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北山猛邦おすすめ作品8選をご紹介~独特の世界観に拘る描写~

独特の展開が楽しめる、北山猛邦氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学在学中の1999年夏にワープロ専用機を購入し、小説を書き始め、2001年夏に「失われたきみ」を改稿・改題した『「クロック城」殺人事件』という作品で、第24回メフィスト賞を受賞します。

2002年3月、『「クロック城」殺人事件』が講談社ノベルスから刊行され、作家デビューを果たします。

同月、大学を卒業し、岩手県の実家に引越しします。

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北山猛邦おすすめ作品8選をご紹介~独特の世界観に拘る描写~

作風としては物理トリックにかなりこだわりを持っていて、活字メディアでは「物理の北山」と異名をとることもあるそうです。

「本格ミステリー・ワールド2008」では、「やりすぎれば、あり得ない。控えれば、つまらない。それが物理トリックです。」と語っています。

殆どの作品において、世紀末的・終末的イメージが満たされる独特の世界観が構築されています。

そんな北山猛邦氏のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみください。

1、『「クロック城」殺人事件』

城シリーズの第一弾であり、過去・現在・未来の3つの時を刻む巨大な時計のある、クロック城で起きる殺人事件の話です。

舞台は世紀末、3つの大時計が時を刻む城で起きたのは、不可能犯罪だったのです。

靄のかかった世界観には困惑したものの、その幻想的な舞台設定と、潔い物理トリックの対比は美しく、畳みかけるような終盤の逆転劇やカタストロフィは鮮やかなのです。

ここがポイント

物語を二転三転させるような、ミステリーらしい展開は思わず唸ってしまい、美しくまとめられたストーリーとキャラクター設定も楽しめます。

独特の世界観があり、楽しめる作品です。

2、『「瑠璃城」殺人事件』

城シリーズの第二弾であり、日本・フランス・ドイツで、時空を超えて繰り返される密室殺人事件の話です。

生まれ変わりをテーマにしているため、ファンタジー色が強く、ミステリーとしては説明のつかない部分もありますが、かなり楽しめます。

物語に散りばめられたトリックは、流石であり、斬新かつ大掛かりなので惹きつけられてしまいます。

ここがポイント

そんな幻想的な世界の中で起こるアクロバティックな密室殺人は、実に魅力的で、思わず唸ってしまいます。

独特の雰囲気と読後感のよさは健在であり、物語としての質も高い作品です。

3、『「アリス・ミラー城」殺人事件』

城シリーズの第三弾であり、舞台となるのは、孤島にそびえる奇怪な城、そこで登場人物たちが次々に殺されていく話です。

「アリス・ミラー」を捜すために、雪降る孤島のアリス・ミラー城に集まる個性豊かな、探偵たち。

「そして誰もいなくなった」を踏襲した設定のように、インディアン人形の如く、一人殺される度に減っていくチェスの駒。

ここがポイント

密室、死体移動、見立てなど、推理を楽しむ題材が満載であり、各々に解明できる伏線をしっかりと張ってあり、楽しめます。

また、登場人物の視点を変えたり、チェスの動きを各章の前に画くなど、真相にたどり着く工夫もされています。

スリリングな展開が楽しめる作品です。

4、『「ギロチン城」殺人事件』

城シリーズの第四弾であり、密室のギロチン城での4人の首切り殺人事件を巡る話です。

冒頭の首狩り人形とスクウェアの説話から、引き込まれてしまい、得意の物理トリックも大胆かつ鮮やかであり、もう一つの仕掛けもギロチン城という舞台と上手く照応しています。

ここがポイント

また、本作では、非常に斬新なトリックが使われていて、かなり楽しむことができます。

しかも首切り人形のエピソードやギロチン城という舞台に絶妙にマッチしていて、分量以上の濃密な本格ミステリーが味わえます。

ラストの余韻に、酔いしれてしまう作品です。

5、『アルファベット荘事件』

いわゆる雪の山荘を舞台に繰り広げられる、クローズドサークルものの殺人事件の話です。

アルファベットのオブジェが散らばる奇妙な屋敷で起きる不可能犯罪が描かれています。

空の状態から何かを生みだすと言われる、「創世の箱」から突然現れる死体、アルファベットのオブジェに隠された謎など、推理すべきトリックは、既に物理的なものを感じさせます。

また、事件の背景にある少年と少女の出会いと別離の物語が、もの悲しい雰囲気の良い幻想感を作り出しています。

ここがポイント

最終的に暴かれる真相にかなりの衝撃を受けてしまう作品です。

6、『少年検閲官』

少年検閲官シリーズの第一弾であり、書物の所持を禁止され、人々からミステリーという存在が、忘れ去られた世界で起きる事件の話です。

あらゆる創作物が駆逐されているので、人々はミステリーの存在すらも知らず、家に刻まれる赤い十字架や首のない死体などの怪事件が起きても、何が起きているのかなどの推測すらしないのです。

ここがポイント

とても幻想的な雰囲気と、事件のおぞましさとのギャップに、一気に引き込まれてしまいそうになります。

世界観を生かした話運びも逆説的であり、お伽話のような作品です。

7、『踊るジョーカー』

名探偵・音野順の事件簿シリーズの第一弾であり、気弱な名探偵の音野と、そんな彼を連れ出して、サポートする白瀬の二人が事件を解決していく5編からなる短編集です。

殺人事件や、日常に絡む事件もありますが、どことなく、ほのぼのとした空気が流れているのは、探偵役の音野とワトソン役の白瀬のキャラクターのせいでもあります。

トリックが面白く、凝っていて、陰惨なこともなく、とても読み易くなっています。

ここがポイント

作品が醸し出す雰囲気が素晴らしく、古き良き時代の本格ミステリーを彷彿させるようで、パロディ的な要素もあり、楽しめます。

そして物理の北山らしいトリックも、キチンと用意されている作品です。

8、『密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿』

名探偵・音野順の事件簿シリーズの第二弾であり、前作に続いて、物理トリックが効いている5編からなる短編集です。

ここがポイント

登場人物たちのコミカルなやり取りに、和まされながらも、それでいて凝ったトリックを、しっかりと解き明かす本格ミステリーとしても楽しませてくれます。

中でも「停電から夜明けまで」とういう作品は、積極的に謎解きをしない探偵役、音瀬の個性の生かし方が秀逸です。

コミカルで楽しめて、クセになりそうな作品です。

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まとめ

北山猛邦氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

独特の世界観で描写し、ストレートなミステリーに、こだわりを見せる作風を感じていただけたと思います。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

読書の楽しみが広がりますよ。

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