刺激的な描写の松岡圭祐氏のおすすめ作品8選をご紹介させていただきます。
1968年生まれで、愛知県出身であり、「催眠」という作品が小説家デビュー作で、ミリオンセラーとなり、当時の小学館文庫の歴代1位の売り上げを記録します。
また、1999年5月に発表した、「千里眼」という作品は、「催眠」同様シリーズ化されて、累計600万部を超えるヒット作となります。
松岡圭祐おすすめ作品8選をご紹介~常にテーマの必然性を追究~
松岡氏の作品の多くは女性が主人公であり、しかも、20代の美女が登場します。
若者を描くのはとても楽しいそうで、魅力的なヒロインつくりには、実際にその職業に就いている同年代の女性たちに直接会って、話を聞いて、イメージを膨らませているそうです。
自分にとっての作品は、自分の子供のような存在であり、映画化の話がきても、当然こだわりがあるので、いい作品にするためにには、原作者としては、できるだけ、制作に関わり、自分の意図を伝えるようにしているそうです。
そんな松岡圭祐氏のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、最後までお楽しみください。
1、『千里眼 完全版 クラシックシリーズ1』
元航空自衛隊のパイロットにして、現在は戦う臨床心理士の岬美由紀が、カルト教団の壮大なテロ計画に立ち向かう話です。
とにかく、主人公がスーパーウーマンであり、八面六臂の活躍をする姿は圧巻であり、まるでハリウッドのアクション映画を観ているかのような感覚に陥ってしまいます。
話の規模も壮大であり、一つ間違えば、荒唐無稽とも思われる内容ですが、筆者の緻密な調査でリアル感も伝わってきます。
ここがポイント
ゲームをしているような気分になり、エンターテインメントとしてかなり、楽しめる作品です。
2、『万能鑑定士Qの事件簿1』
万能鑑定士である、凜田莉子が持ち前の観察眼と知識を生かして、事件を解決していく話です。
彼女が扱う事件は、週刊誌記者によって持ち込まれた、東京23区内に突如貼られた力士シールの謎を手始めに、持ち込まれた絵画の真贋判定、組織の絡んだ詐欺盗難事件等、多種多様に渉っています。
ここがポイント
僅かな情報と、膨大な周辺の知識から、並みの人間では到達できない結論を導き出す過程が楽しく描かれています。
人や物の質を鑑定するために、ほとんど皆無の小さな情報までを汲み取る観察眼には、圧倒されてしまいます。
読み終えると、凄い量の知識が学べる作品です。
3、『特等添乗員aの難事件1』
ラテラル・シンキングを操り、新人ツアーコンダクターとして、世界を飛び回りながら様々な事件を解決していく浅倉絢奈の話です。
理論で物事を捉えるロジカル・シンキングとは真逆であり、常識にとらわれず、直感的に捉えるのがラテラル・シンキングなのです。
万能鑑定士の凜田莉子と小笠原悠斗もたびたび登場してくるので、まるで同じ世界を違った角度から見ているような新鮮さを感じてしまいます。
ここがポイント
どんなトラブルにもその発想力で、思いもかけない解決策を見出していくのです。
読みだしたら、止まらなくなってしまう作品です。
※ラテラル・シンキング:前提を無くして、水平方向に発想を広げる思考法です。ロジカル・シンキングとは対義となります。
4、『黄砂の籠城 上・下』
喧噪凄まじい北京の地で繰り広げられる、武装集団である義和団との戦いの話です。
西欧の国々に存在を軽んじられていた日本が、外国人排除と叫び暴徒化した義和団との戦いの中で、その勇気が認められ、、徐々に存在感を増していくのです。
実在の人物や北京での籠城戦の2ヶ月間が描かれていて、多国籍からなる公官、軍人たちを統率した、日本人陸軍中佐、柴五郎の活躍が綴られています。
ここがポイント
歴史の真の事実を知ることは重要であり、戦争の残忍さを知るうえで、絶対に戦争は起こすべきではないことは必然なのです。
覚悟を決めることが、どれだけ難しいことかが分かる作品です。
5、『生きている理由』
清朝の皇族である粛親王家の第十四王女として生まれ、様々な癖のある川島浪速の養女として日本で過ごした、川島芳子の16歳までを描いた話です。
彼女は何故、男性として生きる道を選んだのだろうか、彼女の数奇な人生の幼少期から青春時代にかけてが綴られています。
ここがポイント
生まれながら、王女として運命を定められた彼女が、政治に利用されて、中国人としても日本人としても、その確証さえ得られず、生きている理由を見出せない息苦しいほどの渇望が伺えます。
身分と運命により、雁字搦めになりながらも、最も幸せであっただろう青春時代、好きな人とお互いを思いながらも、自分の心のままに選べず、男になろうとした芳子の想いに胸が熱くなります。
宿命に翻弄されてしまう作品です。
6、『グアムの探偵』
グアムで起きる不可解に事件に、日系人3世代探偵が挑む5編からなる短編集です。
誘拐や強盗、DV被害など犯罪事件としてはよくある発端から、意外な方向へ進んでいく面白さがあります。
短編でありながらも、適度な緊張感も備えていて、文中に引き込まれてしまいます。
また、アメリカの準州であるグアムでは、探偵業というものが日本のそれとは全く異なり、正式に依頼を受けると、依頼人の私的調査官となり、条件付きなのですが、警察に情報を貰ったり、現場に足を踏み入れられたり、拳銃携帯もできるのです。
ここがポイント
刺激的で楽しく、ワクワクさせてくれる作品です。
7、『高校事変』
大犯罪を起こしたテロリストの父親に、犯罪や戦闘の知識と技術を叩きこまれた女子高生が、高校を占拠した武装集団を相手に戦う話です。
彼女が戦う理由は正義感などではなく、暴力への欲望や、自らの技術を満足させるための充実感だったのです。
圧倒的な武装の敵と対抗する彼女に勝機はあるのだろうか、凄惨な殺戮シーンに加え、化学知識を駆使した驚愕の戦術を用いて闘っていくのです。
ここがポイント
女子高生の孤独な生い立ちと明晰な頭脳と知識、そして肉体的パワーに圧倒されまくりです。
想像以上のバイオレンスエンターテインメント作品です。
8、『出身成分』
北朝鮮の閉鎖的な農村を舞台にした話です。
謎が多く、得体の知れない国というイメージが強く、理解し難い階級制度と、一般的な倫理観が通用しないのが当たり前、それが北朝鮮なのです。
11年前の殺人事件の再捜査を命じられた主人公が、捜査していく中で、国の上層部のある思惑が隠されていたことに気付くのです。
事件の真実に迫るほど、主人公の心の葛藤が複雑に表現されていて、何が真実が分からなくなってしまいます。
ここがポイント
洗脳の恐ろしさが、味わえる作品です。
まとめ
松岡圭祐氏の作品のご紹介は楽しんでいただけましたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
読書の楽しさがひろがりますよ。