サスペンス作品の中にはトリックを売りにしたものや、列車の時刻表を駆使したもの等いろいろな謎解きがあります。
そして必ずそれらの謎を解き明かす人物が登場します。
その人間こそ、その作家のオリジナルの探偵や刑事であり、その作品の「ウリ」なのです。
ときにはひとりで事件解決に当たったり、パートナーがいたり、刑事ものであるならば、その部署の仲間がいたりとか様々なシチュエーションがあります。
そしてストーリーが展開していくにつれ、読者はその中へ引き込まれてしまうのです。
サスペンス作品に登場する「名探偵」三人をご紹介~これで事件解決~
ミステリー作家の作品には必ずと言っていいくらい、事件を解決する人物が登場します。
そしてその解決方法も様々であり、読者の購読意欲をかきたてるのです。
読者なりにその人物像を想像して、今度はどんな展開があるのかと想像するだけでワクワクしてしまうのです。
今回はサスペンス作家の十八番の名探偵3人を、ご紹介させていただきますので、お楽しみください。
名探偵① 明智小五郎
言わずと知れた、サスペンスの草分け的存在である、江戸川乱歩氏のサスペンスに登場する名探偵、明智小五郎です。
当初の「明智小五郎」は服装や住居の整理に気を使わない書生風の奇人として描かれていました。
乱歩氏が長編を書くようになると、「明智小五郎」も現実離れした活劇風のスーパーヒーローと化していき、服装も紳士的ものとなり、近代的なアパートに自宅兼事務所を構えるようになります。
私がサスペンスを読むきっかけとなった、『少年探偵団シリーズ』では、怪人二十面相達に立ち向かう小林少年と少年探偵団を助ける頼もしい名探偵であり、終盤に姿を現わして悪人達を一網打尽にする一種の神的存在でした。
心躍らせて、図書館の閉館間際まで読みふけったことを懐かしく思います。
名探偵② 金田一耕助
読者の皆さんも映画やテレビドラマで観たことがある作品『犬神家の一族』は横溝正史氏によって書かれた作品であり、その中に登場する名探偵「金田一耕助」はあまりにも有名です。
事件の本質に迫った時や意外な事実を知ったときなど、興奮すると、ぼさぼさの頭を毛が抜けるほどにバリバリと掻きまわし、事件の本質をつく言動を喋り始める、それが「金田一耕助」なのです。
その他「金田一耕助」シリーズには人気作品が多数あります。
『悪魔が来りて笛を吹く』や『八つ墓村』『悪魔の手毬唄』などどれも、ワクワクして楽しめます。
映像で見るのも楽しめますが、原作本を読むとさらに横溝正史氏の本髄に浸れること間違いないと思います。
名探偵③ 神津恭介
東京大学医学部卒の長身で美男子で、六カ国語を操る天才の名探偵、それが「神津恭介」です。
警察に絶対的信頼を得ていて、警察も事件解決に行き詰まった時の、頼みの綱のような存在であり、大いに頼りにしています。
難解な事件であっても、まるで精密機械の如く調査をして解決に導いていくのです。
「神津恭介」の名前で解決する事件の他、「墨野隴人」と名乗ることもあります。
高木彬光氏のデビュー作『刺青殺人事件』、「人形はなぜ殺される」など、作品の大半は警視庁捜査一課長の兄を持つワトソン役の松下研三を相棒に、警視庁の依頼を受ける形で事件解明に導いていくのです。
まとめ
「日本の三大名探偵」と称される三名の名探偵を紹介させていただきました。
それぞれの風貌はかなり異なりますが、事件解決に対する熱意は同等なのです。
その時代の背景にあったサスペンス小説の真髄を、もう一度確かめてみるのもいいのではないでしょうか。
ちなみに私の選ぶ現代の「日本の三大名探偵」は、内田康夫作品に登場する浅見光彦、探偵ではありませんが、東野圭吾作品に登場する加賀恭一郎刑事、アニメではありますが青山剛昌作品に登場する、名探偵コナンの三名だと思います。
さて、あなたが選ぶ名探偵は誰ですか?