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松井今朝子おすすめ作品8選をご紹介~人間心理に深く迫る描写~

歌舞伎に魅せられた、松井今朝子氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

京都・祇園の料亭の娘として生まれ、大学そして大学院修了後に松竹株式会社に入社し、歌舞伎の企画と制作に携わっています。

松竹株式会社を退職後、フリーとなり、武智鉄二氏の師事を仰ぎ、歌舞伎の脚色・演出・評論などを手掛けるようになります。

松井今朝子おすすめ作品8選をご紹介~人間心理に深く迫る描写~

1997年に「東洲しゃらくさし」という作品で作家デビューを果し、同年に「仲蔵狂乱」という作品で第8回時代小説大賞を受賞しています。

尚、この作品は2000年に市川團十郎、新之助の出演でテレビドラマ化がされています。

その後の作品も数々の文学賞候補に挙がり、そしてついに2007年に「吉原手引草」という作品で第137回の直木賞を受賞します。

そんな松井今朝子氏のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみください。

1、『仲蔵狂乱』

ここがポイント

江戸中期、既に門閥制度が出来上がっていた歌舞伎の世界で、孤児から頂点の看板役者にまで上り詰めた中村仲蔵の一代記です。

どん底の下積み生活から、苦難の末に、座頭そして千両役者へと階段を上っていくのです。

江戸三座の興亡から、團十郎、幸四郎といった他の大名跡を巡る役者たちの思惑、陰謀があり、更には田沼意次の出生、失脚などが絡んでいきます。

それに度重なる大火や飢饉、米価の上昇、打ち壊しといった時代背景も絡んで、ただの人間ドラマにとどまらない緊張感があります。

驚くほど波乱に満ちた人生に引き込まれてしまう作品です。

2、『家、家にあらず』

江戸北町奉行同心の笹岡伊織の娘、瑞江はおば様と呼んでいる御年寄職の浦尾の勧めで、大名の砥部家の奥御殿に奉公に上がる話です。

奥御殿で、瑞江は否応なく、陰湿なイジメや長局内の勢力争いに巻き込まれていくのです。

そんなある日、砥部家下屋敷の女中と二枚目役者の心中死体が発見され、更に上屋敷でも奥勤めの女中二人が不可解な死を遂げたのです。

そして瑞江は事件の驚くべき真相に立ち会うことになっていくのです。

ここがポイント

本格ミステリーであり、緻密かつ巧妙に布石が打たれている作品です。

3、『吉原手引草』

吉原で最上位に位置した花魁、葛城の失踪事件を追う形で、吉原の仕組みや、そこで働いている人々の姿を描いた話です。

全盛を誇る花魁の葛城がある事件を起こして、吉原から忽然と姿を消したのです。

その失踪の謎を追いながら、吉原遊郭の表と裏、光と影、嘘と実を描き出しています。

花魁、葛城の全貌が見えた時、事件の真相も明らかになっていくのです。

ここがポイント

吉原の関係者が、花魁の葛城を回想するといった一人語りで構成されていて、引手茶屋の内儀、桜主、遣手、幇間などの意味も葛城を語ることで、吉原の仕組みや風俗が鮮やかに浮かびあがってくるのです。

ミステリーを堪能しながらも、吉原遊郭の仕組みが分かる作品です。

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4、『円朝の女』

江戸から明治に変わる頃、近代落語の礎を築いた落語家、三遊亭円朝と彼と関わった五人の女性を、弟子の円八の語りから描き出した話です。

「女遊びは芸の肥やし」現在では言い訳じみて聞こえますが、こと円朝に関してはその創作した物語の中に彼女たちの姿が見えるのです。

ここがポイント

独特な語り口は、読み手を物語りの世界へすっと引きこんでいき、円朝に関わる女たちの生き方が、それぞれの個性を際立たせているのです。

時代が移り変わる激動の時を背景として、そこに生きる人たちの息遣いが聞こえてくるような作品です。

5、『吉原十二月』

吉原の大籬(おおまがき)、舞鶴屋の主人が吉原の春夏秋冬の十二ヶ月を通して語る二人の花魁、小夜衣と胡蝶の禿(かむろ)時代から年季明けまでの話です。

容姿も性格も雰囲気もまるで真逆な二人の娘が、激しく競り合いながら、花魁に成長していくのです。

生きて出る事さえ難しい苦界で、大輪の花を咲かせるのは、小夜衣、胡蝶、果たしてどちらの花魁なのでしょうか。

妓楼内の独特な人間関係に加えて、それぞれの季節における雰囲気も伝わってきて、江戸時代の吉原が世界でも稀な街であったことが分かり、身を鬻(ひさ)ぐといったなどの、ほぼ使わなくなった言葉も出てきます。

ここがポイント

花魁と客人との粋な人間模様と吉原の春夏秋冬の風情を堪能できる作品です。

※大籬(おおまがき):吉原で格式の高い遊女屋。

※身を鬻ぐとは:身を売る事。

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6、『老いの入舞い 麹町常楽庵月並の記』

元大奥勤めの庵主、志乃と北町奉行所の定町廻りの新人同心、間宮仁八郎が江戸で起こる事件を解決に導いていく、4編からなる連作短編集です。

ここがポイント

鋭い観察眼と洞察力を持った志乃と、見習いから本勤並に昇格したばかりで、正義感旺盛な仁八郎の活躍が見ものです。

庵主、志乃と女中たちのやり取りも面白く、老練な女性たちにいいように振り回され、毒づく仁八郎もユーモラスに描かれていて楽しめます。

脇役を含めたキャラクターも魅力的で、続編が待ち遠しくなる作品です。

7、『料理通異聞』

江戸の料理屋である「八百善」の跡取りの善四郎が、寺町の小さな店を将軍お成りにまで大きくしていく話です。

ここがポイント

仕出し屋が高級料亭にまで上り詰めていく過程には、善四郎の弛まぬ探求心と様々な人との出会い、物怖じしない性格など、たくさんの要因があったからなのです

手間のかかった食事や、料亭の風情を味わうことのできる時代背景というものはやはり、世が平和で飢饉もなく、人々が文化を楽しめた時期であったと思います。

巧みな料理についての数々の表現が楽しめる作品です。

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8、『江戸の夢びらき』

元禄歌舞伎を代表する不世出の天才、初代市川團十郎の一代記が綴られた話です。

浪人の娘である恵以は少年、海老蔵に出逢い、芝居に出れば大暴れして、舞台を台無しにする彼に呆れながらも、人々の注目を集める海老蔵の素質に気付いていくのです。

やがて海老蔵は長じて市川團十郎と名乗り、荒事(歌舞伎において、武士や鬼神などの荒々しさを誇張して演じる事)の追求の果てに、民衆の信仰にも似た人気を博していくことになります。

しかし、衝撃的に最後は舞台で命を落としてしまうのです。

ここがポイント

謎多き初代市川團十郎の生涯を、元禄の狂乱と江戸歌舞伎の胎動と共に、描き切った作品です。

文藝春秋
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まとめ

松井今朝子氏の作品はお楽しみいただけましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

人間の心の中に潜む何かが、発見ができるかもしれません。

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