新進気鋭のミステリー作家、辻堂ゆめ氏のおすすめ6作品をご紹介させていただきます。
東京大学法学部に在学中に「夢のトビラは泉の中に」という作品で、第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞します。
のちに同作を「いなくなった私へ」と改題し、小説家へのデビューを果たします。
大学卒業後は作家と会社員という二足のわらじで、活動を続けていくのですが、結婚を機に作家に専念します。
この記事の目次
辻堂ゆめのおすすめ6作品をご紹介~120%のパワーで執筆~
帰国子女作家であり、中学1年生から高校1年生までの4年間、父の転勤でアメリカに滞在していたのですが、インターネットで日本のドラマを観たり、日本の音楽を楽しんでいたようです。
幼いころから作家になりたいと思っていたようで、「読み終わた時に、心に温かいものが残るような作品を書いていきたい」いう信念をもとに執筆しているようです。
そんな信念を持って描いた、辻堂ゆめ氏のおすすめの作品をどうぞお楽しみ下さい。
1、『いなくなった私へ』
ある朝、ゴミ捨て場で目覚めた人気シンガーソングライターの上条梨乃。
ここがポイント
街頭ビジョンでは自分が自殺したニュースが流れていて、自分の周りの人は生きている梨乃に気づかないのです。
そんな時出会った大学生と、少年が唯一彼女を認識でき、3人でその現象の謎に迫っていきます。
現実離れしたストーリーですが、辻堂氏の筆力に引き込まれ、中弛みすることなく最後まで楽しめます。
読後感のスッキリする作品です。
2、『コーイチは高く飛んだ』
体操界で期待の星であるコーイチ、そのコーイチの妹が階段から転落し、植物人間状態になってしまうところから、コーイチの全ての歯車が狂いだしてしまうのです。
ここがポイント
それでも、コーイチは度重なる不幸に立ち向かい、事故の疑問を追求していくと、想像を超える展開が待ち受けていたのです。
体操シーンもすごく丁寧に描かれていて、スポーツ選手の心情も臨場感たっぷりに伝わってきます。
切ないけど、温かい気持ちになれる作品です。
3、『あなたのいない記憶』
大学で約10年ぶりに出合った2人が、子供時代の記憶が、全く違うことになっていることに気づいていく話です。
ここがポイント
虚偽記憶によって記憶が書き変わっていた二人、そうです人の記憶とは曖昧なものなのです。
終始緩やかであったストーリーが、終盤にかけて段々と加速していくあたりが、一番の読みどころになります。
あなたの中にも『虚偽記憶』が、眠っているかもしれませんね。
4、『悪女の品格』
小学校時代の同級生たちに、三股をかけて貢がせている女、めぐみの話です。
ここがポイント
小学校の頃、めぐみがある男子をターゲットとしていじめていたのですが、その手口と同じ内容の復讐を受けることになってしまうのです。
めぐみがいじめていた本当の理由が分かった時、なぜだか憎めない気持ちになってしまいます。
加害者と被害者について、いじめをあらためて考えさせられてしまう作品です。
5、『僕と彼女の左手』
僕と彼女の運命の出会い、そして12年後の再会の話です。
事故によってトラウマを抱えた医学生の僕と、右手が動かず、左手だけでピアノを弾く彼女。
ここがポイント
二人の出会いの真実が分かった時、感動の渦に巻き込まれてしまいます。
爽やかに吹く風のように、ストーリーは穏やかに展開していきます。
優しい気持ちにしてくれる作品です。
6、『片想い探偵 追掛日菜子』
女子高生探偵が活躍する、5編からなる連作短編集です。
ここがポイント
女子高生、日菜子は自分が推しと決めた相手は、とことん調査して追いかけるというストーキング体質なのです。
しかしその相手は、ことごとくいつも事件に巻き込まれてしまい、それを日菜子が解決していくという流れになります。
事件自体も殺人や誘拐、はたまた爆破事件等バラエティーに富んでいるので、飽きることがありません。
笑える作品であり、辻堂氏の多彩さに脱帽してしまいます。
まとめ
新進気鋭の辻堂ゆめ氏のおすすめの作品を、6選ご紹介させていただきました。
まだ読んでいない作品がありましたら、この機会に是非読んでみて下さい。
心を温かくしてくれると思います。