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北森鴻おすすめ作品10選をご紹介~多彩な舞台でテーマを描く~

テーブルの上の4つのビールグラス

多彩なテーマを舞台にした、北森鴻氏のおすすめ作品10選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、フリーランスのライターとして活動する傍ら、1995年「狂乱廿四孝」という作品で、鮎川哲也賞を受賞し作家デビューを果します。

1999年には短編連作の「花の下にて春死なむ」という作品で、第52回日本推理作家協会賞を受賞しています。

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北森鴻おすすめ作品10選をご紹介~多彩な舞台でテーマを描く~

また、骨董や民俗学などの分野を得意としていて、作品ごとに様々なテーマに挑戦し続け、凝った作風と個性的な登場人物を描写しています。

しかし、2010年1月25日に郷里の山口市内の病院で、心不全にて48歳という若さで、その生涯を閉じてしまいます。

そんな北森鴻氏のおすすめの作品を10選ご紹介いたしますのでお楽しみください。

1、『狐罠』

旗師・冬狐堂シリーズの第一弾であり、旗師、宇佐美陶子が贋作をつかまされて、仕返しをしようとする話です。

目利き殺しで、贋作をつかまされて、己のプライドを守るため、自らも贋作の世界に身を投じていくのです。

美の世界の光と影を見事に描いていて、殺人事件と過去にあった贋作事件がうまく絡み合うストーリー展開に引き込まれてしまいます。

ここがポイント

古美術の世界と、ミステリーの両方が楽しめる作品です。

2、『花の下にて春死なむ』

香菜里屋シリーズの第一弾であり、バー「香菜里屋」のマスターの工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす6編からなる連作短編集です。

美味しそうな肴を出すビアバー「香菜里屋」のマスターの工藤が安楽椅子探偵のように、お客が盛り込むミステリアスな謎を鋭い洞察力で解き明かしていきます。

ここがポイント

難解な事件を解決するだけでなく、事件の裏側にある人生の深さや、複雑さにも焦点をあてている作品です。

3、『メイン・ディッシュ』

小劇団を主宰する女優ユリエを中心に起きる騒動を、恋人で同居人のミケさんが、料理に絡めて見事に解決してくれる話です。

ここがポイント

短編が全く別の物語のように繋がっていて、伏線も方々に張られていて、最後にきっちりと回収されていきます。

ミケさんは、さりげなく、美味しい料理を作り、みんなを幸せな気持ちにしてくれます。

ストーリーも非常に凝っていて料理も楽しめる作品です。

4、『凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルⅠ』

蓮丈那智フィールドファイルシリーズの第一弾であり、民俗学ミステリー5編からなる連作短編集です。

美貌の民俗学者、蓮丈那智とその助手、内藤三國がフィールドワークに行く先々で起きる怪事件を、解決していくという流れでストーリーは展開していきます。

ここがポイント

難しそうな民俗学がミステリーと上手く調和して、事件を解決に導いていく様は、分かりやすく読み応えがあります。

ミステリーだけでなく、民俗学の蘊蓄が楽しめる作品です。

5、『狐闇』

旗師・冬狐堂シリーズの第二弾であり、魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐美陶子の運命が変わってしまう話です。

「狐罠」の続編であり、北森氏の他の作品の主人公が勢ぞろいし、絶体絶命に陥った陶子を助けていきます。

ここがポイント

民俗学者、蓮丈那智、ビアバー香菜里屋の面々が登場するだけでなく、各作品と連動しているので、楽しみがひろがります。

サスペンス感溢れる設定の巧みさに、酔いしれてしまいそうな作品です。

6、『触身仏 蓮丈那智フィールドファイルⅡ』

蓮丈那智フィールドファイルシリーズの第二弾であり、民俗学を主体とした5編からなる連作短編集です。

ここがポイント

前作ではクールで完全無欠に思われた蓮丈が今作では、犯罪者に仕立て上げられそうになったり、実際に襲撃を受けたりします。

蓮丈と内藤の掛け合いも相変わらず健在で、今作は内藤の内面やその葛藤が、描かれたり、新たな登場人物が謎に包まれていたりと、変化が見られます。

一つひとつの謎に、興味がそそられる作品です。

7、『桜宵』

香菜里屋シリーズの第二弾であり、探偵役の工藤が、バーに集う人々をめぐる5つの事件を解決に導く連作短編集です。

ここがポイント

人が死ぬ事件もあったりして、前作よりも人間の底意地の悪さが浮き彫りになるような話が多くなっています。

ただ、美味しそうな料理は相変わらずで、食指が動いてしまいます。

こんな素敵なバーがあるのなら、是非行ってみたいですね。

8、『支那そば館の謎 裏京都ミステリー』

裏京都シリーズの第一弾であり、京都でも指折りの貧乏寺の寺男が、様々な悪に挑んでいく6編からなる短編集です。

人情味溢れるストーリー展開と、仄かに感じる京都らしさが大変心地良く描かれていて、住職を始め、周りの登場人物も個性豊かで楽しめます。

ここがポイント

コミカルでありながらも、不条理な事には厳しい目を向ける姿勢が伺えます。

まるでバカミスのように感じられる作品です。

9、『写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルⅢ』

蓮丈那智フィールドファイルシリーズの第三弾であり、蓮丈那智の考察力と内藤三國の直観力が冴えわたる、4編からなる短編集です。

カミソリの切れ味と、鉈(ナタ)の重さを兼ね備えた言葉で切りまくる蓮丈那智の姿は、相変わらずカッコ良く描かれています。

ここがポイント

表題作は流石の読み応えで、今までのシリーズの総まとめのような内容でもあり、民俗学の面白さがかなり味わえます。

その他の3編についても、主客転倒という要素が共通しているのではないかと思えてしまいます。

奥が深い民俗学を少しだけ学べる作品です。

10、『深淵のガランス』

佐月恭壱シリーズの第一弾であり、絵画修復がメインの話が綴られた3編からなる短編集です。

ここがポイント

佐月は普段は花師として、いろいろな店の花を活けているものの、紹介があれば、いかなる絵画の修復もやってのける天才的な修復師なのです。

鑑定士と修復師は表と裏、という言葉が印象に残り、X線分析、絵具の化学解析、ハイテク技術の説明も分かりやすく描かれています。

小説の世界観が広がって、楽しめる作品です。

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まとめ

北森鴻氏の作品はいかがでしたでしょうか。

大変丁寧に描かれているので、お楽しみいただけと思います。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

新たな発見があるかもしれませんよ。

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