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松本清張おすすめ15選をご紹介~社会派推理小説の礎を築く~

推理小説界の巨星が描く、松本清張氏のおすすめの作品15選をご紹介させていただきます。

松本氏は1909年、現在の北九州市小倉北区生まれであり、生家が貧しかったため、尋常高等小学校を卒業した後、給仕や印刷工等、種々の職を経て、朝日新聞西部本社に入社します。

結婚をして、2男1女に恵まれますが、折りしも日本は戦時下であり、松本氏も衛生兵として出征をします。

終戦後、復員した松本氏は多くのアルバイトをしながら生計を立て、小説やポスター公募への応募をしていきます。

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松本清張おすすめ15選をご紹介~社会派推理小説の礎を築く~

そんな中、1951年に処女作の「西郷札」という作品が直木賞候補に挙がり、一躍注目を浴びます。

そして、翌年発表した「或る『小倉日記』伝」という作品で、第28回下期の芥川賞を受賞します。

松本氏が駆け抜けた時代は、明治・大正・昭和という日本の激動期であり、この時代には日本の文学史に名を残す多くの文豪たちが誕生しました。

純文学でもなく、通俗文学でもなく、主題を決定し、時代を反映させ、思想を照射し表現方法を考えた、松本氏が生み出した新しいタイプの文学が誕生したのです。

そんな松本清張氏のおすすめの作品15選をご紹介いたしますので、どうぞお楽しみください。

『点と線』

九州、福岡の海岸で発見された男女一組の死体、誰が見ても心中で疑いのない状況であったが、ほんの些細な違和感が、ベテラン刑事を動かし、それが大きな陰謀の解明へと繋がっていく話です。

電報が主流の時代であり、新幹線もまだ開通していなくて、東京~博多間が20時間かかるという時代に、時刻表を利用したアリバイ崩しがメインとなっています。

そして心中事件と汚職事件が絡む社会派ミステリーの謎解きの幕が上がるのです。

警視庁の三原警部補は安田という男に疑いを抱きますが、彼は当時、北海道にいたという完璧のアリバイがあったのです。

しかし、東京駅での4分間が鍵を握っていたのです。

ここがポイント

後のミステリーに大きな影響を与えたばかりでなく、今読んでも、決して色褪せることのない素晴らしい作品です。

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『眼の壁』

手形詐欺に遭って自殺した、上司の無念を晴らすために、詐欺事件を調べていく主人公、萩崎の話です。

そして、事件に関わりのありそうな、右翼のボスの動向を探りはじめたころから、組織的な犯行を匂わす黒い闇が見えてきます。

現代ではかなり時代錯誤の部分も多く見受けられますが、リアリティ感あふれる物語の中に、読む者を引きこみ、東奔西走する主人公に乗り移るようなリズム感を感じてしまいます。

警察組織の人間ではなく、普通のサラリーマンを主人公にしたのも、複雑な伏線の物語を身近なものに思い込ませる、いい効果を出しています。

ここがポイント

数々の陰謀が渦巻く世界の雰囲気をリアルに味わえる作品です。

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『黒い画集』

日常生活の中に潜む、深淵の恐ろしさを描いた7編からなる連作短編集です。

人の心の脆弱さや見栄や虚飾、滑稽さや悲哀など、日常に溢れたそういったものが、少しの行き違いで、狂い、事件に繋がっていってしまうのです。

ここがポイント

誰もが被害者や加害者になり得る可能性があることを示唆しているようです。

昭和30年代前半にに執筆されていますが、現在にも通じる話ばかりであり、いつの世の人間の在り方など、そうそう変わるものではないことを、感じてしまいます。

ミステリーだけではなく、人間ドラマの側面も楽しめる作品です。

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『ゼロの焦点』

新婚の夫が仕事の引継ぎで、東京から金沢に向かったのですが、予定を過ぎても戻らないため、その妻が、行方を探る中、次々と関係者の殺人事件が起きる話です。

妻がようやく手がかりを掴んだ時、夫はすでに自殺していて、さらに、夫は別の名前で、別の人生を送っていたことを妻は知ってしまうのです。

旅情、そして盛り上がるサスペンスチックな状況、もつれる人間関係など、テレビの二時間サスペンスの原型の基本のような描写です。

ここがポイント

物語の進展と共に、一つの解決が、再び新たな謎を呼ぶ展開の見事さは、比類がありません。

叙情的な文章と相まって、儚げな美しい余韻を残す作品です。

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『日本の黒い霧 上・下』

米軍占領下にあった日本で発生した不可解な事件の背景に、GHQの陰謀が隠されていると考えることにより、多くの謎が解ける話です。

当時のGHQ内部の対立や、第二次世界大戦直後のアジアにおけるアメリカを取り巻く、国際情勢にも触れつつも、それぞれの事件に推理をしていく展開に、目が離せません。

ここがポイント

複数の独立した事件に対する推理を順に並べ、最後に朝鮮戦争を巡る記述で締めくくる手法は見事そのものです。

それぞれの事件の真相を明らかにしようとする姿勢は、流石に松本氏であり、読んでいた反米的な部分も感じてしまいますが、一読に値する作品です。

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『わるいやつら 上・下』

主人公の戸谷は病院の院長であるが、病院の経営は火の車であり、その穴埋めに複数の愛人から、金を貢がせているという話です。

主人公は非常な人間であり、そこからエスカレートして、自分の不利になる人間や愛人の夫を計画的に殺害していくのです。

そして、医師の立場を利用して、完全犯罪を成し遂げようとするのです。

完璧なまでの証拠隠滅とアリバイ工作、そしてそれを何とかして、崩そうとする刑事。

ここがポイント

善良なのは、刑事だけなのか、最後のどんでん返しが驚愕の作品です。

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『砂の器 上・下』

蒲田駅の操作場で死体が発見され、必死の捜査も空しく、捜査本部は解散するのですが、他の案件の合間をぬって、ベテラン刑事の今西が執拗に事件を追う話です。

そしてついに、被害者の身元が判明すると時を同じくして、注目を集める若手芸術家集団のヌーボーグループが、今西の捜査線をかすめ始めるのです。

後半はテンポよく進み、今西の異常なまでの勘の良さと、その勘だけを頼りに捜査は進んでいきます。

次々に明かされる謎、そこには犯人の壮絶な人生が隠されていて、タイトルの「砂の器」如く、長年積み上げてきたものは、実は砂のように脆く、消え去ってしまうのでしょうか。

ここがポイント

まさしく、日本ミステリー史上の最高傑作作品に間違いありません。

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『黒い福音』

昭和34年に実際に起きたBOACスチュワーデス殺人事件を題材にしていて、布教の為なら、その国の法律に反したことをしても構わないという、神父たちの傲慢さの話です。

神父は悪いことをしないという前提のもと、信者たちは彼らを擁護していくのです。

当時の日本の弱い立場が裁かれるべきものを、意図的に裁かない方向へ動かした黒い圧力に対する、痛烈なまでの批判と手口の卑劣さを描いています。

ここがポイント

国際的に弱い立場にあった時代の日本のジレンマを強く感じる作品です。

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『けものみち 上・下』

旅館の女中として働く民子が、ある男性と出合い、運命を変えていく話です。

夫を殺した美人の民子、政財界を裏から操る老人の鬼頭、警視庁の久恒刑事、鬼頭の子分のような弁護士の秦野など、登場人物の末路は何故か衝撃的な破局に向かって行くのです。

愛欲、金欲、肉欲が絡み合い、まるでケモノのように欲丸出しの登場人物たちと渡り合いながら、民子は果たして、運命を好転させていけるのだろうか。

欲望から始まった民子の新たな人生は、終始欲望にまみれ、満たされる事など一時もなく、常に何かに怯え、空白を怖れ、幸せというものが、何かも思い出せなくなってしまう様はまさに人間を捨てて、ケモノになっていくのです。

ここがポイント

因果応報という言葉がしっくりとくる作品です。

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『鬼畜』

表題作を含む5編からなる短編集です。

どの作品も、それぞれの主人公の破滅までの道のり、そして次第に追い詰められていく様を、丁寧かつ、切れ味鋭く描いています。

松本氏の作品は個人というものを描くのではなくて、社会の仕組みの中における個人の打算的行動というものを描いているように思います。

ここがポイント

人間の業の深さを考えさせられる作品です。

『共犯者』

人間の心の怖さ、愚かさなどを描いた10編からなる短編集です。

松本氏の短編の魅力は、何よりも人生の一片を切り取る、鮮やかな技法に隠されているように思います。

あることがキッカケで、満ち足りていた日常が、恐怖と不安の日々に転落していく様子の描写が秀逸なのです。

凶悪な人間が描かれているのに、何故か主人公に、同情をそそられるところが生まれてくるのです。

ここがポイント

人間の弱さと怖さを絶妙に描いた作品です。

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『張込み』

人間の複雑な心理が見事に描かれている8編からなる短編集です。

欲望・衝動・感情の制御が効かずに罪を犯してしまう、弱い人間の心理状態が、見事に描かれています。

ここがポイント

構成やトリックが緻密であり、当時の社会事情や普遍的な人情がきちんと、作品に練り込まれています。

最近のミステリーの原型を見ているようであり、そういう意味では、全く古臭さを感じず読み応えタップリの作品です。

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『黒革の手帖 上・下』

元銀行員の原口元子が、黒川の手帳を元に銀行から大金を横領し、それを元手に銀座のバーのママまで上り詰める話です。

元子の野望は留まることを知らず、次々に高みを目指し、さらに次の策略へと進んでいくのです。

ここがポイント

人を陥れて、得た欲の塊の金は、いくら使っても人の恨みはいつまでも残り、因果応報さながら、ハッピーエンドは許されないのです。

最後のシーンが強烈な作品です。

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『疑惑』

「疑惑」、「不運な名前」の2編からなる中編集です。

表題の「疑惑」は保険金殺人を犯したと思われた鬼塚球磨子の潔白を、敏腕弁護士が証明していくという話です。

夫が亡くなり、妻だけが生き残った、車の転落事故、保険金狙いの殺人事件ではないかと「疑惑」が浮かび、鬼塚球磨子という妻の恐ろしい名前も相成って、事件をセンセーショナルに書き上げる記者。

ここがポイント

車に残された、スパナと片方靴などが、疑惑のアイテムとなり、読者を謎解きの世界へ誘っていくのです。

併録の「不運な名前」は実際にあった、藤田組贋札事件の犯人とされた熊坂長庵の冤罪をめぐる松本氏の推理を小説化したものです。

2編共、読み応えがあり、楽しめる作品です。

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『犯罪の回送』

ここがポイント

松本清張氏最後の作品であり、地方都市の政治抗争に絡む殺人事件の話です。

北海道の北浦市の市長が、陳情上京中に失踪し、数日後死体となって発見され、政敵議員に疑いがかかるが、彼もまた、地元で溺死体となって発見されるのです。

関連人物たちの奇妙な行動が、次々に明らかになり、益々、謎が深まっていきます。

下山事件や石田基検事怪死事件を思わせる発端や、地元の政治情勢への細やかな気配りなど、松本氏らしい作品です。

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まとめ

松本清張氏の作品はお楽しみいただけましたでしょうか。

社会派推理小説の礎を築き、後のミステリー作家の方々にも、多大なる影響を与えたことは言うまでもありません。

まだ、読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

そして、ミステリーの神髄を味わってください。

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