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荻原浩のおすすめ15作品をご紹介~心の葛藤をシニカルに描く~

安定した面白さに定評がある、荻原浩氏のおすすめの作品をご紹介させていただきます。

荻原氏の作品の特徴は、上質なユーモアに富んだ文章と、行間に人生の哀歌が漂っているかのように描写されていることです。

また、次々に新しいテーマに取り組み、常に自分の可能性を見出している作家なのです。

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荻原浩のおすすめ15作品をご紹介~心の葛藤をシニカルに描く~

1980年、大学卒業後、広告代理店に入社するも、辞めてフリーのコピーライターとして独立します。

そして39歳の時に小説を書き始めて、その後1997年に初めて書いた長編小説「オロロ畑でつかまえて」で、第10回小説すばる新人賞を受賞し、小説家としてのデビューを果たすことになります。

その後数々の秀逸作品を発表し続け、ついに2016年「海の見える理髪店」という作品で、第155回直木賞を受賞します。

そんな荻原浩氏の選りすぐったおすすめの15作品をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『オロロ畑でつかまえて』

村おこしをするために、地元の青年会と、倒産寸前の広告代理店が協力する話です。

ここがポイント

社会風刺もちょっぴり効いた、ドタバタ劇でありながらも、絶妙な面白さが味わえます。

人間のちょっとした欲が絡んだ、泥臭さも、うまく演出されています。

社会の陰を描いているのですが、人間正直に生きれば何とかなると思わせてくれる作品です。

2、『なかよし小鳩組』

倒産寸前の広告代理店に舞い込んだ仕事は、ヤクザの組のイメージアップを図るという仕事だったのです。

「オロロ畑でつかまえて」の続編であり、任侠ものを舞台に、父親がかわいい盛りの娘を思う感情が描かれています。

ここがポイント

笑いの中にもホロリとする場面もあり、心が温まる読後感も味わうことができます。

笑いがたくさん詰まっていますが、泣ける作品です。

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3、『誘拐ラプソディー』

前科と借金をかかえた男が、ひょんなことから誘拐を企てる話です。

誘拐したお金持ちの子供は、なんとヤクザの子供であり、男はヤクザや中国マフィアから追われることとなります。

ここがポイント

スリリングなのに、コミカルにストーリーは展開していき、手に汗握る展開もあり、楽しめます。

安心して楽しめるエンターテインメント作品です。

4、『噂』

女子高生の間で噂になっている、レインマンという得体のしれない者の話です。

ひとつの噂が、人間の心と身体を動かす、巨大な力を持ったものに変わってしまうのが、良く分かります。

ここがポイント

気になる展開の連続で目が離せなくなり、絶妙な文章構成にも驚かされてしまいます。

今までの荻原氏の作品とは、ガラッと変わった作風であり、驚きを隠せません。

最後の一行に、ゾクッとしてしまいます。

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5、『神様からひと言』

ある食品会社を舞台にした、ひとりの男のユーモアたっぷりの姿を描く話です。

ここがポイント

リストラ対象者が送り込まれる「お客様相談室」へ移動となった、その男のドタバタ劇が見ものなのです。

人の人生には、いろいろなことが起こることを、改めて教えてくれているように思います。

元気が貰えて、よし頑張ろうという気持ちにしてくれる作品です。

6、『コールドゲーム』

過去にいじめられていた少年が、いじめたクラスメートに対して報復していく話です。

現在も社会問題になっているイジメをテーマに、ストーリーは展開していきます。

ここがポイント

いじめた側からの視点で描かれているので、いじめられた側の想いが、本当に分っているのだろうかと思ってしまいます。

改めて、イジメについて考えさせられる作品です。

7、『メリーゴーランド』

超赤字テーマパークの再建に挑む、市役所に勤める男の話です。

主人公の男は前職の経験を生かして、様々な提案を行うのですが、頭の固い天下りの職員たちに疎外されてしまうのです。

ここがポイント

話の流れとしては、大変ユーモアがきいているので、深刻になりすぎず、心地良ささえ味わう事ができます。

心に響く作品ですが、もの悲しさが残ってしまいます。

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8、『僕たちの戦争』

現代に生きるポジティブなフリーターの青年と、昭和19年の軍国青年が時空を超えて、入れ替わってしまう話です。

ここがポイント

入れ替わった二人が、それぞれの世界で順応しようとしている姿に、共感を覚えてしまいます。

ユーモアを交えてはいますが、第二次世界大戦の描写は本当に感慨深いものが伺えます。

戦争を知らない若い世代に、是非とも読んで欲しい作品です。

9、『明日の記憶』

若年性アルツハイマーにかかってしまった、50歳の男の話です。

ここがポイント

日々記憶が消えていく自分がいて、常に焦りと不安が増大していくのが分かります。

しかし、精神的、物理的に支えてくれる家族、友人がいるから柔らかで、明るい姿勢を保っていられたのです。

最後に少しだけ、前向きにしてくれる作品です。

10、『さよならバースディ』

ボノボ(チンパンジーの一種)の研究をしていた同僚が、投身自殺をしてしまう話です。

ここがポイント

自殺の真相は何だったのか、主人公が研究者らしいアプローチで真実に迫っていきます。

荻原氏には珍しくユーモアな表現がほとんどなく、まさにミステリー仕立てになっているのです。

秀逸なラストに、感動してしまう作品です。

11、『愛しの座敷わらし』上・下

東京から田舎に引っ越した家族が、座敷わらしとの出会いで、家族の絆を取り戻していく話です。

家族それぞれの立場から、話がゆっくりと進んでいき、家庭や学校での関係も良い方向へ向かっていきます。

ここがポイント

座敷わらしの存在が、家族の絆を強固なものにしていく様が分かります。

年代を問わず読んで欲しい、ほっこりする作品です。

12、『ひまわり事件』

隣接する老人ホームと、幼稚園が相互交流をする話です。

ここがポイント

お互いの距離を縮めていく老人たちと、幼稚園児のエピソードが本当におもしろくて、目が離せません。

後半にはイッキにおもしろさが増し、最後まで飽きることなく楽しむことができます。

仲間の良さというものを、改めて実感できる作品です。

13、『砂の王国』上・下

証券マンだった男が、ホームレスに転落してから、逆転する様子を描いた話です。

ここがポイント

生きていく中で最低限の生活を送るうちに、男は人間の愚かさを知ってしまいます。

そして宗教家としての再スタートをきるのですが、教団を追われることになってしまいます。

想定内の中での想像以上の展開が待ち受けていて、予測不可能に陥ってしまうのです。

かなり読み応えのある、長編作品です。

14、『花のさくら通り』

さびれた商店街の再生プロジェクトを請け負うこととなった、倒産寸前の広告代理店の話です。

ここがポイント

ユニバーサル広告社シリーズ第三弾であり、商店街の多彩な面々の思惑とか、駆け引きが面白く描かれています。

荻原氏らしいユーモラスな表現もかなりあり、ヒューマンストーリーとしても興味深く仕上がっています。

ほのぼのとした、気持ちにしてくれる期待を裏切らない作品です。

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15、『海の見える理髪店』

6編からなる、可笑しさと、切なさが味わえる家族の短編集です。

想定しやすい場面設定になっているので、大変分かりやすくて、読みやすくて楽しめます。

ここがポイント

物語のひとつひとつに、感慨深い人生が絡んできて、優しい気持ちにしてくれます。

第155回直木賞受賞作品であり、心に響く短編集です。

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まとめ

心の葛藤をシニカルに描いた荻原氏の作品は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

勇気がもらえる作品が多いですが、まだ読んだことがない作品があれば、この機会に是非読んでみてください。

きっとあなたの読書ライフが広がると思います。

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