を決められるシステムになっていたのです。
さらには不正によって、自身のランクが偽られてしまい、何が正しくて、何が間違っているのか、分からなくなってしまいます。
与えられた世界の欺瞞に少年コウが気付く時、人間の可能性を信じる叛逆者たちの、壮大な革命の物語が幕を開けるのです。
肩の凝らないエンターテインメント作品です。
6、『怪盗探偵山猫』
ここがポイント
怪盗探偵山猫シリーズの第一弾であり、平成のねずみ小僧と呼ばれる山猫の活躍を描いた話です。
鮮やかな手口で窃盗を繰り返す山猫であり、悪事で得た金を盗み、世の為、人の為に活動する怪盗なのです。
初めに起きる事件は、本当に山猫の犯行かと思わせるような、少し変わった展開で進んでいきます。
キャラクターが生き生きしていて、楽しくて飽きることなく、楽しむことができます。
ドラマ化もされている人気の作品です。
7、『悪魔と呼ばれた男』
犯罪心理学を学んだ刑事、天海と捜査一課で予言者と呼ばれた阿久津が、新設された警視庁特殊犯罪捜査室に引き抜かれ、悪魔と呼ばれるシリアルキラーを追う事件です。
悪魔は誰の心の中にも住んでいて、今か今かと何かに触発されて、現れるのを待っているのです。
作品を完成させるように起きる、連続殺人事件、神の下僕という書き込みから、犯人が見えたと思いきや、本質は別のところにあったのです。
ここがポイント
犯罪小説としても秀逸であり、心に響く作品です。
8、『タイム・ラッシュ:天命探偵 真田省吾』
天命探偵シリーズの第一弾であり、人が殺される予知夢を見る少女からの依頼で、殺人を阻止するべく奔走する探偵、真田省吾が活躍する話です。
ここがポイント
母親を事故で亡くしてから、人が死ぬ夢を見るようになった志乃という少女、そしてその夢は必ず現実になってしまうのです。
そして志乃と真田が出会い、運命が交錯する時、死の運命は変えることができるのか、ミステリーというよりもアクションサスペンスの様を呈しています。
展開にスピード感があり、次作も楽しみになる作品です。
まとめ
神永学氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。
想像する楽しさや、本を読む面白さを感じていただけたと思います。
まだ、読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
読書する楽しみが、もっと広がると思います。