バラエティーに富んだ作品を描く、我孫子武丸氏のおすすめ作品10選をご紹介させていただきます。
我孫子氏はコミカルな作品から、重いタッチの作品まで手掛けていて、大変人気があります。
また、サウンドノベルゲームソフト「かまいたちの夜」の原作者としても知られており、小説以上とも言われる名声を得ているとのことです。
我孫子武丸おすすめ小説10選をご紹介~その多才さで読者を虜に~
我孫子氏は1989年「8の殺人」で小説家デビューを果たし、数々のジャンルの作品を発表するだけでなく、漫画作品の原作も手掛けています。
またテレビのクイズ番組等の問題作成ブレーンとして、その多才さを発揮していた時期もありました。
そんな数多くのジャンルで活躍している、我孫子武丸氏のおすすめの作品10選をご紹介させていただきますのでお楽しみ下さい。
1、『8の殺人』
速水三兄弟シリーズの第一弾であり、我孫子氏のデビュー作となります。
8の形をした屋敷で起こる殺人事件を解決する話です。
重い事件なのにコミカルに描かれているので、ユーモアたっぷりで、とても読みやすくなっています。
ここがポイント
シンプルですが、トリックが駆使されているので、謎解きの楽しさも実感でき楽しむことが出来ます。
軽い気持ちで楽しめる作品です。
2、『0の殺人』
速水三兄弟シリーズ第二弾であり、絞られた容疑者4人から、誰が犯人かを当てる話です。
ここがポイント
序盤から読者も参加するような展開で、ストーリーは展開していきます。
個々にはどうにもつながらないような事件が、最後の最後にはつながっていく様は目が離せません。
読後感はいたって爽快になれる作品です。
3、『メビウスの殺人』
速水三兄弟シリーズ第三弾であり、ゲーム感覚で行われる猟奇的殺人に挑む話です。
推理がユーモアに溢れているので、さほど深刻にならずに読み進んでいけます。
ここがポイント
しかし、ミステリー感もおざなりにはしておらず、コメディ感も忘れていないので、かなり楽しむことができます。
続きがあってもよさそうな、最終巻の作品です。
4、『人形はこたつで推理する』
鞠小路鞠夫シリーズ第一弾であり、幼稚園の保母さんの視点から綴られている4編からなる短編集です。
内気な腹話術師の朝永嘉夫が操る人形の迷コンビが、事件を解決する話です。
登場人物のキャラクター設定と、斬新なトリックに魅入られてしまいます。
ここがポイント
重くならず安心して読める作品ばかりなので、ほのぼのとした気分に浸れます。
ユーモアたっぷりですが、本格的なミステリが味わえる作品です。
5、『探偵映画』
映画監督が撮影途中で失踪してしまう話です。
ここがポイント
作中作の「ミステリ映画」の中の犯人を作中の人物が、当てようとする異色のミステリなのです。
スピーディーなテンポと絵的な分かりやすさで、ストーリーは展開していき、映画による叙述トリックを小説で再現しています。
読者も一緒になって推理できるので、かなり楽しめてとてもウキウキしてしまいます。
小気味よい、隠れた名作です。
6、『殺戮にいたる病』
大都会、東京の繁華街で次々に猟奇的殺人を繰り返すサイコ・キラーの話です。
加害者の視点、被害者からの視点と、切り替わりながら、ストーリーは展開していきます。
ここがポイント
それぞれの生き方や感情が交錯していく様が、臨場感タップリに描かれていて、目が離せません。
叙述トリックの傑作作品に間違いありません。
7、『腐蝕の街』
近未来の東京を舞台に、一人の刑事が死から蘇った殺人鬼を相手に活躍する話です。
SFミステリーでありながら、リアルに近いと思える展開で手に汗、握ってしまいます。
ここがポイント
設定を小出しにする我孫子氏独特のテクニックが、読む者を楽しませてくれます。
ハードボイルドチックに溢れた作品です。
8、『まほろ市の殺人 夏-夏に散る花』
春夏秋冬ごとに、4人の作家が架空都市「まほろ市」を舞台に描く競作ミステリーです。
我孫子氏は夏を担当し、短い作品でありながらもなかなかひねりが利いていて楽しめます。
ここがポイント
我孫子氏が仕掛けた罠にはまらずに、終盤まで読み進んで、真実を見つけてください。
短いながらも、かなり楽しめる作品です。
9、『弥勒の掌』
妻を殺害され、汚職の疑いをかけられた刑事と、妻が失踪し、途方に暮れる高校教師の二人が、事件捜査に挑む話です。
事件の背後には、新興宗教の陰が見え隠れして、不穏な空気が漂い、ストーリーは展開していきます。
ここがポイント
メインのトリックにも注目ですが、細かな技巧が施されていることに、驚きを隠せません。
やはり、予想外のラストに驚愕します。
10、『狼と兎のゲーム』
DVの父親が、息子とその友達を殺そうと執拗に追いかけていく話です。
序盤から怖すぎる展開で話は進んでいきます。
ここがポイント
子供同士の微妙な関係をとてもリアルに描いていて、その異常性に驚いてしまいます。
ラストの事実に絶句してしまいます。
まとめ
我孫子武丸氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。
バラエティーにとんだ作品で、軽いタッチのものから、重くて気分が落ち込むようなものまで描く筆力は凄いの一言です。