思わぬ展開で魅了する、横関大氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。
大学在学中に小説を書き始め、卒業後もアルバイトをしながら小説家を目指していきます。
学生時代は純文学を執筆していたのですが、カルチャースクールの創作教室に通っていた時に、ミステリー系の短編の評判が良かった為、ミステリー路線に転向していきます。
横関大おすすめ作品8選をご紹介~爽快感のある文章で魅了する~
20代後半に地元の静岡に戻り、市の職員として働く傍ら、2002年から8年連続で江戸川乱歩賞に応募を重ね、ついに2010年に「再会」という作品で第56回江戸川乱歩賞を受賞します。
その後は社会派の構築性の高いミステリー作家としてのキャリアを積み重ねていきます。
しかし、「ルパンの娘」という作品の創作に関しては、コメディ要素が高く、会話のやり取りを楽しんでもらうという側面から、それまでの作品でしていたような事前の物語の設計図は作らなかったそうです。
肩肘を張らず、自分自身が面白いという感覚に対して、素直な気持ちで書き上げていったそうです。
そんな横関大氏のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみください。
《グッバイ・ヒーロー》
バンドマンでピザ屋の配達バイトをしている亮太が、立てこもり事件に巻き込まれる話です。
「困っている人がいたら、助けなければいけない。それが俺のルールなんだ」そういう亮太が人質を取られた立て籠もり事件に関わってしまい、運び屋ジローとかいう、おっさんと出会って、さらなる事件に巻き込まれていきます。
亮太とおっさんの掛け合いも面白く、おっさんに命を助けられたり、助けたりと段々とおっさんに親近感を抱いていくのですが、そのおっさんには秘密があったのです。
それから、数年後、プロとして成功した亮太のライブに、約束を果たすためにひっそりと現れたおっさんが、彼を守るために、命をかけるのです。
ここがポイント
心地良い読後感に酔いしれる作品です。
《再会》
23年前、幼馴染の4人が小学校卒業直前に、タイムカプセルに閉じ込めた拳銃で、殺人事件が発生してしまう話です。
タイムカプセルを開けるには鍵の暗証番号が必要であり、その暗証番号を知っているのは幼馴染の4人しかいないはずなのです。
しかもその4人が殺人事件に巻き込まれ、さらには、23年前に起きた、殺人事件も絡んでくるのです。
そして敏腕刑事が登場し、二転三転しながらも、事件の真相を探っていきます。。
ここがポイント
最後まで謎解きの楽しみが続く作品です。
《沈黙のエール》
里菜がフランスにパティシエ留学へ行く直前に、実家の洋菓子店が放火され、父親までもが殺害される話です。
偶然にも親戚の子供だと名乗る小学生の陽介が訪ねて来た直後に起きた、2つの事件は何か関係があるのでしょうか。
ここがポイント
兄の幼馴染の刑事と一緒に、放火と殺人の解明に奔走するうちに、里菜の家族の秘密が明らかになっていくのです。
そしてすべてが繋がった時に分かる、家族の絆に思わずジーンとしてしまいます。
タイトルの沈黙のエールのタイトルの意味が分かったときには、熱いものがこみ上げてきます。
《スマイルメイカー》
どんな客でも降車するときに、必ず笑顔にしてしまう、タクシードライバーである五味の話です。
タクシードライバーの五味が、訳アリの少年を乗せたことから、思わぬ事態になっていくのです。
さらに、ドライバー仲間の景子や袴田の視点も入り乱れて、軽快にストーリーは展開していきます。
家出少年を乗せた五味、有罪確実で仮釈放された弁護士を乗せた景子、バツイチ女性弁護士を乗せた袴田、3人のドライバーが交錯するのは偶然ではなく、緻密に計算された行動であり、それぞれの事実が伏線となり、納得させられてしまいます。
ここがポイント
面白いトリックが味わえる作品です。
《ルパンの娘》
泥棒一家の娘、三雲華と警察一家の息子、桜庭和馬が恋におちる話です。
絶対に相容れる筈のない、両家の娘と息子がお互いの素性も知らずに恋に落ちてしまうのです。
そして、華の祖父の死亡事件から、和馬が疑惑を持ち、華の素性を知ってしまい、二人は苦悩していくのです。
華と和馬の恋を成就させるために、2家族が取った行動もかなり見ものであり、楽しめます。
ここがポイント
コミカルな要素が強いですが、シリアスな部分もかなりあり、飽きずに楽しめる作品です。
《ピエロがいる街》
不況にあえぐ兜市の為に頑張る市長と、夜な夜な兜市の市民の願い事を叶えるピエロの話です。
街を支えてきた企業が撤退し、財政難に喘ぐ、兜市、そんな兜市民の為に彗星のごとく現れたピエロが、驚きの行動力で、悩みを次々に解決していくのです。
ここがポイント
そしてこの話は社会問題、経済問題、行政問題などを、織り交ぜながら、人と人との出会いや縁というものを大切にすることを伝えているのです。
気持ちよく騙される作品に間違いありません。
《仮面の君に告ぐ》
病院のベッドで目覚めた涌井和沙は、鏡をのぞいた途端、姿形が全く別の人間になっていた話です。
何者かに殺害された、涌井和沙の魂は他人である、森千鶴の身体に憑依していたのです。
婚約者であった、早田慎介と殺害された和沙のそれぞれの視点でストーリーは展開していきます。
和沙は犯人への復讐に燃える恋人を阻止しようと事件の真相を探っていくのですが、自分を殺した犯人への憎悪の念は消えることなく、執念で追いかけていきます。
ここがポイント
またしても、最後の最後で横関氏に、してやられる作品です。
《ルパンの帰還》
ルパンの娘の続編であり、泥棒、警察一家に今度は探偵一家が加わる話です。
華と和馬の間には娘である杏も生まれ、幸せに暮らしていましたが、華と杏が乗っていた幼稚園バスがバスジャックされてしまうのです。
その事件の解決に乗り出すのが、和馬と警察官になりたての探偵一家の北条三雲なのです。
頭脳明晰、才色兼備の北条三雲のキャラがまた独特で、事件も最後に謎が解けていく様は相変わらず心地よく楽しめます。
ここがポイント
事件の真相と三雲家の秘密など、謎が残ったままであり、続編への期待が膨らみます。
まとめ
横関大氏の作品のご紹介は楽しんでいただけましたでしょうか。
まだ、読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。