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翔田寛おすすめ作品10選をご紹介~逆算した人物描写で魅了する~

人物描写に特徴のある、翔田寛氏のおすすめ作品を10選ご紹介させていただきます。

大学院を中退したのち、美術館勤務や大学での美術史教員を経て、2000年に「影踏み鬼」という作品で第22回小説推理新人賞を受賞し、翌2001年に同作を含む短編集「影踏み鬼」で作家デビューを果たします。

2008年には「誘拐児」という作品で第54回江戸川乱歩賞を受賞し、現在も活躍し続けています。

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翔田寛おすすめ作品10選をご紹介~逆算した人物描写で魅了する~

小説を書くという作業は、とても孤独な作業であり、自分が書いている小説についても、いいのか悪いのか段々と麻痺してきて、分からなくなってしまうことがあるようです。

また、小説に登場する舞台は、架空の街ではなく、実在の地名が出てくる話の方が、より読者にリアリティ感を抱いてもらえるので、そのように、心掛けているとのことです。

そんな翔田寛氏のおすすめの作品を発表順に、10選ご紹介させていただきますので、お楽しみください。

《影踏み鬼》

人間の持っている業を描いた5編からなる短編集です。

江戸時代の終わりから明治の初めにかけてを背景にしていて、怨み、絶望などがまじりあって、人が鬼に変っていく様が描かれています。

それぞれの話がミステリーの手法を用いつつも、人間のこころの奥底に潜む様々な情念を浮き彫りにしています。

ホラー好きな人には見逃せない作品です。

《誘拐児》

とある殺人事件がきっかけになり、15年前に起きた未解決の幼児誘拐事件が動き出す話です。

終戦直後の闇市で起こった未解決の誘拐事件と、その15年後に起きた家政婦殺害事件、この何のつながりもないようにみえた二つの事件が交差していきます。

死んだ母親が残した言葉、自分は誘拐された子供なのか、ほんのわずかな恨みがやがて大きな悲劇を生み出していくのです。

最後の最後まで目が離せない作品です。

《参議暗殺》

激動つづく明治の年明け早々に、時の太政官参議、広沢真臣が殺害され、その真相解明に挑む話です。

明治初期の混迷していた時代には、このような闇に消えた事象はたくさんあったのだということが伺えます。

フィクションでありながらも翔田氏の筆力には圧倒されっぱなしで、ものすごく凄味があり、時代小説としても歴史ミステリーとしても楽しめる作品です。

《築地ファントムホテル》

消失した築地ホテルの焼け跡から見つかった、刺殺死体の真相を突き止めるべく、イギリス人写真家が挑んでいく話です。

事件を調べていくうちに、明治期の不安定な情勢や市政の様子などもリアルに伝わってきます。

文明開化がもたらした負の側面にも焦点を当てながら謎解きに挑んでいきます。

時代小説のようなミステリー作品です。

《過去を盗んだ男》

江戸湾に浮かぶ監獄、人呼んで無宿島から幕府の埋蔵金を奪おうと企てる、男たちの話です。

無宿島は老中、松平定信が江戸の沖合に無宿人を閉じ込めるために作った収容施設であり、ここに幕府の埋蔵金10万両が眠っているのです。

厳重な役人の監視の目を盗み、果たして、男たちは埋蔵金を手にして無事脱出できるのだろうか。

登場人物が皆、魅力的に描かれているので、映像化したら一層面白い作品として鑑賞できそうです。

《幽霊が返した借金 おでん屋こはる事件帖》

おでん屋と営む主人公のこはるが、怪事件に挑む4編からなる短編集です。

気になることがあると、首を突っ込まずにいられなくなる性分のこはる。

テレビや舞台の時代劇で、たまに登場する無責任なキャラクターの世話焼きおばさんとは違います。

この、こはるが名探偵顔負けの力を発揮するのです。

ほっこりする、人情、ミステリー作品です。

《探偵工女 富岡製糸場の密室》

富岡製糸場で働く工女が殺された事件に同僚が挑んでいく話です。

単なるミステリーではなく、明治初期のまだ世の中が不安定な日本において、時代を切り開いていく様が描かれています。

また、当時の空気感や工女たちの生活も窺い知ることができ、タイムスリップした気分に浸れます。

明治初期を感じさせるライトミステリーです。

《真犯人》

殺人事件の被害者が41年前に、誘拐され、殺された男児の父親だったというところから始まる話です。

三つの時間軸で描かれていて、完全な警察視点で着実に積み上げていく捜査で、少しづつ真相に近づいていきます。

現在の操作から時効直前の過去の捜査、そしてまた現在に戻った時にすべて明らかになっていきます。

警察のプライドや威信が伝わってくる作品です。

《冤罪犯》

幼女殺人事件、それは7年前に起きた事件と似通っており、二つの事件の関連性を調べていく刑事の話です。

7年前、連続幼女殺害事件で死刑判決を受けた犯人は、拘置所内で自殺してしまったが、それは冤罪だったのか。

あの時、警察は証拠を捏造して、犯人を追い詰めたのか。

わずかな手掛かりから、真相にたどり着く、捜査の過程が丁寧に描かれている作品です。

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《人さらい》

小学4年生の女児が誘拐され、殺害された事件に挑む、刑事の話です。

警察の総力を挙げての極秘操作も空しく、身代金一億円も奪われ、少女も無残な姿で発見されてしまいます。

犯人の狙いは何だったのか、単なるお金だけではなかったのだろうか。

犯人の行動には得体の知れない違和感があり、その後の捜査で浮かびあがる新事実。

犯人の慟哭が印象的な作品です。

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まとめ

翔田寛氏の作品はいかがでしたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら是非この機会に読んでみてください。

読書の楽しみが広がります。

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