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阿刀田高おすすめ作品8選をご紹介~人間関係は相対的なもの~

人生、7割の満足が得ることができればいいという、阿刀田高氏のおすすめ作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、国立国会図書館に勤務しながら、執筆活動を続け、1978年「冷蔵庫より愛をこめて」という作品で作家、阿刀田高としてデビューを果します。

1979年には「来訪者」で、日本推理作家協会賞、更には「ナポレオン狂」とういう短編作品で、第81回上期の直木賞を受賞しています。

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阿刀田高おすすめ作品8選をご紹介~人間関係は相対的なもの~

圧倒的に短編作品を多く執筆していて、星新一氏亡き後は「星新一ショートショートコンテスト」の審査員を引き継いでいます。

短編小説を書く時のアイデアは、柔道と同じだそうで、一本、技あり、有効、教育的指導などがあると思っているそうです。

一本というのはめったにないそうですが、本当にそれ一本だけで、小説が書けるアイデアのことであり、技ありは二つほど関係するアイデアがうまく結びついてくれると小説として成り立つそうです。

そしてさらに有効くらいのアイデアがたくさん集まって、アイデアを形成しているとのことです。

そんな阿刀田高氏のおすすめの作品8選ご紹介いたしますので、最後までお楽しみください。

1、『冷蔵庫より愛をこめて』

いわゆる奇妙な味の話で、どれも奇抜なアイデアのある、捻りの利いた18編からなる短編集です。

ここがポイント

洗練された筆運び、独創的なアイデア、完成度の高いプロットなど、どれをとっても一級品なのです。

ロアルド・ダールから多大な影響を受けているというのも合点がいき、奇妙な味と言われるジャンルも本作品を読めば認識が深まり、勿論ミステリーの妙も堪能できるのです。

どの話も最後にきちんとオチというか、種明かしのようなものがあり、しかもそれらが全く想像できないものが多いので、楽しめます。

ブラックユーモアとショートミステリーが融合した作品です。

2、『ナポレオン狂』

直木賞受賞の表題作ナポレオン狂をはじめ、13編からなる短編集です。

似たような話は一つもなく、一遍一遍がそれぞれに異彩を放っていて、鮮やかに描かれています。

ブラックショート集であり、語り口は軽妙ですが、最後の最後にまるで心に毒をにじまされるような感覚になってしまいます。

読後感は良くないはずであるのに、なんだか癖になり、人の悪意とか偶然とか必然とか、そういうものに陥る感覚は良質の最高ホラーのように思ってしまいます。

ここがポイント

「世にも奇妙な物語」をコンパクトに凝縮しているような感覚で、最後の数行でゾクッとくる感じが楽しめる作品です。

3、『食べられた男』

ブラックユーモアとじわじわとくる薄気味悪さを兼ね備えた、妖しげな雰囲気漂う42編のショートショートです。

いかにもショートショートらしく、軽いユーモア作品もあれば、ちょっと膨らませれば、シリアスな短編に早変わりしそうなものまであります。

星新一氏と違って、少しエロチックなものもあり、これにブラックなものやホラーチックなものを重ねて阿刀田氏独特の味を出しています。

ここがポイント

一瞬にして、恐怖と幻想の世界に連れていかれそうになり、身震いするほど、面白い作品です。

4、『ギリシャ神話を知っていますか』

ギリシャ神話の数々を、阿刀田氏特有の絶妙なタッチで、ときに情緒的に、ときにエロチックに、何よりもユーモアたっぷりに紹介してくれる入門書です。

細かすぎず、かといって抑えるべきポイントはしっかりと押さえてくれているので、肩肘張らず、神話のロマンをしっかりと感じながら、楽しむことができます。

ここがポイント

特にギリシャ神話の面白いエピソードを抜粋して紹介してくれているので、さくっと楽しく読めてしまいます。

例えば、「迷宮入り」という言葉はミノタウロス(牛の頭を持つ巨人)の住居が、迷宮なのでその名になったとか、モルヒネは夢の神のモルペウスからとった等、いろいろとあります。

ギリシャ神話がいかに西洋社会に浸透しているのかが、分かる作品です。

5、『旧約聖書を知っていますか』

旧約聖書を阿刀田氏独自の手法で、初心者にも分かり易いように解説しています。

旧約聖書という日本人にはかなり、馴染みの薄い書物を、無神論者という立場から要約してくれている稀有な本なのです。

ここがポイント

天地創造、アダムとイブ、ノアの箱舟、バベルの塔、モーゼの十戒、そしてヤコブやヨセフなど、主要な旧約聖書の中身について分かり易く、阿刀田流のユーモアを交えながら、解説と考察をしています。

競馬になぞらえたり、ミュージカル仕立てにしたりして、旧約聖書の世界を作り上げているので、面白く楽しめます。

旧約聖書の基礎的な知識を身につけるのには、申し分のない作品です。

6、『やさしいダンテ<神曲>』

ダンテの「神曲」の世界を阿刀田氏風に分かり易く噛み砕いて書かれています。

「神曲」は文学書であると同時に思想書でもあったようで、死後の世界にまつわる事実が書かれており、その描写は読み手を施策に耽らせてしまいます。

本作品はそのダイジェスト版のように要約されていて、その筆致たるや、まるでダンテと一緒に旅をしたかの様な感覚に陥ってしまいます。

やはりこの作品の読みどころは、ダンテの初恋の君である、ベアトリーチェのなじりっぷりと天国における他を寄せ付けない神々しい美しさであるように思います。

ここがポイント

ダンテが生きた時代のキリスト教の腐敗と、ルネッサンスへの胎動を感じられる作品です。

7、『シェイクスピアを楽しむために』

シェイクスピアの経歴から始まり、彼の代表作のあらすじと、ややこしい人間関係を分かり易く解説している入門書です。

ここがポイント

主要11作品のあらすじとそれに纏わるエピソード、時代背景、戯曲と小説の違い、作品の評価等など、初心者にも理解しやすく、内容も充実していて楽しむことができます。

また、ギリシャ古典劇が運命の悲劇だと言われるのに対し、シェイクスピア劇は性格の悲劇であると評されています。

演じることで真価を発揮する、本場のシェイクスピア劇が見たくなってしまう作品です。

8、『青い罠』

どんでん返しの技が冴えわたる11編からなるブラックユーモア短編集です。

ホラー中心ですが、それほど怖いという話はなく、ラスト数行まで、別のことを読者に想像させておいて、最後にそう来たかと持っていく手法は流石です。

短編として、パターン化しそうでありながら、読者の思い込みを利用する作品や、裏で逆の事が進行していたという話やら、何も説明のないままホラーっぽく終わるものなど、かなり楽しむことができます。

ここがポイント

現実の日常の片隅で起きてそうに思える程、リアルさがある作品です。

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まとめ

阿刀田高氏の作品はお楽しみいただけましたでしょうか。

何処から、作品のアイデアが湧き出てくるのだろうかと、不思議に思ってしまいます。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

読書の世界が広がりますよ。

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