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砂原浩太朗おすすめ6選をご紹介~光と影のような濃密な対比~

抑えた筆致で感情を滲みださせる、砂原浩太朗氏のおすすめの作品6選をご紹介させていただきます。

早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者となります。

2016年、「いのちがけ」という作品で、第2回の決戦!小説大賞を受賞し、作家デビューを果します。

2021年には「高瀬庄左衛門御留書」で、第34回山本周五郎賞と第165回の直木賞の候補となります。

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砂原浩太朗おすすめ6選をご紹介~光と影のような濃密な対比~

砂原氏はもし、来世というものがあるならば、俳優になってみたいそうで、その訳は、自分の肉体を使って他者の人生を表現することは、作家と似ているかもしれないと思うからだそうです。

また、俳優の中でも特に長いことフアンであり続けた人は、里見浩太朗氏だそうで、里見氏の芸には得もいわれぬ気品があり、こうした空気は努力で身につけられるはずもないから、生得のものなのだろうと思ったそうです。

砂原氏の本名は浩太郎なのですが、贔屓となったのは、里見氏と名前が似ているからという親近感もあったのかもしれませんということで、また自分の筆名も字画が良さそうだったから、1文字だけ変えて、浩太朗にしたそうです。

そんな砂原浩太朗氏のおすすめの作品6選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『いのちがけ 加賀百万石の礎』

加賀百万石の殿様、前田利家の家臣である村井長頼の目から見た戦国の世を描いた話です。

桶狭間、長篠、賤ケ岳の合戦の描写や、信長、秀吉、家康の天下人との出会いの場面などがリアル感タップリの描写で、実際に目の前で見ているかのような臨場感に浸ることができます。

秀吉の朝鮮出兵の折にも、家康と利家が、家臣の立場から、秀吉を命がけで止めようとする場面も大変迫力があり、楽しめます。

利家は桶狭間、長篠、賤ケ岳では柴田勝家の配下であったものの、生き延びるために秀吉側につき勝利をもたらし、秀吉の信頼は厚いものの、秀吉死後では徳川につき、これも勝利するのです。

歴史に名を残すということは、こういう臨機応変さが、重要なことなのかと思ってしまいます。

ここがポイント

主従間での信頼関係の厚さと、志操堅固な武士の生き様を、豊かな情景描写と流麗な文体で描いた作品です。

2、『高瀬庄左衛門御留書』

神山藩シリーズの第一弾であり、初老の下級武士である高瀬庄左衛門が、妻と息子を亡くし、残された嫁の志穂と共に、手慰みに絵を描いて過ごしていく人生が、思わぬ政争に巻き込まれていく話です。

高瀬庄左衛門という田舎の小役人の視点で、描かれる人間関係が、読む者を思いもよらぬ方向へ誘うというよりは、押し込められてしまいます。

好きな絵を描きながら、静かで厳しい生活を送る庄左衛門だったのですが、藩のある争いによって、その生活が乱されてしまうのです。

ラスト近くでの慎造との立ち合いの場面は、手に汗握る展開で、息を詰めてしまいます。

ここがポイント

どんな危機に瀕しても、正しいと思った道を進む庄左衛門の姿は、人として、こうあらねばと思わせてくれます。

庄左衛門の一本筋の通ったブレない生き方に、胸を打たれてしまうと共に、四季折々の自然描写が、心に沁みてくるような情緒ある描写が印象的な作品です。

3、『黛家の兄弟』

神山藩シリーズの第二弾であり、次席家老の漆原内記の策略で、筆頭家老の座を追われた黛家が返り咲くまでの13年に及ぶ黛三兄弟の艱難辛苦を描いた話です。

三男の新三郎が主人公であり、大目付の黒沢家に婿入りした新三郎だったのですが、藩内の権力闘争とある事件を切っ掛けに次兄の壮十郎を裁き、その結果、壮十郎を切腹で喪うことになってしまうのです。

13年の雌伏を経て、残された兄弟二人は、壮十郎の復讐のため、静かに反転攻勢を企てるのです。

ここがポイント

ストーリーには、アッと驚くどんでん返しが、いくつか絶妙なタイミングで仕掛けてあり、ミステリーとしても抜群に面白くなっています。

時代小説ならではの駆け引きも面白く、抗えない運命に涙してしまう作品です。

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4、『霜月記』

神山藩シリーズの第三弾であり、町奉行を家職とする、草壁家三代のそれぞれの葛藤を描いた話です。

名判官と言われた祖父の左太夫、突然、隠居願いを出し出奔し、今は行方知れずの父、藤右衛門、父の出奔で、否応なく町奉行の座についた総次郎。

総次郎は、自身の裁きが他人の人生を左右するその重責に悩まされますが、殺人が起き、名判官と言われた祖父、左太夫や友人と共に事件の捜査に乗り出していきます。

ここがポイント

出来た父を持つ息子、藤右衛門の葛藤や、とどまるところを知らぬ人の欲など、若き町奉行、総次郎の成長と、友情を軸に、出自や家格に縛られて、生きる 武士のやるせなさや、人を想い想われる温かさなど、読みどころは多くなっています。

草花や鳥や虫などの自然、食べ物からも季節感が味わえ、それでいて風流でとても素敵な作品です。

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5、『逆転の戦国史~「天才」ではなかった信長、「叛臣」ではなかった光秀』

ここがポイント

織田信長、明智光秀、帰蝶、煕子、寧々、まつ等他多数の戦国時代にいきた人物について、分かった史実を基に、元来ついているイメージとは異なった姿を取り上げた話です。

戦国時代の逸話や通説を、近年の歴史研究の成果を踏まえて解説しています。

歴史上の人物について持っていたイメージが実は後年の創作によるキャラクターだったりすることに驚きを隠すことができません。

ただ単に通説を否定するのではなく、そうした通説が生まれ、浸透してきたことに理解は示されており、どの登場人物にも温かい目がそそがれている、砂原氏の優しさが伝わってきます。

本作により、歴史上人物の新しい想像が膨らむ作品です。

6、『藩邸左配役日日控え』

神宮寺藩の江戸藩邸で、差配役を務める里村五郎兵衛の活躍を描く連作短編集です。

差配役というのは、現代の会社でいえば総務担当のような社内の様々な雑事や、担当が見当たらない仕事を請け負う「何でも屋」なのです。

終始静かな感じで物語は展開していくのですが、お世継ぎが行方不明になったり、政局に巻き込まれたり、なかなかの大事が起きてしまうこともあるのです。

最終的には思わぬ結末で、いろんなことの伏線も回収され、疑問は晴れますが、大変な時代だったことも頷けます。

ここがポイント

抑制の効いた、温かで巧みな筆致に唸らされる作品です。

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まとめ

砂原浩太朗氏の作品のごご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

砂原氏独自の歴史観を感じて頂けたと思います。

まだ読んでいない作品がありましたら、この機会に是非、読んでみてください。

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