ブレない文章で勝負する、樋口明雄氏のおすすめ作品8選をご紹介させていただきます。
大学卒業後、雑誌記者、フリーライターなどを経て作家になります。
作品は冒険小説、山岳小説、SFからライトノベル、ゲームブックまで多岐に渡り、また、実話怪談ブームの先駆けとなった、「超、怖い話」シリーズの編集者もつとめています。
樋口明雄おすすめ作品8選をご紹介~ぶれない文章を描き続ける~
現在は山梨県北杜市在住であり、豊かな自然環境を将来にわたって保存していく必要がある地区や、動植物の適切な管理、保全を図るための山梨県自然監視員をしています。
受賞歴としましては、「約束の地」という作品で第27回日本冒険小説協会の大賞、大藪春彦賞、「ミッドナイト・ラン」という作品で第2回エキナカ書店大賞を受賞しています。
そんな樋口明雄氏のおおすすめ作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみください。
1、《狼は瞑らない》
かって警視庁警備部警備課に在籍し、SPであった佐伯が、謎の暗殺集団に命を狙われる話です。
今は山岳警備員なった佐伯に大物政治家の魔の手が伸びてくるのです。
過酷な自然環境下での山岳警備隊による人命救助活動、そして佐伯を狙う暗殺集団との壮絶な戦いに手に汗を握ってしまいます。
ここがポイント
救助を生業とした山岳警備隊員同士の堅固な絆に、感動する作品です。
2、《武装酒場》
ここがポイント
それぞれに事情を持った人間が集まる居酒屋の「善次郎」を舞台に展開していく話です。
その日、店に足を運んだ者たちがほんの些細なことで、拳銃、手榴弾、果ては不発弾をぶちかます、立てこもり事件を引き起こしてしまいます。
ハチャメチャな登場人物にメチャクチャなストーリー展開で、突っ込みどころが満載です。
ラストには涙を誘ってしまう展開の作品です。
3、《光の山脈》
無欲で純粋な若き猟師ロッタの前に立ちはだかる、暴力団絡みの企業による悪辣な自然破壊の話です。
企業の不正を暴くための取材をしていたジャーナリストの兄と、愛する妻を殺されたことから、ロッタは復讐を誓っていきます。
ここがポイント
壮絶なバイオレンスの連続があり、さらには冬山の狂暴な天候と状況の変化に応じたバトルシーンの筆致の巧みさには感動してしまいます。
まさしく山岳冒険小説の金字塔作品です。
4、《約束の地 上・下》
自然の中の人と野生動物の共生関係について、考えさせられる社会派的側面を持った冒険小説です。
獣害、環境汚染、さらには人間関係に至るまで、山村の置かれた状況を描く、社会派ミステリーの要素もたっぷりとあります。
ここがポイント
自然との真の矯正、親子の絆、愛する者の死などに絡むサスペンスというものが、みっしりと盛り込まれています。
良質なエンターテインメント作品です。
5、《ミッドナイト・ラン!》
ネットで心中を計画した男女5人が、山中での実行間際に、ヤクザに追われている少女を助ける話です。
そして何故か、自分たちが指名手配され、警察やヤクザから追いかけられる羽目になってしまうのです。
ここがポイント
死ぬつもりであった5人の生きるがための、命がけのアクションの連続は、迫力あり、スピード感ありでかなり楽しめます。
映像で観たらさぞかし、爽快な気分にしてくれそうな作品です。
6、《ドッグテールズ》
犬との出会いや絆を叙情的に描いた、5編からなる短編集です。
人間関係や災害などで精神的なダメージを負った人たちが、犬と関係を持つことで、立ち直りつつある話や、希望が持てる話が綴られています。
ここがポイント
どの話も大変読後感が良く、愛おしい気持ちでいっぱいになってしまいます。
犬好きの方には、堪らない作品だと思います。
7、《天空の犬:南アルプス山岳救助隊K9》
南アルプス山岳救助隊の新人隊員の夏美と、相棒の救助犬メイの活躍が描かれている話です。
厳しい山の中での生活、刻々と変わる気象条件、様々な要救助者を救うために戦う隊員と犬たちの様子が、とても丁寧に描かれています。
ここがポイント
共感覚が大きなテーマになっていて、他人より優れた能力は、時として自らも痛めつける刃になってしまうのかもしれません。
大いなる感動と、少しのミステリー要素もある作品です。
※共感覚:ある刺激に対して、通常の感覚だけでなく、異なる種類の感覚おも生じさせる、一部の人にだけ見られる特殊な知覚現象のこと。
8、《ハルカの空:南アルプス山岳救助隊K9》
表題作を含む、山で起きる悲喜こもごもを綴った6編からなる短編集です。
山での思わぬ事故や怪我に遭遇した人、それを助ける山岳救助隊員や犬たちの姿もしっかりと描かれています。
また、それぞれの話には救助隊の仲間、山小屋で働く人たち、さらには登山客にもスポットをあてているので、より山のことが身近に感じられます。
ここがポイント
救助隊員や救助犬の活躍が楽しめる作品です。
まとめ
樋口明雄氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
読書の楽しみが広がりますよ。