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藤田宜永おすすめ作品8選をご紹介~恋愛小説の新境地を拓く~

ハードボイルドから恋愛小説まで幅広く手掛ける、藤田宜永氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学中退後、1973年にパリに渡り、エールフランスに勤務しています。

1980年に帰国し、エッセーを執筆し、1986年に「野望のラビリンス」という作品で作家デビューを果します。

初期はフランスを舞台にした、フイルム・ノアールを思わせるような犯罪小説や冒険小説を手掛けています。

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藤田宜永おすすめ作品8選をご紹介~恋愛小説の新境地を拓く~

その後は主に推理小説や恋愛小説を執筆するようになり、都会的なセンスと人情の機微を描く、優れた心理描写で、熟年の愛を描いた「愛の領分」という作品で、第125回の直木賞を受賞します。

奥様は同じく作家で直木賞を受賞されている小池真理子氏であり、軽井沢生活を満喫されていました。

まだまだ活躍が期待されていた、藤田氏ですが、病魔には勝つことができず、2020年1月30日に癌により、69歳で生涯を閉じてしまいます。

そんな藤田宜永氏のおすすめの作品を8選ご紹介いたしますので、味わいながらお楽しみください。

1、『鋼鉄の騎士 上・下』

第二次世界大戦直前のパリで、レーサーを目指す子爵家の次男、日本人青年、義正の話です。

熾烈な情報戦と錯綜する人間関係の中、それらを切り裂くようにして、義正のレースへの思いは一層熱気を帯びていきます。

登場人物が複雑に絡まり合いながらも、それぞれが収まるところにピタッと収まっていくのです。

更に様々な出来事として張り巡らされていた伏線が、見事に決着をみせていきます。

ここがポイント

最後のポーでのレースの場面に向けて全ての物語が、絞り込まれていくストーリー展開は圧巻そのものです。

かなり読み応えのある、冒険小説です。

2、『転々』

借金取りから逃げ回る大学生の文哉が、一緒に東京を散歩すれば、百万円払うという男、福原と井の頭公園から丸の内まで寄り道しながら歩く話です。

短い距離を歩き、その先々でいろいろな人との出会いがあって、東京の狭い路地を抜けていくような散歩なのです。

この散歩がいつまでも続けばいいと思ってしまうような感覚になってしまいます。

何事にも希望を持てなかった主人公の文哉でしたが、この散歩によって少し変わったように思えます。

ここがポイント

物悲しさの残る読後感ですが、主人公の文哉にとっては、違った一歩を踏み出せるような力強さも希望も感じられる作品です。

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3、『愛の領分』

30数年の時を経て不倫していた男女が再開し、複雑な人間模様が浮かび上がってくる話です。

すれ違う親子の関係や登場人物それぞれの事情が語られ、大人の恋愛には制約がつきものであるということが、うまく描かれています。

ここがポイント

愛に限らず、人間は全てにおいて領分があり、その領分を本能的、遺伝的に見極めて生きていくべきなのです。

恋愛小説という小さな括りではなく、この作品には逃れられない人間の性(さが)に苦悩する心の揺らめきが見て取れます。

静かに展開していく中で、内面に秘めた物凄く熱いものが感じられる作品です。

文藝春秋
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4、『子宮の記憶 ここにあなたがいる』

生後間もない頃に自分を誘拐した女性を捜し、自分の素性を隠してその女に接近する話です。

生まれてすぐに病院で誘拐された赤ん坊が、やがて大きくなり、自分を誘拐した犯人を捜しだし、住み込みで働き一つ屋根の下で暮らすことになります。

この作品の登場人物たちは決して幸福な人生を歩いてきたわけではなく、それぞれがその環境の中で悩み苦しみながら生きてきたのです。

それ故、性格的にも歪んでしまったのかもしれません。

でも、彼らは自分の居場所を探しながら、生きていかなくてはならないのです。

ここがポイント

親が子供を育てることの難しを感じてしまうと同時に、親の思いと子の思いの違いが見事に表現されている作品です。

5、『還暦探偵』

還暦前後の男性の揺れ動く心を描いた、6編からなる短編集です。

いくつになっても、男は新たな恋や昔の恋にときめいたり、妻との関係に思い悩んだりしてしまうものなのです。

前向きで積極的であり、パワフルで、でも少し切なくて、そんなおじさん達が描かれています。

仕事が無くなったり、子どもが旅立っていったりと、周囲との関係も変わってくるのです。

ここがポイント

歳を重ねた男たちの、ちょっと無様で、カワイイ姿が見ることができる作品です。

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6、『女系の総督』

妻を早くに亡くし、母、娘二人、姪、孫娘そして牝猫二匹の女ばかりに囲まれて暮らす、還暦間近の男の話です。

気付いたころには、周りが女だらけの家庭に育った男の処世術を丹念に描いています。

その処世術とは”女に花を持たせること“なのです。

ここがポイント

男が一生かかっても、到底理解しかねる女とは、なるべく日々穏やかに過ごせればそれでいいのです。

出来のいいホームドラマを観ているような感覚であり、楽しい中にも考えさせられることがあります。

妙に昭和の香りが漂ってくるほのぼの作品です。

講談社
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7、『血の弔旗』

1966年に起きた11億円強奪事件及びそれに伴う殺人事件の話です。

事件を起こした4人の男の生き様を移り変わる昭和の時代と、風俗を交えながら描いています。

科学捜査や監視カメラなど無い時代、足で歩き、靴を擦り減らしながらも必死に捜査する刑事。

時代の流れと成功と手にしたモノが増えるにつれて、何となく変貌していく登場人物たち。

ここがポイント

ストーリーだけを追えば、たった14年の出来事なのですが、その背景にある時代の流れの速さはまさに「昭和史」そのものだったのです。

圧巻のクライム・ノベルです。

講談社
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8、『大雪物語』

長野県K町の大雪を舞台にした、色々な人々の雪にまつわるエピソードを集めた6編からなる短編集です。

それぞれの話に銀雪、雪の華、雪の紗、ぼた雪、雪男など雪を連想させる言葉が散りばめられていて、その情景を思い浮かべながら雪の世界に浸ることができます。

観測史上最大の大雪になったK町、雪が止まず、町全体が麻痺して、国道や高速道路は通行できず、車は立ち往生してしまいます。

この大雪の中での出会いや奇跡の再会、そして地域住民などの温かい支援などもあり、ほっこりさせてくれます。

ここがポイント

心に小さな灯がともるような作品です。

講談社
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まとめ

藤田宜永氏の作品はお楽しみいただけましたでしょうか。

まだまだ活躍が期待されていたのですが、もう新作は読めなくなり、大変残念です。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

そして藤田氏の幅広い作風を満喫してください。

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