多彩な作品で魅了する、原田マハ氏のおすすめ作品12選をご紹介させていただきます。
大学を卒業後、広告プロダクションに勤めるも激務のため退職し、もともと好きだった現代アートの世界に目覚めていきます。
そして、2002年にフリーのキュレーターとして独立して、2003年にカルチャーライターとして執筆活動を開始します。
原田マハおすすめ作品12選をご紹介~度胸と直感で描写する~
そして2005年「カフーを待ちわびて」という作品で、第一回日本ラブストーリー大賞を受賞します。
原田氏の作風はお得意の美術を題材にしたものから、恋愛小説まで多くの分野にわたっています。
そんな原田氏のおすすめ作品を刊行順に12選ご紹介させていただきますので、どうぞお楽しみください。
1、《カフーを待ちわびて》
ここがおススメ
美しい景色と独特な文化に育まれた、沖縄が舞台であり、透明感と心に伝わる温かさが描かれた作品です。
一人の青年が旅先で書いた絵馬「嫁に来ないか」という言葉。
そしてその言葉を頼りに一人の女性が現れる。
どうして、女性は青年の元を訪ねて来たのだろうか。
ゆったりとした時間の流れが、感じられる作品です。
2、《一分間だけ》
ファッション雑誌編集者の女性が、ゴールデンレトリバーとの出会いから別れまでを描いた話です。
同棲している恋人と子犬のリラ(ゴールデンレトリバー)を飼い始めるですが、日々の忙しさに翻弄されて、愛し愛されることを見失っていくのです。
恋人にも別れを告げられ、次第に残されたリラとの生活にも苦痛を感じていくようになってしまいます。
ここがおススメ
色々ある人生のその時々で、何を大切にしないといけないかということを教えてくれるような作品です。
3、《本日は、お日柄もよく》
結婚式で衝撃的な素晴らしいスピーチを聞いたことがキッカケで、スピーチライターを目指すことになったOLの話です。
ストーリーの展開はとてもシンプルで読みやすく、スピーチの中の真直ぐな言葉はとても心に響いてきます。
ここがおススメ
単に言葉をただ発するだけでなく、選ぶ言葉や言い回しとか話し方、タイミングが合わさってこそ相手に響くことが分かります。
改めて言葉の持つ力が凄いことだと、気づかされた作品です。
4、《風のマジム》
契約社員から女社長まで上り詰めた、サクセスストーリーになります。
沖縄を舞台にした実話に基づいた話であり、夢に向かって頑張っている、一生懸命な人の背中を押してくれるような展開が分かりやすく描かれています。
そして出来上がった酒、「風のマジム」、飲んでみたくなります。
ここがおススメ
清々しくて、希望に満ち溢れた作品です。
5、《楽園のカンヴァス》
ここがおススメ
コレクター秘蔵のアンリ・ルソーの作品を二人の研究者が真贋鑑定をする話です。
芸術がテーマなので落ち着いた展開なのかと思いきや、研究者同士の熱い戦いになっていきます。
そしてその二人の背景や戦いを巡る内情が相まって、さらに濃密な内容に発展していくのです。
芸術の世界は欲にまみれている、ということも垣間見ることができます。
しかしラストには胸が打たれてしまう、後味のいい作品です。
6、《生きるぼくら》
いじめを受けて、引きこもりになってしまった青年が米作りをして、成長していく話です。
まわりの人たちやおばあちゃんの言葉で、青年は前を向いて生きていく力を貰うのです。
ここがおススメ
自然と人との繋がり、そして大切なもの、生きていくうえでの根本的なことを教えてくれる作品です。
7、《さいはての彼女》
再生をテーマにした4編からなる短編集になります。
仕事をバリバリこなす女性が一人で旅に出て、肩書もなにもない状態で、新しい何かを見つけていくという流れで、ストーリーは展開していきます。
ここがおススメ
女性それぞれが、旅先で出会った人や自然と触れ合うことで、方向転換していく様子が、目の前の景色のように描かれています。
読み終えた後、無性に旅に出たくなる作品です。
8、《ジヴェルニーの食卓》
4人の絵画の巨匠と、その家族を描いた短編集になります。
どの話もとても温かく描かれていて、フィクションでありながらも、実話のような気分にしてくれます。
また、印象派が生まれたころの時代にタイムスリップした気分にもなり、人々の息遣いさえも感じてしまいます。
ここがおススメ
情景を浮かべながら、じっくりと楽しめる作品です。
9、《異邦人》
京都を舞台にした、老舗画廊の夫婦の数奇な日々を描いた話です。
出産を控え、東京から京都へ長期逗留していた夫人が、京都で暮らすうちにしたたかな女へと変貌していく様子が、とても印象的に描かれています。
ここがおススメ
そして明らかになっていく、人間の業の深さを思い知らされることとなります。
粋で素敵な京都も、合わせて堪能できる作品です。
10、《ロマンシェ》
主人公の青年が、有名政治家の家に生まれながら美術を志して、パリに留学し、そしてそこで憧れの小説家に出会う話です。
少女漫画のような流れで物語は展開していきますが、芸術の部分は流石にリアル感タップリに描かれています。
時々クスッと笑ってしまう場面がありますが、登場人物のひたむきさは要所ごとにしっかりと伝わってきます。
ここがおススメ
シリアス的な部分と、ロマンスをうまく織り交ぜている作品です。
11、《暗幕のゲルニカ》
ピカソが生存していた時代と、現代が交互に展開する「ゲルニカ」という絵の話になります。
実話とフィクションが入り混じるような世界観に圧倒されてしまいます。
ゲルニカが持っている意味やアートの力は、どれほどなのでしょうか。
ここがおススメ
作家の一枚の絵にかける情熱と、思いが伝わってきます。
華麗であり、そしてスリリングさに満ちた作品です。
12、《たゆたえども沈まず》
没後に評価された画家のゴッホとその弟、そして日本人の画商二人の交流を史実に基づいて描いたフィクションになります。
パリの優雅さや喧噪、派手さが伝わってくる反面、そこに受け入れてもらえない画家の苦悩が描かれています。
心を病みながらも絵を描く姿、孤独や息苦しさも痛いほど伝わってきます。
ここがおススメ
絵画を見る目に、新しい視点を与えてくれる作品です。
まとめ
原田マハ氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。
芸術を主体にした、多彩な作品を堪能していただけと思います。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。