貴志祐介氏の魅力に溢れたおすすめ作品を、13選ご紹介させていただきます。
青春ミステリーや探偵シリーズ、サイエンス・フィクション等の幅広いジャンルを手掛けています。
作風としてはまず初めにクライマックス部分から手掛けていき、その後に原理を考えて行く手法のようです。
幼いころから様々なジャンルの書籍を読んできた、かなりの読書家であったようで、なんと一日で7冊読んだこともあったようです。
貴志祐介おすすめ小説13選をご紹介~その幅広いジャンルで魅了~
30歳の時、8年間務めた生命保険会社を辞めて、当初から強い願望のあった執筆、投稿活動に専念するようになったとのことです。
「13番目の人格 ISOLA」で第3回長編賞佳作を受賞して文壇デビューを果します。
その後も数々の文学賞を受賞して、モダンホラーの代表格作家として活躍されています。
そんな貴志祐介氏の数ある作品の中からも、おすすめの13選をご紹介させていただきますのでお楽しみ下さい。
1、『十三番目の人格 ISOLA』
人の感情を読み取ることができる「エンパス」である主人公が、多重人格の少女と出会う話です。
人間の内に潜む狂気、人間の悲しさを序盤はジワジワと、中盤から終盤にかけてはテンポUPされていきます。
ここがポイント
ありえないことをリアリティたっぷりに描き、現実のように思わせる筆者の手腕には驚きです。
この作品がデビュー作であることがまたまた驚きです。
2、『黒い家』
生命保険会社に勤める主人公が、顧客先でその顧客の子供の首つり死体を見つけるところから始まる話です。
生命保険会社の実情や主人公の過去のトラウマなど、実にうまく本筋と結びつていて興味深く読めます。
ここがポイント
追い詰められるスペクタクルな描写は、臨場感がタップリで不気味さと怖さがハンパないです。
第4回日本ホラー小説大賞を受賞してます。
3、『天使の囀り』
新聞社主催のアマゾン調査隊に参加したメンバーが、次々に異常な方法で自殺していく話です。
ここがポイント
人が何かに憑りつかれたかのように狂っていく様は、現実でも起こり得ることではないかと思うとゾクッとしてしまいます。
途中に吐きそうになる位のグロテスクなシーンの連続ですが、引き込まれてしまいます。
気持ち悪いのに、読むことを止められない作品です。
4、『クリムゾンの迷宮』
深紅の迷宮で繰り広げられる、極限のサバイバルゲームの話です。
まるでゲームの中に入ったかのような臨場感が味わえることと引き換えに、サバンナで肉食獣に追い詰められる緊張感と強烈な恐怖が味わえること間違いないです。
ここがポイント
あまりにも刺激が強すぎる作品です。
5、『青の炎』
母と妹を守るために、家に居座っている母の元再婚相手を殺害する男子高校生の話です。
警察も弁護士も助けてくれないなか、殺人に手を染めてしまう主人公の少年。
完全犯罪のはずの計画が、脆くも崩れ去ってしまうのです。
ここがポイント
家族の幸せとは、いったい何なんだろうという疑問が残ります。
主人公に感情移入してしまう作品です。
6、『硝子のハンマー』
株式上場を目前に控えた介護会社の社長が、日曜の昼下がりに、密室の自室で殺害される話です。
一章は密室を解き明かすまでのストーリー展開で、二章は犯人の心理や殺害に至るまでの過程が展開していきます。
ここがポイント
SFミステリー的な味わいもあり、犯罪計画の描写にもリアリティ感があり、かなり楽しめます。
エンターテインメント作品です。
7、『狐火の家』
密室をテーマにした4編からなる短編集です。
防犯コンサルタントと美人弁護士のコンビで、密室の事件を解決するシリーズです。
ここがポイント
シリアスなものからコミカルなものまであって、かなり楽しめる内容となっています。
スキマ時間に読むには最高の一冊だと思います。
8、『新世界より』上・中・下
1000年後の日本を舞台にした壮大なSFミステリーの話です。
人類が超能力者に進化して、いろいろな新しい生物が出現してくる未来がそこにあるのです。
ここがポイント
そして人間と異類との戦いが白熱して「新世界」の全貌が明かされていきます。
壮大なスケールの世界が体感できる作品です。
9、『ダークゾーン』上・下
通称、「軍艦島」とよばれる瑞島で繰り広げられる、ファンタジー系のデスゲームの話です。
将棋に似たデスゲームの世界に放り込まれた主人公が、戦いに段々と引き込まれていきます。
ここがポイント
きちんと組み立てられた構想なので、ゲームの世界に引き込まれそうになってしまいます。
まるで映画を見ているような迫力溢れる作品です。
10、『鍵のかかった部屋』
またまた、防犯コンサルタントの男と美人弁護士が4つの超絶密室トリックに挑む話です。
ここがポイント
大変コミカルで二人の掛け合いも面白く、テンポよく読み進んでいけます。
どの話も予想外のトリックが仕込まれていて大変楽しませてくれます。
貴志氏には珍しく、まるでバカミスのような作品です。
11、『悪の教典』上・下
サイコパスな高校教師が、生徒たちや周辺の人たちを次々に惨殺していく話です。
高校教師により、生徒たちが追い詰められていくさまは、死への恐怖は勿論のこと、疑心暗鬼に陥っていく姿に慄いてしまいます。
ここがポイント
人間は見た目だけで判断してはダメだということが、思い知らされる作品です。
12、『雀蜂』
吹雪の山荘で目覚めた小説家に、雀蜂の大群が突如襲ってくる話です。
何故主人公の小説家は、このような状況に陥ってしまったのか。
ここがポイント
スリリングな展開と、終盤の予想もしなかった思いがけない結末に、混乱させられてしまいます。
結末は誰にも予想できないと思われる作品です。
13、『ミステリークロック』
難解なトリックがいっぱい詰まった4編からなる短編集です。
ミステリーとしてはかなり緻密なトリックが仕掛けられていて、相当に楽しめます。
ここがポイント
このシリーズは犯人捜しをするのではなくて、トリックが明らかになる過程を楽しむものなのです。
登場人物の心理描写が、何とも言えず魅力的な作品です。
まとめ
様々なジャンルを描く、貴志祐介氏の作品のご紹介はお楽しみ頂けましたでしょうか。
その筆力にかなり、圧倒されたと思います。
次はどんな作品で楽しませてくれるのか、本当に待ち遠しくなりますね。