ミステリーホラー界の新星が描く、澤村伊智氏の5作品をご紹介させていただきます。
幼少の頃より読書が大好きで、特に小学生なってからは怪談やホラー作品に慣れ親しむようになったとのことです。
大学卒業後出版社に入社するも2012年に退職して、フリーライターの道を歩むことになります。
澤村伊智おすすめの5作品~新たなホラーブームを巻き起こす旗手~
2015年に澤村電磁として応募した「ぼぎわん」で、第22回日本ホラー小説大賞の大賞を受賞します。
同年、同作品を「ぼぎわんが、来る」と改題して、小説家デビューを果たします。
その後の発表作品も評判を呼んで、日本ホラー小説界の期待の新星としてかなり注目されています。
そんな澤村伊智氏の5作品を刊行順に、ご紹介させていただきますのでお楽しみください。
《ぼぎわんが、来る》
比嘉姉妹シリーズの第一弾で澤村氏のデビュー作品であり、”ぼぎわん“という得体の知れない妖怪のようなものに付け狙われる一家の話です。
そしてその一家を救おうとする、霊能者姉妹の活躍が描かれています。
全3章の構成になっていて、それぞれ異なる登場人物の視点で怪異を語っていく展開になります。
ココに注目
同じ状況の恐ろしさであるにも関わらず、視点が変わることで意識の比較ができて、面白く読み進んでいけます。
怪談、都市伝説、民俗学等さまざまな要素を持っているホラー作品です。
《ずうのめ人形》
比嘉姉妹シリーズの第二弾であり、”ずうのめ人形“という都市伝説を聞いた人間は、人形に目玉を抉り出されて殺されるという話です。
リングの貞子のように呪いが伝播していき、死人も出てしまうのです。
しかもその伝播の方法や呪いの断ち切り方も不明のままなのです。
ココに注目
伏線の回収がとても鮮やかであり、ホラーというよりもミステリー的な面白さも味わえます。
特に今回の作品は、真相を探る道程やミステリー部分の魅力が際立っているので、かなりおすすめです。
《恐怖小説キリカ》
ホラー小説の新人賞を獲得して、順風満帆な日々が続くと思われた矢先、妻と共に嫌がらせにあってしまう作家の話です。
ココに注目
作家、澤村伊智が主役のフェイクドキュメンタリー風のような恐怖小説仕立てになっています。
どこまでが事実で、どこからが創作なのか、境界を見極めることも困難になってしまいます。
一体、澤村氏の頭の中はどうなっているのでしょうか。
今後の作品にも期待が膨らんでしまいます。
《ししりばの家》
比嘉姉妹シリーズの第三弾であり、夫の転勤先の東京で幼馴染に再会して、相手の家を訪問してみると、その家は不気味な砂が散る家であった。
ホラー的な表現よりも喉が渇くような砂の表現が絶妙に描かれていて、読み障りの悪い文字選びが本当に秀逸であると感心してしまいます。
ココに注目
文章の配列にもかなり凝っていて、面白い配列が施してあるので、楽しみながら読み進んでいけます。
明らかに異様な空間の自宅へと、平然と客を迎え入れる笑顔の方が恐ろしくなってしまいます。
《などらきの首》
ココに注目
比嘉姉妹シリーズ初の短編集であり、6話構成になっていて、安定の面白さがそれぞれに味わえます。
澤村氏の”怪異"に対しての考え方や、表現のバリエーションの多さには驚いてしまいます。
最後の1行にゾクッとさせられる作品が多いですが、やはりタイトルの「などらきの首」が一番だと思います。
まとめ
新進気鋭のホラー作家、澤村伊智氏の作品はいかがでしたでしょうか。
斬新さを感じていただけましたでしょうか。
読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
管理人も次の作品をすごく心待ちにしております。