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おすすめ推理小説 バカミス

霞流一おすすめ作品8選をご紹介~ユーモア本格ミステリの傾奇者~

発想がユーモアたっぷりの霞流一氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、東宝に勤務する傍ら、1994年に執筆した「同じ墓のムジナ」という作品が第14回横溝正史ミステリ大賞の佳作に入選し、作家デビューを果たします。

その後はいわゆる「バカミス」を中心に作品を発表し続けていて、1995年の「フォックスの死劇」、2001年の「スティームタイガーの死走」という作品で、二度のバカミステリー大賞を受賞しています。

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霞流一おすすめ作品8選をご紹介~ユーモア本格ミステリの傾奇者~

現在は日本のミステリー小説界で、バカミスの第一人者として、バカミスキングなどとも呼ばれています。

その一方でミステリとしての論理的な組み立てには強い拘りがあり、特に消去法による推理が十八番のようです。

また、作品の殆どが、何らかの動物づくしになっていたり、アイデア料理や食に関するこだわりがあるのも特徴的です。

そんな霞流一死のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみください。

スティームタイガーの死走

幻の蒸気機関車C63を再現し、実在の中央本線で東京まで走らせる予定の日に、出発駅で変死体が発見される話です。

それでも、何とか出発するのですが、列車強盗に遭い、殺人、人間消失、果ては蒸気機関車まで消失してしまうのです。

駅のホームでキャンプファイヤーや、線路を挟んでの花いちもんめを要求した列車強盗犯の意図に何故か目が点になってしまいます。

ここがポイント

トリックは凡庸であり、バカバカしいのですが、ミステリーとしての伏線はしっかりと張られています。

最後に明かされる大仕掛けには、素直に驚いてしまう作品です。

《首断ち六地蔵》

お寺の六地蔵の首が持ち去られ、それらが発見されるたびに、見立てを施された死体が見つかる連作短編集です。

ここがポイント

見立てあり、多重推理あり、どんでん返しありの話が、立て続けに襲ってきます。

各話のトリック、犯人、そして事件の首謀者は誰なのか、仮説と反証をこれでもかというくらい繰り返し、コメディタッチで展開していきます。

突拍子もない発想が満載で楽しめる作品です。

《ウサギの乱》

天字受売命(あめのうずめのみこと)を祀る神社で、ウサギの骨が大量に出土した話です。

そして2年後その神社の宮司の変死を皮切りに、怪死事件が頻発していくのです。

出入り不可能な二重密室での串刺し死体や、骨を粉々に砕かれ、埋葬されていた死体などに用いられた前代未聞のバカトリックがとにかく凄いのです。

また、警報ブザーの指紋や、自転車のタイヤ痕といった手がかりを元に、構築される犯人特定のロジックは、なかなか秀逸です。

ここがポイント

ウサギと言えば月ということで、アポロ計画についての蘊蓄まであって、楽しめる作品です。

講談社
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《死写室》

コミカルな銘探偵の紅門福助と、映画関連の話が絡んだ内容で繰り広げられる8編からなる短編集です。

すべての話がトリックに特化していて、その背後にある人間関係は極めて淡白なところが、面白味を増しています。

動機や殺害方法についても突っ込みどころはあるのですが、そこはバカミスということで許容範囲です。

ここがポイント

そんなバカミスでも、魅力的な謎と散りばめられた伏線はかなり読み応えがあります。

ラストには読者への挑戦もありますが、あまりにも想像の先を行き過ぎていて、笑えてしまう作品です。

《災転(サイコロ)》

碑工師の飛崎漂二と巫女の久能空美が連続殺人の謎を暴いていく、怒涛の奇想天外ホラーです。

まるでゴムのように曲がってしまった墓石、その下で眠る者は不可解な死を遂げていたという。

事故とも事件とも言い難いこの出来事を皮切りに次々に起きる変死の謎を二人は追っていきます。

全体的にエログロナンセンスが全開ですが、組立自体は怪異現象のメカニズムを解明する、オカルト探偵ものといったつくりで、意外にもまとまっています。

また、サイコロにオカルト的趣向が施され、作品全体のモチーフになっています。

ここがポイント

深く考えず、軽い気持ちで読むと最高の作品に思えます。

《落日のコンドル》

豪華客船のオーナーを暗殺する指令を受けた、影ジェントたちが、敵味方入り乱れて、殺し合う話です。

ここがポイント

影ジェントたちのニックネームも大変ユニークで、ジョーカーの笑うオペ、処刑台のエコロ爺、断末魔の喉越しなど、趣向を凝らしています。

またそれぞれの殺しのスタイルが、ばかばかしすぎで、表の顔が外科医師だからメスというのは分るけれど、保育士だからカスタネットとか、蕎麦屋だからザルっていうのは何ともいただけない。

しかし後半での解決編では、伏線回収もしっかりされていて楽しめる作品です。

《フライプレイ!監棺館殺人事件》

別荘で缶詰になっていた、推理作家が、訪れた愛人を痴話喧嘩の果てに殺してしまう話です。

居合わせた編集者に「本格ミステリ作家の名にふさわしい殺人を」とけしかけられて、舞台設定をあの手この手で、装飾し始めていきます。

そして事件解決の為に呼び寄せた探偵役が、これまた暴走し始めてしまうのです。

作品的には、密室、見立て殺人等、本格の要素が取り入れられていて、本格ミステリーを題材としていますが、まるで、コントを読んでいる気分になってしまいます。

ここがポイント

どんでん返しと見立てのオンパレード作品です。

《パズラクション》

殺し屋という裏の顔を持つ探偵が、虚構の推理を繕うミステリーです。

比較的、ロジカルな推理をしつつも、証拠を捏造したり、無視したりすることで、真相を捏造していくのです。

信じ難いトリックが最初に登場して、それを常識的な嘘推理で覆い隠し、納得させていきます。

ここがポイント

普通とは全く逆のハウダニットが試みられていて、かなり楽しめます。

ミステリーの持つ危うさを軽妙に乗り切って、多層解決を成立させてしまう少し異常なまでの作品です。

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まとめ

霞流一氏の作品は楽しんでいただけましたでしょうか。

バカミス、えっ、されどバカミスなのです。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

嫌なこと、忘れてしまいますよ。

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