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降田天おすすめ作品7選をご紹介~倒叙ミステリの新境地を描く~

作家ユニットで人気がある、降田天氏のおすすめの作品7選をご紹介させていただきます。

プロット担当の萩野瑛さんと執筆担当の鮎川颯さんが、大学時代に出会い、コンビを組むことになります。

2014年に「女王はかえらない」という作品で、このミステリーがすごい!大賞を受賞し、一躍ミステリ界で知られるようになり、翌2015年に同作品で作家デビューを果たします。

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降田天おすすめ作品7選をご紹介~倒叙ミステリの新境地を描く~

2018年には「偽りの春」という作品が、日本推理作家協会賞の短編部門を受賞し、各界から高い評価を受けています。

また数少ないコンビ作家の成長株として、大いに期待されているようです。

そんな降田天氏のおすすめの作品7選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『女王はかえらない』

スクールカーストのトップを争う少女たちと、そのクラスメイトたちの身に起こった事件の話です。

クラスの女王として君臨するマキのまえに、転校生のエリカが現れたことにより、クラス内のパワーバランスが崩れていく様子と、それに対応したイジメの様子がエグく描かれています。

ここがポイント

悲劇が起きる小学生目線の第1部、教師目線からの第2部、そして真相が明らかになる第3部からの構成になっています。

第1部の小学生らしからぬ陰湿な権力闘争には思わず、目を覆いたくなりますが、心理描写がとても巧妙なので引きこまれてしまいます。

第2部以降は徐々に読み手に違和感を感じさせつつも、とんでもない仕掛けが用意されているのです。

後味はあまり良くありませんが、イヤミス好きのあなたなら、クセになりそうな作品に違いないと思います。

2、『彼女はもどらない』

ブログに批判的なコメントをした事が切っ掛けで、トラブルに巻き込まれる雑誌編集者の楓と、コメントをされた側の官僚である棚島との2つの話が交錯する話です。

顔が見えないネット上の攻防であり、二人はSNSの投稿をきっかけに、周りの人物を巻き込みながら、お互いを忌み嫌うようになっていくのです。

更に楓と棚島の二人には、誰にも言えない秘密があり、心理的に追い込まれていくのですが、果たしてどうなってしまうのか。

ここがポイント

何か仕掛けがあることは予想できるのですが、それでもなお、騙されてしまいます。

まさしく巧妙に仕組まれた叙述トリックの切れ味が加わった、イヤミス作品です。

3、『すみれ屋敷の殺人』

戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された白骨死体の謎を解くために、お屋敷の関係者が当時の様子を順に語っていく話です。

紫峰邸、別名、すみれ屋敷から白骨化した遺体が発見され、繁栄していた当時、60年以上前の関係者たちから、刑事が話を聞いていきます。

関係者たちが隠し通そうとした、切なくてやるせない真実とは果たして何だったのでしょうか。

ここがポイント

語り手が変化していき、また現在と戦前とを行き来する形で、話が進むので、飽きることなく、楽しめます。

お屋敷に住む美しい三姉妹と優しいご主人、意地悪な人間が出てこない、美しくも哀しいミステリー作品です。

4、『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』

犯人視点で進む、神倉とう鎌倉あたりをモデルにした、架空の市が舞台の5編からなる短編集です。

飄々とした交番勤務の元刑事である狩野と、犯人の心理戦にハマってしまいます。

犯罪が成功したと思った時に、登場する狩野が、のらりくらりと追い詰めていく様は、じわじわと首を絞められているように感じさえ覚えてしまいます。

ここがポイント

読み手は犯人側に感情移入し、いかに狩野の追及の手を逃れるのか、いやその手に絡み取られていくのかを味わうことになるのです。

犯罪の手法よりも、何故その犯行に至ったかの感情、動機を紐解くことに主眼をおいた作品です。

5、『ネメシスⅣ』

ドラマ原作第4弾+スピンオフ的短編1作であり、天狗伝説が残る土地で、ブランド鮭養殖場の社長が海で転落死した真相を探る為、依頼を受けたネメシス探偵社が調査をする話です。

ここがポイント

探偵の風間は身分を偽り、怪しげな一族が待ち受ける現場に一人で乗り出していくのですが、天狗の仕業としか思えないような奇怪な事件に遭遇してしまいます。

風間は自力で解決しようと考えるのですが、やはり真相にはたどり着けなく、同じ探偵社のアンナに助けを求めるも、本当に天狗の仕業ではと言われ、その気になって推理を披露してしまうバカミスのような展開になります。

そうしているうちに思いもよらぬ事件も発覚し、果たして事件解決はできるのでしょうか。

6、『朝と夕の犯罪』

神倉駅前交番、神野雷太シリーズの偽りの春の続編であり、二部構成になっています。

第一部は父親と車上生活を送っていた、血のつながらないアサヒとユウヒの兄弟の子供時代のエピソードと、再会してから実行した狂言誘拐とその思いもよらない結末の話です。

第二部は子供置き去り事件から始まり、マンションの一室で餓死した女児と衰弱した男児が発見される話であり、第一発見者として、あの狩野雷太が登場します。

ここがポイント

第一部と第二部がどう繋がっていくのかが、気になる展開となり、二転三転するのですが、見事な収束を見せてくれます。

ミステリーとしての完成度もさることながら、人間ドラマとしての完成度も高い作品です。

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7、『小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー』

小説の神様という相沢沙呼氏の作品を基にしたアンソロジーで、それぞれの著者の解釈や物語の流れを味わうことができます。

どの作品もとても奥深く、評価されない作家の辛さやジレンマ、読み手やファンの葛藤、それでもなお、小説の素晴らしさを教えてくれる「小説の神様」の存在があるのです。

ここがポイント

フィクションなのに、ノンフィクションのような息遣いまで聞こえてきそうな、潤いのある読み心地になります。

それぞれテーマに対する角度が違うのですが、私小説のような重みがあったり、エンタメに落とし込んでいたりして、飽きることはありません。

小説を書いたことのある人には、こよなく響くアンソロジー作品です。

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まとめ

降田天氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

まだ、読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

読書の楽しみが広がりますよ。

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