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藤原伊織おすすめ作品8選をご紹介~快いリズムで文章を描く~

説妙なバランスで描く、藤原伊織氏のおすすめ作品、8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、広告代理店大手の電通に勤めるかたわら「ダックスフントのワープ」という作品で、第9回すばる文学賞を受賞し1987年に作家デビューを果たします。

また、1995年に全共闘世代の心の軌跡を追う、ハードボイルド作品「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞、翌年には直木賞を受賞し、同一の作品でのダブル受賞で史上初の快挙を成し遂げます。

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藤原伊織おすすめ作品8選をご紹介~快いリズムで文章を描く~

2002年それまで勤めていた電通を退社し、作家に専業し団塊世代を代表する抒情的なハードボイルド作家として、人気を博していました。

2005年エッセイで自らの食道癌を公表し、闘病を続けながらも「シリウスの道」やそれに続く作品を執筆しています。

しかし、悲しいことに2007年東京都品川区の病院で、59年の生涯に幕を閉じます。

そんな藤原伊織氏のおすすめの作品を刊行順に、8選ご紹介させていただきますのでお楽しみください。

『ダックスフントのワープ』

不思議な物語が描かれている4編からなる短編集。

各作品とも何とも不思議な哀しいイメージの終わり方ですが、人と人との関わり方の大切さを感じてしまいます。

生きること、そして一つひとつの行為や在り方を考えさせてくれます。

夢や希望を打ち砕いてしまう、徹底した現実の存在が分かる作品です。

『テロリストのパラソル』

アル中のバーテンダーが偶然遭遇した、新宿中央公園の爆破事件から物語は始まります。

彼が捨て去ったはずの過去、全共闘の一員だった学生時代、そして現在は時効となった爆破事件の傷を再び思い出すことになります。

自分を罠に落とそうとした、真犯人を追い詰めていく中での主人公の過去に向き合う姿が印象的です。

男の哀愁と覚悟が心に響く作品です。

『ひまわりの祝祭』

妻の自殺の真相とそれに起因するとされる、ゴッホの「ひまわり」の絵をめぐるハードボイルドな作品。

権力もなし、組織にも属さないけれど、これと決めたらその道をひた走る主人公の爽快さが伝わってきます。

登場人物全員がとても魅力的で、それぞれに確固たる個性を持っているので、楽しく読み進んでいけます。

男臭い哀愁が漂う作品です。

『雪が降る』

人生の真実を鮮やかに浮かび上がらせた、6編からなる短編集。

主人公はいずれも男性で皆、過去に何かを持っていて、それを引きずって生きています。

彼らは一様に情が深く、一途であり、そしてそこに女性が絡んでいる展開になっています。

切ない中にもホッとする気分が味わえる作品です。

『てのひらの闇』

半月後に会社を早期退職する主人公が、突然会長からビデオテープを渡されて、仕事を依頼されるところから始まる話。

そんな中、突然会長が自殺し、その謎を追いかけていく主人公。

広告業界やビジュアル表現に関する描写がリアルに描かれていて、一人の人間の死を境にどんどんハードボイルドな展開になっていきます。

主人公は勿論ですが、脇役を固める者たちのストイックぶりもイイ感じで楽しむことができます。

物語展開が早く、絶妙なバランスのとれた作品です。

『シリウスの道』上・下

広告業界の裏事情が、手に取るように分かる藤原氏渾身の作品。

幼馴染の3人の秘密であった、25年前の出来事がキッカケでそのうちの一人に脅迫状が届く。

目まぐるしく場面が変わるたびに、そこに流れる空気とスピード感が絶妙に描かれています。

人間の業と呼べそうな過去と広告という現代的ビジネスが、絡みあった展開で進んでいきます。

過酷で悲惨な広告業界の問題が、浮き彫りにされている作品です。

『遊戯』

ネットの対戦ゲームで知り合う男女が、徐々に心を交わしていく話。

一方で起きる不可解な出来事、二人を監視する不気味な自転車の男の正体は何なのか。

未完の作品なので、これからどういう結末が待ち構えていたのかわからないのが残念ですが、藤原氏の良さが十分に堪能できます。

哀しくて愛おしい人間の姿が、描かれた作品に間違いありません。

『名残り火ーてのひらの闇(2)』

藤原氏の最後の長編であり、てのひらの闇の続編。

友人の唐突な死、その死をめぐる数々の謎、相変わらずのハードボイルドな展開です。

やはり登場人物がとても魅力的に描かれていて、物語への引き込まれ方は半端ないです。

最後まで結末が読めそうで読めない展開の作品です。

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まとめ

藤原伊織氏の作品はいかがでしたでしょうか。

藤原氏が残した作品は、男の息吹が感じられる素晴らしいものばかりです。

まだ読んだことがない作品があれば、是非この機会に読んでみてください。

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