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相場英雄おすすめの12選~エンターテインメントの真骨頂を描く~

臨場感溢れる描写の相場英雄氏の作品12選をご紹介させていただきます。

相場氏は1989年に時事通信社に入社して、キーパンチャーから記者に転身し、2005年に「デフォルト 債務不履行」という作品で、ダイヤモンド経済小説大賞を受賞し、小説家デビューを果たします。

時事通信社時代に経済漫画の監修をやらせてもらったのがキッカケで、「ストーリーを作る面白さ」を感じながら勉強させてもらったことが作家として独立する転機になったそうです。

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相場英雄おすすめの12選~エンターテインメントの真骨頂を描く~

相場氏は執筆中に音がないと仕事が進まないようで、仕事場にはパソコンの横にスピーカーを置いて音楽をかけて執筆しているそうです。

漫画原作を手掛けた影響で小説もページを開いた時に、絵が浮かぶように作っていて、読者が想像できる文体で描くように心がけているとのことです。

そんな相場英雄氏のおすすめ作品12選を刊行順にご紹介させていただきますのでお楽しみください。

1、《みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥津軽編 完黙》

新宿中央公園で起きたスーパー会長の殺人事件と、青森県五所川原で起きた殺人事件に繋がりがあることに気づく麺食い記者の宮沢。

宮沢は二つの事件が津軽三味線の名手、佐藤流海に繋がっていることに気づいてしまうのです。

ここがポイント

不景気に関連した派遣切りをテーマに、現代の社会問題に切り込んでいきます。

のどかな東北の景色とは裏腹に、とても考えさせられる作品です。

2、《追尾~みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 》

雫石高原へ受験勉強合宿に向かう小学生が乗ったバスがハイジャックされてしまう話です。

グルメ旅情や家族愛も盛り込んだうえに、警察の特殊部隊や金融の専門的な機関まで登場して、盛りだくさんで楽しめます。

ここがポイント

スピード感とサスペンス感が圧倒的な勢いで全面に出されていて、読み応えがかなりあります。

非常に爽やかな読後感にあふれる作品です。

3、《共震》

東北の震災から仮設住宅で2年後に発生した殺人事件をめぐり、宮沢と田名部刑事がそれぞれに犯人を追う話です。

混乱に乗じて復興支援金の詐欺や、NPOという名を被った悪どい団体等がとてもリアルに描かれています。

ここがポイント

この作品は謎解きというよりも二人を通して、被災地の事情や残された家族の心痛が描かれていて、胸に迫るものがあります。

相場氏の熱意が込められた熱い作品です。

小学館
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4、《震える牛》

企業による食品偽装問題を扱った話です。

迷宮入りになった殺人事件を追う刑事が、真相に近づくにつれ、大手ショッピングセンターの実態やBSE問題などの社会現象に深く入り込んでいきます。

ここがポイント

ミステリーでありながらも、現代の日本の抱える問題に深く切り込んでいて、社会のありようについても考えさせられてしまいます。

緊迫した展開が最後まで続く作品です。

5、《ガラパゴス》上・下

非正規雇用をめぐる社会問題に、殺人事件が関わってくる話です。

ここがポイント

過酷な派遣労働、自動車産業の実態、我が国の経済政策等メディアは、全てを記事にしているわけではないことが分かります。

我が国の随所に見られる問題点を鋭く描いていて、やり場のない憤りを感じてしまいます。

立場の弱いものが泣き寝入りをするような社会は、許せない気持ちになる作品です。

6、《血の轍》

元警察官殺しの帳場で、刑事部と公安部のお互いが思う正義に対する戦いの話です。

公安の圧倒的な組織力の凄さと、猟犬のごとく走り回る刑事もカッコ良く魅力たっぷりに描かれています。

ここがポイント

結局、何もかもが形骸化した組織に操られていたのだと分かり、虚しさが残ってしまいます。

臨場感が、リアルに味わえる作品です。

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7、《ナンバー》

ナンバーシリーズ第一弾、所轄から警視庁捜査二課に配属された西澤が経験していく4つの事件からなる連作短編集です。

ここがポイント

捜査二課に主眼を置いている作品も珍しく、課内でも色々な区分があることも分かります。

犯人や協力者といった登場人物の感情の動きが丹念に描かれていて、派手さはありませんがジワジワした面白さがあります。

続編が楽しみになる作品です。

8、《トラップ》

ナンバーシリーズ第二弾、前作「ナンバー」では頼りなかった西澤が、少し頼もしくなった4つの話からなる連作短編集です。

ここがポイント

企業の収賄事件を追い詰めることは、本当に地味で根気のいることがしみじみと分かります。

解決した事件から新たな手掛かりを掴んでいき、さらに捜査を広げていく展開は興味深くてかなり楽しめます。

少し薄味ですが、次作も楽しみになります。

9、《リバース》

ナンバーシリーズ第三弾、第三知能犯係が震災後の福島を舞台にした、種々の知能犯罪を追いかけていく話です。

未だ大震災の傷跡が残る福島が舞台となり、弱い立場の人を狙う詐欺事件から、大きな汚職事件を割り出して暴いていきます。

ここがポイント

短編の形を取りながらも長編のような読み応えがあり、一人ひとりに焦点をあてた人柄と、真意が浮き彫りになり目が離せなくなります。

痺れる作品です。

10、《不発弾》

バブル崩壊後の「とばし」と呼ばれる金融商品で、損失隠しを題材にした話です。

ここがポイント

フィクションの形をとっていますが、既知の粉飾決算のことを描いているのは明らかに分ります。

巨大な額の損失は取り戻せるべくもなく、不発弾として抱えていかなければいけないのです。

バブル期から現在までの金融業界の歴史が分かる作品です。

11、《トップリーグ》

東京オリンピックの再開発途中の埋め立て地から、1億5千万円の入った金庫が見つかるところから話は始まります。

ここがポイント

忘れかけたロッキード事件を題材にしているだけでなく、現代の社会課題も織り込んでいます。

相場氏の他の作品と同様に、ノンフィクションかと思えてしまう程、ドキドキ感の連続展開で進んでいきます。

権力を握った政治家の恐ろしさが分かる作品です。

12、《血の雫》

SNSの特性を最大限に生かした劇場型犯罪と、その動機となったもう一つ大災害のその後を描いた話です。

ここがポイント

情報発信のツールとして利便性が高い一方で、ブレーキの効かない虚飾と虚構、拡散の恐怖を伴うSNSのことがよく分かります。

不確かなニュースに踊らされる現代社会にゾッとしてしまいます。

そんな状況の中でもベテランと若手刑事がお互い歩み寄っていく様子が、何とも微笑ましく感じてしまいます。

ネット社会の功罪に警鐘を鳴らしている作品です。

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まとめ

相場英雄氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、この機会に是非読んでみてください。

きっと夢中になれると思います。

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