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山崎洋子おすすめ作品7選をご紹介~心の光と闇を描く~

横浜を舞台にした小説を多く手掛けている、山崎洋子氏のおすすめの作品7選をご紹介させていただきます。

山崎氏は京都府宮津市の生まれですが、現在は横浜に在住しています。

子どもの頃からミステリーを読むのが大好きだったとのことですが、それ以上に映画が好きだったようで、物語の世界にいつまでも浸っていたい気持ちがあったようです。

そして小説を書くことにより、彼女にとっては自ら紡ぎ出す、物語の世界へ浸ることなのかもしれないのです。

山崎洋子おすすめ作品7選をご紹介~心の光と闇を描く~

本当は映画の脚本家になりたかったそうですが、紆余曲折を経て、小説家になったそうです。

1986年にデビュー作の「花園の迷宮」という作品で、第32回江戸川乱歩賞を受賞しています。

以降、小説、エッセイ、ノンフィクションなど多数の著書を執筆し、また舞台の脚本・演出、バレエミュージカルの原作も手掛けるなど、多方面でも活躍されています。

そんな山崎洋子氏のおすすめの作品7選をご紹介いたしますので、お楽しみください。

1、『花園の迷宮』

貧しい片田舎の村で育った少女二人が、横浜の遊郭に売られ、そこで不気味な連続不審死に巻き込まれていく話です。

娼妓として働き始めた美津は客を刺殺して、服毒自殺を図り、娼妓としての年齢に満たない、ふみは美津の無実を晴らすべく、一人で捜査を行っていくのです。

次々に娼家を襲う殺人事件、人間の欲望の凄まじさが伺えます。

ここがポイント

昭和初期という時代背景、遊郭という舞台、登場人物である娼妓や働き手、特高や満州国などの時代用語がこの作品の独特さを醸し出していて、深く引き込まれてしまいます。

ミステリーとしての完成度やテンポの良さもさることながら、風俗や人物の描写が素晴らしく、悲しい結末になりますが、ラストのふみの決意が、清々しい余韻を残す作品です。

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2、『人魚を食べた女』

人魚の肉を食べて不死になった女と、その狂気と情念にとり憑かれた男の話です。

人魚の肉を食べ、現在125歳の彼女は、彼に今まで彼女が過ごしてきた人生を語るのですが、その話が彼の記憶の中に入り込んで、彼の人生までも巻き込んでしまうのです。

彼女の狙いは一体何なのか、そして彼女の本当の正体は・・・。

人魚の話だけでなく、半身半獣の神話などが盛り込まれていて、なかなか読み応えがあります。

読んでいてふと、本当に人魚っているかもしれないという感覚になってしまいそうになります。

ここがポイント

全体的にファンタジーのように思いますが、ホラー要素も多分に含んでいて楽しめます。

ちょっと怖い大人の娯楽小説として楽しめる作品です。

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3、『横浜の時を旅する』

横浜にあるホテル・ニューグランドの歴史と魅力をまとめた山崎氏のエッセイです。

このホテルの歴史を語ることは、横浜の歴史を語ることであり、それくらいホテル・ニューグランドは横浜そのものなのです。

関東大震災の復興のシンボルとして誕生し、戦後は米軍に接収され、辛酸も舐めていた時期もありました。

日本初の海浜公園である山下公園、洋館が立ち並ぶ山手、ハイソサエティな元町、食べ歩きも楽しい中華街など今では人気のスポットを従えています。

ここがポイント

タイムスリップしたかのように、日常から離れることができるホテル・ニューグランドはただの高級ホテルではなく、横浜の発展を見守り続けている、横浜そのものなのです。

4、『女たちのアンダーグラウンド』

戦後、横浜のアンダーグラウンドな世界に生きた女性と、日本人女性と米国兵の間に生まれた子供たちについて書かれたノンフィクションです。

幕末の開港から150年以上の歴史の中で、横浜の女たちはどのようにして男たちの欲望を受け止めてきたのでしょうか。

震災、空襲と二度も焼け野原になった横浜が逞しく甦った陰で、知られざる歴史の光と闇が、数多くの証言から浮き彫りにされています。

戦争の名のもとに国が作った慰安施設、その被害者混血の嬰児が横浜の外国人墓地に八百体も埋葬されているのです。

ここがポイント

忘れてはならな事実の数々、私たち日本人は何も知らされず、戦争によってもたらされた被害を学ぶ機会が、あまりにもなさ過ぎたのです。

華やかで活気ある横浜の裏側の闇を、知ることができる作品です。

5、『天使はブルースを歌う』

ゴールデン・カップス、根岸外国人墓地、そして白塗りの娼婦ハマのメリーさんを軸に縦横無尽に当時を甦らせてくれる、綿密な取材に裏打ちされたノンフィクションです。

ここがポイント

横浜の戦後史をきちんと辿りながら、半ば伝説化しているメリーさんやゴールデン・カップスの実情に迫り、根岸外国人墓地の隠された史実を巡る横浜市当局との顛末を描いています。

GIベイビーとは時代のうねりが生んだ落とし子であり、戦後、米国兵と日本人女性の間に生まれた子供の事なのです。

その子たちは、誰からも求められることなく、横浜の基地に置いていかれ、臭いものに蓋をするような仕打ちを受けたのです。

生を謳歌することもできなくて、天に召されていった天使たちだったのです。

知られざる、忘れられつつある横浜のもう一つの戦後史が分かる作品です。

6、『港町ヨコハマ 異人館の秘密』

明治時代の横浜が舞台であり、フェリス女学院に通う女学生の主人公、おりんが友人が巻き込まれる事件に挑む話です。

明治期の華やかな部分と闇の部分が出てくる軽いミステリーになっていて、ヒロインのおりんと共に謎解きをするのは、グランドホテルの若き総料理長であるイケメンシェフなのです。

全体的にテンポが良く、躾に厳しいお嬢様学校の様子や女学生たちの日常が丁寧に描かれています。

最後には、ちょっとしたミステリーのどんでん返しもあり、マザーグースとの絡みに興味がそそられます。

ここがポイント

文明開化の横浜らしい活気と、エキゾチックでオシャレな雰囲気も上手く表現されている、若い女の子が主人公のソフトタッチミステリー作品です。

7、『誰にでも、言えなかったことがある』

横浜を拠点に活動する山崎氏が、その波乱万丈な自分の生い立ちを綴った話です。

幼少期に両親に捨てられ、唯一の保護者であった祖母は入水自殺を遂げてしまいます。

その後も継母に虐待されたり、14歳になり実の母の元に戻ることができるのですが、そこでも平穏には過ごせなかったのです。

そして、家出に踏み切ってしまうのです。

その後、結婚、離婚を経て、作家デビューをするのですが、更にその後も波乱の人生が待ち受けていたのです。

ここがポイント

女性はもちろん、悩み多き若者や男性にも読んで欲しい作品です。

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まとめ

山崎洋子氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

横浜の暗部に切り込んだ作品、或いはご自身の生い立ちなどに関心を抱かれたと思います。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

そして、あなたなりの真実を見極めてください。

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