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中島京子おすすめ作品8選をご紹介~言葉遊びの楽しさを描く~

絶妙なバランス構成で定評のある、中島京子氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、出版社に勤め、女性誌の編集に長く携わった後に退社し、1996年にインターンシップ・プログラムスで渡米をしています。

1997年に帰国後、フリーライターとなり、2003年に「FUTON」という作品で、作家デビューを果します。

そして、その後も数々の作品が文学賞候補に挙がり、2010年に「小さいおうち」という作品で第143回直木賞を受賞します。

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中島京子おすすめ作品8選をご紹介~言葉遊びの楽しさを描く~

小説家になりたいという漠然とした思いはずっと昔からあったようですが、具体的に文学賞に応募したり、ということはあまりやっていなかったそうです。

ライターをしていた頃にいろんなところに取材に行ったことが、今、小説を書いていく上で、役に立ったことがかなりあり、良かったと思うそうです。

これからの創作活動についてもいろいろと野心があり、小説は書き方やテーマにしても、自分なりにいろんなことができると思うので、できる限り努力して取り組んでいきたいそうです。

そんな中島京子氏のおすすめの作品を8選ご紹介いたしますので、お楽しみください。

『平成大家族』

平成ならではの家族のいろいろな諸問題が、描かれている話です。

緋田家の当主である龍太郎は引退した歯科医であり、妻と姑と引きこもりの息子の克郎との4人暮らしでしたが、長女一家が破算して戻り、次女も離婚して出戻り、さらに離婚後に妊娠も発覚して、大事件が続いて大変なことになっていきます。

次から次へと問題が起こり、一転して、ドタバタした日々になってしまいまが、笑いあり、涙ありと見事なヒューマンものに仕上がっています。

ここがポイント

家族それぞれの事情や目線から展開される、絶妙な構成はテンポがよく、飽きを感じさせません。

人生いろいろなことがありますが、健康で平和なのが一番だと感じさせてくれる作品です。

『小さいおうち』

戦争の影が見え始めてくる昭和初期に、東北の田舎から東京へ女中奉公に出て来た、布宮タキの回想録です。

小さな赤い屋根のモダンな家の平井家で過ごした、戦前から終戦までの日々が、女中タキの目を通して、普通の市井の人には戦争に向かう日本が、どう映っていたのかを指し示してくれています。

ここがポイント

タキが当時の思い出を孫に読み聞かせるが如く、ノートに書き連ねているので、思わずその世界観に引きずり込まれてしまいます。

中流階級の人やその周りの人たちは、どんな風に戦争を捉えていたのかも推測できる内容です。

非常に分かり易い文章でもあり、エンディングの切なさに余韻が残る作品です。

文藝春秋
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『花桃実桃』

亡き父親から築20年超のアパート「花桃館」を相続した、40代の娘、茜が大家になり、奇妙な住人たちとの日々が綴られている話です。

茜は癖のある入居人たちに振り回されながらも、段々と馴染んで楽しむようになっていきます。

自然体な文章であり、ところどころにユーモアも効いていて、気持ちが和らぎます。

ここがポイント

ライフスタイルが多様化する現代にあって、その多様性を広く受け入れるような、穏やかさが描かれています。

クスっと笑えて、優しい読後感が味わえる作品です。

『かたづの!』

江戸時代唯一の女城主の波乱に満ちた話であり、一本しか角のない羚羊(カモシカ)と女城主の種を超えた友情と信頼の物語でもあります。

領主の夫と幼い息子を暗殺された美しい妻、祢々は領土と民の命を守るために、女城主となるのです。

河童に求婚され、一本角の羚羊を生涯の友とする、祢々は聡明であり、自分の信念のもと、領土を狙う叔父たちの陰謀や、次々に降りかかる禍を知恵を絞って乗り越えていくのです。

ここがポイント

民話的なファンタジーの要素と軽妙な筆致が物語を明るくしていて、それでいて壮大で感動的な一代記になっています。

前向きな気持ちにしてくれる作品です。

『長いお別れ』

どうしようもなく認知症が進行していく父親と、戸惑いながらも父親を支える家族の話です。

誰もが忙しいながらも家族を思いやり、最善の道を模索していきますが、その斜め上をいく父親の言動は驚きの連続で皆が振り回されてしまうのです。

とにかく認知症の介護ほど大変なものはなく、身の回りのお世話だけでなく、徘徊や見当識障害、異食、幻覚、介護への抵抗が10年近く続いていったのです。

ここがポイント

大変重たくて暗いテーマでありながらも、ポジティブで少し楽天的でかわいらしい妻や3人の娘たちが、右往左往する様がコミカルに描かれています。

家族とは何かを改めて考えさせてくれる作品です。

文藝春秋
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『彼女に関する十二章』

60年前のベストセラーである伊藤整氏の「女性に関する十二章」を引用しながら、ゆるやかに進行していく話です。

50歳を超えた宇藤聖子という女性の変化に富んだ、約9ヶ月の様子が描かれています。

夫の言動に苛つき、突然の出会いや息子の恋人に戸惑いながらも、どこか飄々とした雰囲気を醸し出しています。

ここがポイント

日常のあれやこれやを飲み込みながら歩いていく、半世紀を生きた女性の強さと可愛らしさが滲み出ています。

ほのぼのとした日常を堪能できる、リラックスできる作品です。

『短編少女』

人気作家が「少女」をキーワードに描いている、9編からなる短編集です。

思春期の真直ぐさや切なさ、輝いている反面、危うい脆さだったり、きっと誰もが感じたことのある思い出が詰まっています。

意外にどの作品も女性の現実的な問題に対するリアルな心理や行動を描いていて、男性はどちらかというと健気に映っています。

また、女性同士の関係も案外ドライに見立てていて、曖昧で繊細でふわふわした感じが絶妙に描かれています。

ここがポイント

各作家先生の個性を楽しむことができる贅沢な作品です。

『夢見る帝国図書館』

私が上野公園で出会った不思議な老女、喜和子さんの人生と、かっての帝国図書館の歴史を辿っていく話です。

喜和子さんとのふれあいと別れ、そして彼女の人生を追走する私と帝国図書館のエピソードが、より合わさって厚みのあるストーリー展開になっています。

図書館と文豪たち、上野動物園、憲法等、翻弄された図書館との歴史はかなりの興味を誘ってくれます。

そしてたくさんの登場人物と共に、滑らかに読ませてくれるバランスも絶妙さを極めています。

ここがポイント

ほんのりとミステリーテイストがある、静かで感動的な作品です。

文藝春秋
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まとめ

中島京子氏の作品は楽しんでいただけましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

きっと心が温かくなります。

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