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連城三紀彦おすすめ10選をご紹介~みなぎる多彩な世界観で魅了~

多彩な世界観で魅了する、連城三紀彦氏のおすすめ作品を10選ご紹介させていただきます。

1977年「変調二人羽織」という作品で第3回幻影城新人賞(小説部門)を受賞し、翌1978年に作家デビューを果たします。

1984年「恋文」という作品で直木賞を受賞し、大衆小説に執筆の主軸を移しています。

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連城三紀彦おすすめ10選をご紹介~みなぎる多彩な世界観で魅了~

また若い頃からとても映画が好きだったようで、大学在学中にはシナリオの勉強の為、フランスへ留学したこともあるようです。

数々の名作を執筆し続けていた、連城氏だったのですが、2009年胃がんが見つかり、闘病生活を送ることとなり、2013年10月13日胃がんのため、その生涯を65歳で閉じます。

そんな連城三紀彦氏のおすすめの作品を10選ご紹介いたしますので、どうぞお楽しみください。

《暗色コメディ》

別々に4つの不可思議な事件が起こり、徐々に精神のバランスを崩した4人の人間が、やがて関わり合っていく話です。

主婦、画家、葬儀屋、外科医と4人のエピソードが同時に進行していきます。

しかも4人とも病んでいるので、ものの見方とか状況説明とかが普通ではなく、妄想とか厳格に惑わされてしまいます。

ここがポイント

あり得ない事件に対して、強引ですが、一つの回答を呈示しているミステリーなのです。

イヤミス好きな方にお勧めの作品です。

《戻り川心中》

ここがポイント

救いようのない人間の業の深さや、生きるということの哀しみを描いた5編からなる短編集です。

各編が不義と悲哀に溢れた物語であり、どの話も叙情性に満ちていて、美しく詩情を含んでいます。

ミステリーなのに恋愛小説の比重がとても高く、それぞれの話がとても濃密であり、当時の仄暗い時代背景を細やかに想像させてくれます。

読み終わった後もなぜか心が騒ぐ作品です。

《夜よ鼠たちのために》

重厚且つ、上質なサスペンス・ミステリーの傑作を9編収録した短編集です。

怪しい人物や、出来事などは読んでいると何となく分かりますが、そのトリックの精緻さには驚きを隠せません。

ここがポイント

どの話も最後に見えていた世界が一変し、眩暈がするほどの真相が明かされます。

今までに類を見ないかなり高水準の短編作品です。

《宵待草夜情》

ここがポイント

女の情念をテーマとした5編からなる、連作短編集です。

明治のころから戦後までを舞台にした、上質な本格ミステリーであり、当時の風情を感じさせる情緒的な文章で綴られています。

どんな冷静な人間でも、報われない恋に落ちてしまうと、正しい判断ができなくなってしまうという、危うい感情を精錬でありながらも、恐ろしさや悲しさを含んで描いています。

強烈な印象で深い余韻を残してくれる作品です。

《恋文》

都会に暮らす男女の機微を、様々な風景の中に描いた、5編からなる短編集です。

人物描写がとても丁寧であり、情緒的で静かに展開していくと思いきや、感情が溢れ出すように綴られています。

ここがポイント

個々の話の中にもきちんと伏線が張られていて、意外な結末というミステリーの構造が完備しているのです。

全ての話が心温まる切ない系の展開で優しい気持ちにしてくれる作品です。

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《夕萩心中》

明治・大正期を舞台に歴史を絡めて、男女間の情愛を謳いあげる花葬シリーズ3作と「陽だまり課事件簿」を併録しています。

ここがポイント

古い因習が残る時代の男女の情愛がしっとりと描かれ、耽美の世界に誘われてしまいます。

だが、一瞬にして、情景が反転して、表裏が入れ替わり、むき出しになる人間の内なる悪意が伺えます。

連城氏の筆の幅広さが分かる作品です。

《もうひとつの恋文》

直木賞を受賞した「恋文」の姉妹作であり、5編からなる短編集です。

ミステリー的なアイデアがふんだんに使われている恋愛小説であり、かなり楽しめます。

ダメ男と小道具がテーマになっていて、男女のこと、家族のことが中心に描かれています。

ここがポイント

男女の機微の描写が秀逸であり、ラストにひねりがある作品です。

《落日の門》

史実の二・二六事件を背景にした連作短編集です。

正に怒涛の反転劇が炸裂する連作であり、二・二六事件を背景に、その裏で展開する男女や家族のドラマを美しい文章で描いています。

ここがポイント

やや演出過剰気味な文体も、視点をずらすことで、新たな謎が炙りだされてきて、目が離せません。

ストーリーの真相が複雑に絡み合う構成で異様な凄味のある作品です。

《白光》

ごく普通な、ありきたりな家庭の平凡な日常が、姪の死をきっかけに崩壊してしまう話です。

一人の少女が殺されたことで、家族のそれぞれが抱えていた、闇が浮き彫りになっていきます。

登場人物のそれぞれの視点から、話が進み、二転三転していく展開になっていきます。

ここがポイント

誰も救われない悲しいラストに切なくなる作品です。

《造花の蜜 上・下》

幼稚園から連れ去られた子供を巡る誘拐事件の話です。

身代金の要求や引き渡し場所などが通常の誘拐とかなり異なり、不可解な展開をみせる一方で、裏では全く別の犯罪が動いていっているのです。

ここがポイント

読者をミスリードに導くために複雑に絡むプロットが組み立てられているので、かなり楽しめます。

何が本当で何が嘘であるのか分からなくなってしまうような作品です。

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まとめ

連城三紀彦氏の作品はいかがでしたでしょうか。

今まで読んだことのない至高の短編集を堪能していただけましたでしょうか。

まだ、読んでいない作品がありましたら、是非、この機会に読んでみてください。

本当に感動ものです。

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