今回は内田康夫氏の小説、特に浅見光彦シリーズのファンの方に贈る、シリーズを2倍楽しめる読み方について私なりに語らせていただこうかと思います。
【参考】浅見光彦シリーズの書籍を2倍楽しむための4つの読書術
小説の舞台は何と47都道府県にまたがっていて、各地の風習・風物、名所・旧跡などを紹介しながら物語は進んでいきます。
もちろん、地名がそのままタイトルになっているいるものもあり、
えーっどこかなあと思うところもありますので、新たな発見を求めて楽しんでいくことができると思います。
その①プロローグ(本編前の前置き的なもの)
浅見光彦シリーズには必ず本編前にプロローグがあり、舞台となる地図が巻頭に明記されています。
訪れたことがある人は、「あっここか」とか思い出深い人もいるのではないでしょうか。
地理が苦手な人でもかなり、容易に解ることができると思います。
プロローグを読むことにより、その後の事件の展開がさらに興味深いものになることは間違いないとおもいます。
その②本編序章
いよいよ本編がスタートします。事件に関わるきっかけは様々ですが、行きすがらの名所・旧跡を愛車のソアラを走らせながら目的地に向かいます。
その地方の名物とかは紹介されるのですが、彼はよほどめんどくさがり屋なのか早く事件に関わりたいのか軽食ですますことが多いようです。
事件の本筋を突き詰めていくような執着心は、こと食べ物に関してはないようです。
いま、流行りのB級グルメまではいかなくても、ここに行けばこれが食べれるという気持ちで読み進んでいくのもいいのではないでしょうか。
その③地元警察との関わり
事件解決に向けてどうしてもかかせないのが、地元警察との関わりです。
当初のシリーズでは最初、邪魔者扱いされていて、身元調査をされ、警察庁刑事局長の弟だと判明すると態度が一変するとう設定が多かったのですが、ここ最近のシリーズでは浅見光彦の真剣な姿勢や奇抜な着眼点を理解してくれる部長刑事とかが登場してくるようになります。
サスペンスなのですが、人との関わりも絶妙に描写されており、自分自身は今まで人との接し方はどうだったかなどと何か考えさせられる場面も多々あります。
その④最終章
犯人をじわじわ追い詰めていくさまは最大のクライマックスであり、浅見光彦らしさを味わえる瞬間です。
事件解決後、家族がいる家に地元のお土産を携えて帰路に着きます。
ただ母親だけはいつも良き伴侶が今回も見つからなかったことをさりげなく問いかけます。
それをはぐらかす、彼のはにかみ屋の性格も魅力の一つなのかも知れません。
まとめ
サスペンスと言えば最大の興味は『犯人は誰か?』というのが王道ですが、ご当地もののサスペンス(浅見光彦シリーズ)はその地域の景色・食べ物・風習・歴史なども知ることができ、2倍楽しめるのではないでしょうか。