法律・法廷に関連した映画1選とミステリー小説4選のご紹介をさせていただきます。
冤罪事件・裁判員制度が題材の法廷ミステリーをご紹介していきますので、法律の知識も多少身につくと思います。
ミステリーを読みながら法律の知識も少しは知りたい、裁判の仕組みももう少し分かればと思う方におすすめしたい作品です。
この記事の目次
冤罪・裁判員制度も良くわかる法廷ミステリー小説4選+映画1作品
平成21年から開始された裁判員制度。
人が人を裁くそんな法廷の決断に視点を置き、映画1作品小説4選をご紹介させていただきます。
①「それでも僕はやっていない」諏訪正行(監督・脚本)映画
満員電車の中、女子高生に痴漢と摘発されたフリーターの青年を中心にした作品です。
いくらやっていないと主張しても受け入れてもらえない。
検察側は証拠提出を「不見当」としたにも関わらず、裁判所は起訴に踏み切る。
この場合、日本の法律ではほぼ100%有罪が確定します。
検察及び裁判所がいかに容疑者を有罪にしようかとする姿勢が伺われます。
人が人を裁くのは本当に難しいことが実感でき、冤罪事件が引き起こす社会的制裁も痛感できる作品だと思います。
②「裁判員法廷」芦辺拓
裁判員制度を対象とした、3部からなる作品です。
その一「審理」弁護士と検察官の攻防を中心に事件の真相をあきらかにしていく内容。
その二「評議」裁判員たちが審議後に討議を行い主人公の「あなた」の主観が伺える内容。
その三「自白」この三部作品の一番のクライマックスシーンが満載されている内容。
審理と評議はその伏線であったかのようです。
何れにしましても、裁判員裁判制度が導入され、今まで裁判所や弁護士、検察官に委ねていた裁判そのものがわれわれ国民がかかわることになった以上責任は重大です。
③「被告A」折原一
殺人事件で逮捕された男が冤罪を主張しまた息子を誘拐された母親が犯人に挑んでいくという法廷劇と誘拐劇が同時進行する2つの話が綴られた作品です。
様々などんでん返しが繰り広げられる作品で終盤にこの二つの事件が関わりを持ってくるという衝撃の展開です。
作者にとっては今までお馴染みの倒錯シリーズではなく新趣向の作品に仕上がっていると思います。
④「目撃」深谷忠記
主人公である小説家、曽我が8歳のときに遭遇した母親が父親を刺殺する事件に端を発するる作品です。
そして39年後、夫を毒殺して懲役10年の判決を受けた女性からの手紙を受け取り、旧友の弁護士とともに事件に関わりその女性の無罪を追求していく展開です。
「目撃」こそがこの作品の真髄を物語っているように思えます。
まさしく法定心理ミステリーと呼べる作品だと思います。
⑤「最後の証人」柚月裕子
元検事の左方が弁護士として物的証拠が揃っている被告の無罪主張に関わっていく作品です。
そして事件の裏側に隠れた真相が解明されようとしている。
検察や警察による不正に立ち向い毅然とした態度で挑む左方。
子供を事故で失った夫婦の復讐劇が始まる。
違った意味の夫婦愛が感じられる作品です。
まとめ
テレビなどでよく裁判所の光景が写し出されるドラマがあります。
被告がいてその両側に弁護人と検察官そして正面に裁判官。
判決が下される瞬間、被告の人生が変わると言っても過言はないと思います。
人が人を裁く裁判制度、本当に真実の判決が下されているのか。
裁判員制度が始まって10年程になります。
明日、あなたの手元にも裁判所から手紙が届くかもしれません。