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川上弘美おすすめ作品8選をご紹介~空気感を演出する描写~

幻想的な世界と日常が交錯した世界を描く、川上弘美氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、教員生活を4年間送り、退職、結婚そして出産の後、主婦を経て、執筆活動に入り、1994年に「神様」という作品が第1回パスカル短編文学新人賞を受賞し、作家デビューを果します。

1996年には「蛇を踏む」という作品で第115回の芥川賞を受賞し、2001年には「センセイの鞄」という作品で第37回谷崎潤一郎賞を受賞しています。

その後も数々の文学賞を受賞したり、各文学賞の選考委員を務めるなどして、2019年に紫綬褒章を受章しています。

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川上弘美おすすめ作品8選をご紹介~空気感を演出する描写~

川上氏は小説を書くよりも読むほうが好きなようで、朝起きて読んで、仕事に飽きたら読んで、仕事場から帰って子供がいても読んでしまうそうです。

仕事と家事と子育てと、酒飲んでいる時以外は、読んでる感じなようですが、一人で飲むときはやはり読んでいるそうです。

せっかちな性格で、テレビはダメであり、本だと自分のペースで読めるから、いいそうです。

また、新しい本ばかりでなく、好きな本を繰り返し読むとのことで、好きなところは拾い読みするそうです。

コタツや布団に寝そべりながら、好きな本を読むのが一番だそうです。

そんな川上弘美氏のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみ下さい。

1、『蛇を踏む』

奇想天外で不思議な内容が詰まった、3編からなる短編集です。

「蛇を踏む」:落ち着いた文章に自然としれっと紛れ込んでくる、踏まれた蛇が女性になるという非現実的な戸惑いが、最後にはなんかスペクタクルな感じになっています。

「消える」:独特の言語感覚を含め、その何とも味わい深いシュールさに引き込まれてしまいます。

「惜夜記」:カオスな夢の中の出来事のような物語です。

ここがポイント

曖昧で不思議な世界観を持っていて、あり得ないのに、どこか遠くにそんな世界が存在するのかと錯覚してしまうリアルさがあります。

現実から逃避したくなる時に読みたくなる作品です。

2、『神様』

日常と非日常が入り混じった、不思議な世界へ連れていかれるような、9編からなる短編集です。

散歩に誘う熊、白い毛の人間の言葉を話す小さな生物、まんじゅうを持ってあの世からやっ来るおじさん、相談事をする河童、ツボをこすると出てくる女、そして人の心をとらえ夢中にさせる人魚など、人間以外の話が描かれています。

ごく普通の日常の中で、わりと当たり前のことのように、不思議な出来事が起こってしまうのです。

ここがポイント

断定した表現が一切なく、ふんわりと形容しながら、何が起きているか、何が語られているかを、そっと教えてくれるのです。

人の心の機微を感じ取る様な、繊細な心に触れる気がしてしまう作品です。

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3、『溺レる』

抑制されたトーンで、どこか妖しい男女関係を描いている8編からなる短編集です。

甘く艶やかで、それでいて淡い狂気をまとったような独特の筆致であり、多くは不倫と不貞の恋で、且つそれは常識的な恋愛とはかけ離れた共感を拒むような世界が描かれています。

そしてその世界は、当人たちの中で、完結するような閉じられた世界でもあり、彼らを結びつけるのは、生きることの底にある違和感というか、寂しさというかとても難しい何かなのです。

ここがポイント

何かから逃げる男女の道行きと焦燥そして、生活があっさりとした文体からひしひしと伝わってくる作品です。

4、『センセイの鞄』

数十年ぶりに居酒屋で再会した、高校のセンセイと私、ツキコの静かでゆったりとした、切なくも淡い恋に揺れる日々を描いた話です。

居酒屋の出会いから始まり、夏祭りやお花見、離島への一泊旅行、美術館でのデートなどゆっくりと静かに恋のお話が進んでいきます。

ここがポイント

丁寧な言葉選びや繊細な描写に読んでいて、心がほっこりしてしまいます。

センセイの亡き妻の思いで語りや、同級生との出会いも絡んできたりして、心が揺れてしまいます。

優しい空気に包まれるようになってしまう作品です。

文藝春秋
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5、『ニシノユキヒコの恋と冒険』

ニシノユキヒコという男に関わった10人の女性の視点で描かれた、10編からなる短編集です。

人を真剣に愛することができず、傍から見れば、だらしない男と呼ばれてしまうような彼との思い出が綴られています。

ニシノユキヒコを意識し、好きになり、そして別れるというお決まりのパターンの中に、どこか切なさが隠れているのです。

ここがポイント

いろんなところを漂い、彷徨い、流されるままに身を委ね、記憶の中にしか残れないまま、みんなに愛されても、彼は永遠に孤独だったのです。

表現される言葉の端々にゾクゾクされられてしまう作品です。

6、『真鶴』

12年まえに失踪した夫と、現在の恋人との間で揺れ動く、不可解な主人公の心情を繊細に描いた話です。

夫が失踪した事実を受け入れられずに、月日を重ねていく主人公の京。

失踪を受け入れられなかったのは、夫の愛情の対象から自分が外されたことが、受け入れられなかったからではと思ってしまうのです。

現実と幻想・幻覚の世界を行ったり来たり、どこまでが現実でどこからが幻想・幻覚の世界なのかが、途中で分からなくなってしまいます。

ここがポイント

川上氏の官能的な文章が、余すところなく味わえる作品です。

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7、『どこから行っても遠い町』

東京郊外の昔ながらの商店街を舞台に、そこに住む人々それぞれの少し切ない人生を、柔らかな言葉で綴った11編からなる連作短編集です。

商店街に住んでいる人の繋がりにほっこりしたり、切なくなったりと、人は一人で生きている訳ではなく、他の誰かとの関わりの中で生かされていることが分かります。

たとえ亡くなった人であっても、誰かの記憶に留まる限り、亡き人は生き続けていられるように思います。

ここがポイント

人と人との縁は異なものであり、関わりのない人だと思っていても、案外どこかで繋がっているのかもしれません。

それぞれの話が何とも説得力のある作品です。

8、『某』

「誰でもないもの」として、突如世界に現れて、死ぬことなく他の誰でもないものに変化する話です。

女子高生やキャバ嬢、中年男たちの身体を纏って、少しずつ個性と人間ぽさを獲得していくにつれ、「存在とは?」の問いに向き合うようになっていきます。

そして人間としての経験を通して、空っぽの愛情や感情を発達させて、某ではない、何者かに変化していくのです。

ここがポイント

SFでもファンタジーでもなく、不思議な空気感の中に、絶えず焦燥感がつきまとうような作品です。

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まとめ

川上弘美氏の作品のご紹介はお楽しみ頂けましたでしょうか。

幻想的な世界と日常が交錯した世界の一部を感じて頂けたかと思います。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非ともこの機会に読んでみてください。

読書の楽しみがひろがりますよ。

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