スリリングな感覚が楽しめる、吉川英梨氏のおすすめ作品8選をご紹介させていただきます。
短期大学卒業後、テンプル大学日本校に入学するも中退し、その後、出版社勤務の傍ら、シナリオ・センターにて脚本を学び、テレビ・映画などの脚本に参加していきます。
その後、アメリカへ語学留学をして、インドでの国際協力活動を経て帰国します。
吉川英梨おすすめ8選をご紹介~人間の限りない欲望と悪意を描く~
2008年に「私の結婚に関する予言38」という作品で、第3回日本ラブストーリー大賞のエンターテインメント特別賞を受賞して作家デビューを果たします。
デビュー以降、「女性秘匿捜査官・原麻希シリーズ」や「新東京水上警察シリーズ」、「十三階シリーズ」、「警視庁53教場シリーズ」など数々のシリーズを手掛け、警察小説の新旗手として注目を集めています。
そんな吉川英梨氏のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみください。
1、『アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希』
ハラマキシリーズの第一弾であり、警視庁鑑識課に勤める主人公である原麻希と、アゲハと名乗る人物との攻防の話です。
鑑識課の原麻希と、かっての上司、加奈子が共に我が子を誘拐される事件が発生し、二人の運命を変えた8年前に起こった事件が関係していることが分ってきます。
レイプ事件に関わり、警察に恨みを持つものの犯行なのか、その狙いは何なのか、公安やテログループなども絡み、面白味が段々と増していきます。
アゲハとは一体何者なのか、話の展開がスピーディーであり、さくさく進み、ハラハラしながらも楽しめます。
ここがポイント
誰が事件を操っているのか、警察の中の内通者は一体誰なのか、目が離せなくなります。
続編が楽しみな作品です。
2、『スワン 女性秘匿捜査官・原麻希』
ハラマキシリーズの第二弾であり、リクルーターを追って、奈良県に向かった原麻希が、誘拐事件に巻きこまれて、身代金の受け渡し人として指名される話です。
いろんな事件が次々に起こり、しかもそれらが繋がっていて、二転三転しながらも、スピーディーな展開で進んでいきます。
ここがポイント
リクルーターは一体誰なのか、そしてリクルーターの真の目的とは、いったい何なのか。
奈良での相棒となった吾川や、大阪府警の美鈴など、面白いキャラが登場して、物語に厚みを加えています。
これからの展開に、ますます目が離せなくなる作品です。
3、『ダナスの幻影』
高級住宅地に住む、主婦の虚像と実像を描いた話です。
高級住宅地に住む、主婦の玲花はミセス・パーフェクトと言われているのですが、高校時代の同級生のお葬式で、担任だった辻沢という男性教師に再会してから、どんどんと墜ちていくのです。
過去と現代の視点が絡み合い、玲花もそして、その周囲の人たちも雪崩のように、その日常が崩壊していくのです。
ここがポイント
ドロドロの人間ドラマであり、光と闇、欲望、虚飾、嫉妬、そして過激な性描写も、これでもかという具合に描かれています。
驚愕のラストまで、飽きずに一気に読める作品です。
4、『警視庁「女性犯罪」捜査班 警部補・原麻希 蝶の帰還 上・下』
ここがポイント
ハラマキシリーズの第十弾であり、いよいよフィナーレとなり、アゲハ復活と、新たなテロ事件への策謀の話です。
壮絶すぎる過去も明らかになり、話のスケールが壮大になっていき、どういう風に終結するのかが楽しみになります。
テロリストになった加奈子が、ガザ地区に行った経緯や、とてもリアルな戦闘シーンなど、かなり読み応えがあります。
感動とスピード感があり、楽しめる作品です。
5、『十三階の神』
十三階の女シリーズの第二弾であり、カルト教団(カイラス蓮昇会)トップの死刑執行を前に、元信者たちの動向を監視し続ける公安の話です。
孤高の女刑事、黒江律子が地下鉄テロを起こしたカルト教団に、女を武器にして挑んで行きます。
ポアとかカルマとか聞きなれた言葉が、20数年前のオウム真理教の記憶にワープしてしまいます。
誰が味方で、誰が敵なのか、黒幕の正体は二転三転し、混迷を極めていきます。
ここがポイント
人を消費しつつ、作戦を強行する公安警察、その中で先も見えず、任務を続ける捜査官たちの姿が印象的に描かれています。
映画を観ているようなスピード感があり、スリリングな感覚が楽しめる作品です。
6、『海底の道化師 新東京水上警察』
新東京水上警察シリーズの第4弾であり、東京湾の海底の同じ場所から、複数の女性の運転免許証が発見される話です。
調査の結果、毎年6月に海辺の街で、黒髪のロングストレートの女性が失踪していたことが判明します。
タイトルとなっている「海底の道化師」を名乗る猟奇的殺人犯の存在が明らかになる中、偶然その犯罪現場に居合わせたヒロインの有馬礼子が犯人に拘束されてしまうのです。
ここがポイント
ハリウッド映画的なスピード感溢れる派手な救出劇や脱出劇もあり、手に汗を握る展開で楽しめる作品です。
7、『雨に消えた向日葵』
小学5年生の美少女、石岡葵が学校からの帰り道、豪雨の中、失踪してしまう話です。
果たして事故なのか誘拐なのか、はたまた家出なのか、捜査の手を尽くしても少女の行方は掴めないのです。
子供がいなくなり、苦しむ家族に追い打ちを掛けるかのように振りかかる、世間の目やバッシング、そして身勝手に騒ぎ立てるNET等。
リアルに突き刺さる時間の経過は現実味を帯びていて、胸に突き刺さってしまい、情報が錯綜する中、進展しない捜査状況に憤りさえ感じてしまいます。
ここがポイント
重苦しい雰囲気の展開ですが、読み応えが十分にあり、衝撃のラストに感涙してしまう作品です。
8、『十三階の血』
十三階の女シリーズの第三弾であり、首相暗殺を企む謎のテロリストを逮捕するため、型破りのスパイ、黒江律子が危険な潜入捜査に挑む話です。
今回は基地問題だけでなく、それに絡んだ首相暗殺計画、成田闘争など、過去から続く活動家VS公安の闘争に発展していきます。
また、律子の上司の古池目線で展開していき、ストーリーは全体的に暴力路線で描かれています。
ここがポイント
律子と古池との二人の恋愛事情も一気に進んで、エンタメ要素もかなり強くなっていて、楽しめる作品です。
まとめ
吉川英梨氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
そして、警察小説の新旗手の作品を堪能してください。