警察小説の新鋭が贈る、鈴峯紅也氏のおすすめ作品12選をご紹介させていただきます。
ライターを約20年続けたのち、2015年に「警視庁公安J」という作品で、警察小説作家としてデビューを果します。
そして、瞬く間に人気が出て、2017年には徳間文庫大賞を受賞するほどのヒットとなり、続く「警視庁組対特捜K」という作品もたちまちブレイクします。
鈴峯紅也おすすめ作品12選をご紹介~警察小説の新旗手が登場~
鈴峯氏は旧知の編集者に声をかけられたことが、きっかけで小説を書くようになったとのことです。
そして警察組織のことを調べるために、膨大な資料を読み、知識を叩きこみ、押さえるべきところを押さえれば、何を書いてもいいという自分なりの結論を得て、なんでもアリの警察小説を書くことにしたそうです。
また、詳細非公開の覆面作家としても知られています。
そんな鈴峯紅也氏のおすすめの作品12選をご紹介させていただきますので、お楽しみ下さい。
1、『警視庁公安J』
Jシリーズ(公安部:小日向純也)の第一弾であり、警視庁のキャリアの小日向純也が付き合いをしていた恋人、木内夕佳が車ごと爆殺されてしまうという事件に挑む話です。
すぐに小日向が捜査に乗り出していくのですが、背後に北朝鮮の影が見え隠れする様相をみせてくるのです。
序盤は登場人物の多さに圧倒され、中盤は追いかけている宗教団体や女性斡旋業が絡んできたりと、スケールの大きさが伺えます。
さらに終盤に至っては、思わぬ方向へと事態は展開していくのです。
ここがポイント
現実にはあり得ない設定が多く感じますが、潔いほど突き抜けた設定に、唖然としてしまう作品です。
2、『マークスマン:警視庁公安J』
Jシリーズ(公安部:小日向純也)の第二弾であり、自衛隊観閲式で警視庁公安部部長の長島が狙撃される話です。
狙撃犯を追いながら、警察庁との駆け引きなど、チーム小日向の面々の活躍が光ります。
ここがポイント
果たして送り込まれた狙撃犯は誰なのか、ミスリードかと思われた伏線も含めて、きちんとラストに回収する様は見事の一言につきます。
終盤に入ってからのおそろしく加速する展開に、気持ちよさを感じる作品です。
3、『ブラックチェイン:警視庁公安J』
Jシリーズ(公安部:小日向純也)の第三弾であり、中国の闇組織である「ブラックチェイン」に絡んだ話です。
人身・臓器売買、密輸、暗殺等、金のためならなんでもやる犯罪を犯すシンジケートである、ブラックチェイン。
ここがポイント
そしてそのシンジケートにいる黒孩子と呼ばれる、戸籍を持たないだけでなく、存在すら認識されていない子供たちが、内外に居て、成人した後も、表や裏で活動しているということに驚きを隠せません。
予想をはるかに上回る展開の作品です。
4、『オリエンタル・ゲリラ:警視庁公安J』
Jシリーズ(公安部:小日向純也)の第四弾であり、小日向純也の目の前で自爆テロが発生する話です。
犯人はスペイン語と思しき言葉を残すのですが、手がかりのないまま、第二、第三への自爆テロへと発展していきます。
ここがポイント
そして、70年代の学生運動との絡み、中南米との絡み、ひいては小日向家の絡みまで浮上してきます。
終盤の哀愁漂うう描写が、心に残る作品です。
5、『シャドウ・ドクター:警視庁公安J』
Jシリーズ(公安部:小日向純也)の第五弾であり、全米を震撼させた連続殺人鬼、シャドウ・ドクターが日本に上陸した話です。
今回はブラックチェインの繋がりもあり、臓器売買やカンボジア内戦も絡んできて、犯人側の悲痛さも伝わってきます。
FBI捜査官の協力要請に小日向は立ち上がるのですが、なかなか犯人まではたどり着くことはできません。
ここがポイント
今までのシリーズの様々な伏線が、回収される作品です。
6、『警視庁組対特捜K』
Kシリーズ(組対部:東堂絆)の第一弾であり、武術の達人、東堂絆が主人公で非合法ドラッグ、ティアドロップを調査する話です。
警視庁組織犯罪対策部特別捜査隊に配属された、正伝一刀皆伝の腕前持つ、東堂絆が半グレやヤクザ、チャイニーズマフィアを追っていきます。
しかし、その背後には恐ろしい闇社会の陰謀が隠されていたのです。
ここがポイント
東堂絆の今後の活躍に、期待が膨らむ作品です。
7、『サンパギータ:警視庁組対特捜K』
Kシリーズ(組対部:東堂絆)の第二弾であり、前作からの流れで、非合法ドラッグのティアドロップをめぐり、闇の世界の陰湿なせめぎあいの話です。
ここがポイント
同じ鈴峯氏のJシリーズと微妙に交錯する個所もあり、さらに奥深い展開になっています。
精神科医の西崎の目的も明らかになってきて、計画が動き始めていきます。
これからの展開が、ますます楽しみになる作品です。
8、『キルワーカー:警視庁組対特捜K』
Kシリーズ(組対部:東堂絆)の第三弾であり、非合法ドラッグ、ティアドロップを巡る、一連の事件の解明に奔走する絆の周辺に次々に闇社会の刺客が現れる話です。
絆が事件の核心に迫っていけばいく程に、絆を含め、絆の周辺にも危険が及んでしまいます。
ここがポイント
そして今回は暗殺者の登場や、親しい人の死を乗り越えた、絆の成長が詳細に描かれています。
ティアドロップ編の完結であり、結末の凄まじさと、今後の展開を明示したラストに期待がもてる作品です。
9、『バグズハート:警視庁組対特捜K』
Kシリーズ(組対部:東堂絆)の第四弾であり、絆の実父であった生前の片桐を知る男、白石が現れる話です。
ここがポイント
しかし同僚だったと語る白石は、その直後何者かに殺されてしまい、絆に手渡されたSDカードが事件の鍵になっていきます。
白石が経営していた、会社を探っていくのですが、謎は深まるばかりで一向に進展しません。
犯人は誰なのか、事件の真相とは、一体どこに隠れているのでしょうか。
次作への期待と不安を孕んでいる作品です。
10、『警視庁組対特捜K ゴーストライダー』
Kシリーズ(組対部:東堂絆)の第五弾であり、日本最大の暴力団の首領が亡くなり、次なる覇権を狙って、悪い奴らが再び蠢きだす話です。
ビジネスを成功させるのは誰か、半グレ達を纏め上げられるのは誰か、果たして、東堂絆はそれらを止めることができるのでしょうか。
ここがポイント
結末が次作へと繋がるような雰囲気を示唆している作品です。
11、『警視庁監察官Q』
Qシリーズ(警務部監察官:小田垣観月)の第一弾であり、監察官である、小田垣観月が二年前に起きたブラックチェイン事件で使用された爆弾C4の行方を追う話です。
超記憶を武器に小田垣観月が、警察庁や警視庁の各種証拠品が保管されている通称ブルーボックスを巡り、内部での観察を始めていきます。
ここがポイント
鈴峯氏のシリーズである、Jシリーズの小日向純也や、Kシリーズの東堂絆も絡んできて、かなり楽しませてくれます。
通称アイスクイーンが警視庁の内部に切り込む作品です。
12、『警視庁監察官Q メモリーズ』
Qシリーズ(警務部監察官:小田垣観月)の第二弾であり、小田垣観月が統括する警察の捜査資料保管庫である、ブルーボックスを視察に来た、大阪府警の二人の刑事が絡む話です。
訪れた大阪府警の二人は、監察官の尾行を捲き、夜ごと行方を晦まし、小田垣に不信をいだかせます。
そして時を同じくして行われた、廃工場の摘発で起きた想定外の事件との関連性が疑われます。
ここがポイント
事件の全貌は忘れえぬ人物との対峙によって、明らかになっていくのです。
まとめ
鈴峯紅也氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありましたら是非この機会に読んでみてください。
新しい警察小説の世界が、堪能できると思います。