見えない世界を描く、加門七海氏のおすすめのホラー作品を10選ご紹介させていただきます。
多摩美術大学大学院修了後、学芸員ととして、美術館に勤務して、1992年「人丸調伏令」という作品で小説家デビューを果たします。
日本古来の呪術や風水に造詣が深く、オカルト・小説・エッセイ等いろいろな分野で活躍をしています。
加門七海おすすめホラー作品10選をご紹介~日常の恐怖を描く~
怖いものが苦手だという人ほど、実は怖いものを見たり、聞いたりして、しまうものなのです。
加門氏は、ひとり百物語を得意とするほど、自分自身の心霊体験も豊富であり、テレビなどで逸話も披露しています。
そんな加門七海氏のおすすめのホラー作品を10選ご紹介させていただきますので、お楽しみください。
《呪の血脈》
大学の研究性が北アルプスの山中で、奇妙な神木を発見したところから始まる話。
諏訪信仰にまつわるその神木には注連縄がない代わりに、薙鎌という特異な形の鎌がいくつも打ち込まれていた。
そしてその鎌を木から削り出してしまい、神の封じを解いてしまったことから、様々なことが起こっていきます。
土着信仰を題材にしており、怖いというよりも血生臭さを感じ、不気味な雰囲気が漂ってきます。
民俗学をテーマにした不思議な作品です。
《怪談徒然草》
加門七海氏自ら体験した、本当にあった怖い話の数々。
対談形式でとても読みやすいのですが、やはり怖いです。
今までに数多くの怪異体験をして、霊に対しては強いはずの加門氏がヤバイくらい怖くなったそうです。
読むと家鳴りがひどいと言われている作品だそうです。
《うわさの人物 神霊と生きる人々》
選りすぐりの霊能者9人に加門七海氏が生の声をインタビューする話です。
聞く内容としては、生い立ちや、目覚めたキッカケ、何ができるのか、神仏や霊は見ることができるのか、といったところを聞いていく流れで展開していきます。
霊能者の皆さんはとても謙虚な人ばかりで、言われる言葉が何のわだかまりもなく、スーッと胸に入ってきます。
見えない世界を少しだけ覗けた気分の作品です。
《祝山》
女性ホラー作家に旧友から届いた一通のメールが戦慄の日々の幕開けだったのです。
ある山の廃墟で、肝試しをしてから、参加した人に奇妙なことが起きているので、相談に乗ってほしいというメール。
加門氏の実体験をベースにしているので、リアリティ感がタップリに描かれています。
山の名前の意味が分かった時、背筋がゾクッとします。
《お祓い日和 その作法と実践》
深くて広いお祓いの世界を紹介した、是非とも読んでおきたい話です。
年中行事や厄除け、各種の呪いグッズ等も解りやすく解説されています。
基本的に誰でもできる、簡単なお祓いの仕方が紹介されています。
お祓いは特別なものではなく、掃除と同じように考えればいいということに納得してしまいます。
気持ちよく暮らせる術が学べる作品です。
《怪のはなし》
加門氏本人の心霊体験を綴った、20の話です。
読者を怖がらせようとする描写ではなく、加門氏の体験したことを語っているような感じで展開していきます。
派手さはない代わりに、じわりじわりと怖さが這い上がってくるような感じで描かれています。
怪奇体験が非日常ではなくて、日常である加門氏だから納得する作品です。
《「怖い」が、好き!》
子供向けの本のようですが、「怖い」について、とても解りやすい説明で大人が読んでも面白い話です。
人は何故「怖い」と思うのか、真面目に恐怖について説明されています。
何かわからないものや、はっきりしないもの、曖昧なものに人は怖れを抱いてしまうのです。
いままでと違った「怖い」を解釈できる作品です。
《もののけ物語》
加門七海氏の妖しい日常を描いた、3部からなる実話エッセイ集です。
1部は骨董に纏わる話、2部は怪談、3部は日本各地の驚きの体験のエッセイが綴られています。
気が付けは妖しいモノたちに囲まれて、暮らしているという加門氏。
ほのぼのとした気持ちになれる作品です。
《怪談を書く怪談》
ぞくぞくする最強の怖さを含んだ12の話です。
すぐそこにある恐怖と例えられるようでもあり、目立たずに、でも確実に寄り添うように恐怖はそこに佇んでいるのです。
しかし単に怖いだけでなく、たおやかな文章なので、心地よく恐怖が味わえて、不思議な感覚になってしまいます。
ジワリと怖くなりますが、本当に面白いです。
《霊能動物館》
日本に古くから存在する、動物たちの霊能的視点に迫る話です。
神話や伝承の中に棲む動物たちについて、加門氏独特の視点で、いろんな角度から語られています。
身近な動物が神様の一族だったり、妖になっていたりと、不思議な気持ちになってしまいます。
成程と思うような発見が多い作品です。
まとめ
加門七海氏の作品はいかがでしたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
そして加門氏の作品の恐怖におびえてください。