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永瀬隼介おすすめ作品8選をご紹介~クライムノベルの名手~

骨太の作品を発表し続けている永瀬隼介氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、一般の企業に勤めますが、その後、新潮社の記者となります。

1999年にフリーとなり、ノンフィクションライターとして、本名である、祝康成(いわいやすなり)名義で活動をしています。

2000年より、永瀬隼介名義で作家活動を開始し、「サイレント・ボーダー」という作品で作家デビューを果します。

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永瀬隼介おすすめ作品8選をご紹介~クライムノベルの名手~

そして、2010年に映画化された「閃光」という作品や、「カミカゼ」、「悔いてのち」、「凄腕」などが代表作品になっています。

ノンフィクション作品として、「19歳一家四人惨殺犯の告白」、「疑惑の真相「昭和」8大事件を追う」などがあり、話題になりました。

また、大学在学中に極真会館総本部で空手を習い、長身を生かした足技が得意とのことです。

そんな永瀬隼介氏のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみください。

1、『デッドウォーター』

5人の女性を強姦して殺し、死刑判決を受けた殺人鬼の穂積とフリージャーナリストの加瀬が対決する話です。

死刑判決を受けた希代の殺人鬼、穂積壱郎を取材し続けていくうちに、二人を繋ぐ事件が発覚するのです。

死刑を恐れず、全てを悟りきったように語る穂積という人間は一体何者なのか。

複雑に絡み合う人たちや、ややグロテスクな描写がスリリングであり、つい先を読みたくなってしまいます。

ここがポイント

死刑に対しての書き方も非常にリアルで生々しく、取材力の高さが伺えます。

迫りくるような細密な描写が堪能できる作品です。

2、『閃光』

昭和43年12月10日に実際に起きた三億円事件をモチーフに、描かれた犯罪ミステリーです。

事の始まりは事件から34年経ったときに起きた、ラーメン屋店主殺人事件であり、この被害者の名前を聞いた定年間近のベテラン刑事が、上部の命令を無視して、事の真相を暴くために動きだしていくのです。

そしてその後、三億円事件の関係者たちが次々に殺され、警察に対する義憤、暴かれる警察の内部事情等、手に汗握る展開になっていきます。

ここがポイント

これだけの事件なのに、直接的な犠牲者はおらず、あまりにもスムーズに多額のお金を盗み取った犯人はあっぱれであり、警察の失態は見逃せないのです。

時代背景を絡めたストーリー展開であり、楽しめる作品です。

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3、『19歳一家四人惨殺犯の告白』

凡そ30年前の凄惨な事件のノンフィクションであり、主人公である関光彦の生い立ち、行状、心象が描かれている話です。

途中で読むのを止めたくなってしまうほどの、残忍な犯行の一部始終であり、それでも何年も費やして加害者と関わり続けた永瀬氏の目線を借りて、死刑判決までを見届けることができます。

犯行の善悪は言うに及びませんが、その真実に迫ろうとしながらも、現実に打ちのめされることの脱力感の方が大きく迫ってきます。

ここがポイント

罪のない家族の命を奪った少年に同情の余地は全くありませんが、死刑制度の在り方、動機となったヤクザの取り立て、加害者家族も含む被害者の社会的救済支援など、社会の在り方と長すぎる裁判制度を考えさせられる作品です。

4、『狙撃 地下捜査官』

特別監察室に異動になった上月涼子刑事が、鎮目室長のもと時効間近の警察庁長官狙撃事件の真相を探る話です。

実際にあったオウム真理教による国松長官狙撃事件をモチーフに独自の推理で構成されています。

ここがポイント

警察庁長官狙撃によって、人生の方向が狂ってしまった人間関係の因縁を内包し、公安との暗闘と絡めてヒリヒリする話が散りばめられています。

結末は想像していたよりも衝撃的であり、勝手な推理は見事に裏切られます。

スリル感が味わえる作品です。

5、『刑事の骨』

連続幼児誘拐殺人事件の犯人を取り逃がした同期の二人の警察官の17年後の話です。

17年前ノンキャリアにして管理官に上り詰めた主人公の不破は、連続幼児誘拐殺人事件の捜査で大失態を晒し、失脚してしまいます。

その事件は迷宮入りしたまま、時効を迎え、不破自身も警察を退職して、細々と暮らしていたのですが、同期であった田村が訪ねたきたことが切っ掛けで、その事件の操作を再び開始することになるのです。

ここがポイント

改めて真犯人を追うことになった時に、明らかにされた真実とは果たして何だったのでしょうか。

永瀬氏らしい、やりきれなさの残る作品です。

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6、『12月の向日葵』

高校の同級生で同じ柔道部員だった香坂一と弓削慎二の二人が、ヤクザと刑事という真逆な人生を歩むことになる話です。

お互いの仕事と一人の女性を巡り、危うく交錯しながらも、絆を守り続ける二人だったのですが、それぞれの世界で伸し上がる果てに決定的な局面が待ち受けていたのです。

融通のきかない真面目な警察官の心の葛藤と、迷いと野心、そして非情な極道の優しさ、信念が対極で描かれています。

ここがポイント

人間は多面性を持ち、相手に対してどの部分を見せているのか、それは自分で選んで決めるというより、相性で決まってしまうのです。

弓削とその家族を想う香坂の漢気が妙にカッコ良く、12月の向日葵の意味が涙を誘う作品です。

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7、『退職刑事』

職を辞した刑事たちに訪れた、人生最後の事件を綴った5編からなる短編集です。

退職しても、刑事魂だけは抜けきれず、息子や元恋人の為に手助けをするために、刑事らしい心理戦で、隠されていた影の犯罪を明らかにしていくのです。

それは決して正義の為でもなく、鮮やかで清々しい感じでもないので、ダークで少しだけ切なくなってしまいます。

何が原因で、いつの間にか正義を忘れてしまい、こんなになってしまったのでしょうか。

ここがポイント

初志は正義に燃えていたはずだったのにと思うと、理想と現実のギャップについて考えさせられる作品です。

8、『霧島から来た刑事』

鹿児島県警の元刑事であった古賀正之の息子、武(警視庁組織犯罪対策部)の行方が分からなくなり、父親の正之が上京して捜す話です。

妻も元警察官であり、すぐに正之の後を追い上京し、息子の先輩刑事も加わり、息子捜しが始まります。

父親の正之が大都会、東京の真ん中で右往左往しながらも必死に行動する様は、子を想う親の気持ちが痛いほど分かります。

それよりも、妻の潔さが目立った行動であり、女は弱し、されど母は強しを感じてしまいます。

ここがポイント

いざという時はやはり女性の方が、肝が据わって冷静に行動できるのかもしれません。

無骨な父親が見せる息子への愛情が分かる作品です。

尚、この作品は警察職員の方以外には販売しない月刊誌「BAN」に連載された「新・東京物語」を加筆修正して改題されたものです。

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まとめ

永瀬隼介氏の作品はお楽しみいただけましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

読書の楽しみが広がりますよ。

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