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乙一おすすめの作品を12選ご紹介~残酷さと切なさの混在~

不思議に楽しめる、乙一氏のおすすめの作品を12選ご紹介させていただきます。

作風は残酷さと切なさの混在するテイストであり、あっと言わせるストーリーで多くのファンを獲得しています。

乙一氏は小説を書く前に小説はどんなんだったっけと思い出すために、必ず他人の本を読み、思い出すそうです。

読みかけの本の影響を受けることもあるそうですが、常にミッドポイント理論を意識して執筆しているとのことです。

※ミッドポイントとは:簡単に言えば前半と後半をつなぐ橋のようなものであり、方向性を示すものでもあるようです。

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乙一おすすめの作品を12選ご紹介~残酷さと切なさの混在~

1996年なんと17歳の時に「夏と花火と私の死体」で第6回ジャンプ小説大賞を受賞してデビューを果たします。

初期は奇抜なアイデアの短編小説やハートフルなライトノベル中心でしたが、ホラー小説も執筆するようになり作風を広めていきます。

また、作品のメディア展開も数多くされていて映画のみならず漫画、絵本、ドラマ等でも名を馳せています。

そんな乙一氏の作品を刊行順に12選ご紹介させていただきますので、お楽しみください。

《夏と花火と私の死体》

殺人を犯した少女とその兄がその死体を隠そうとする様が、殺された9歳の少女の視点から語られている話です。

終始、殺された少女目線で話が進むあたりは斬新であり、しかも少女に感情はなく、まるで傍観者のように淡々と語られていきます。

最後まで気が抜けないじんわりとした緊張感を持った描写なのでホラーとしての怖さよりも人間としての怖さを感じてしまいます。

収録されているもう一つの作品「優子」は読み手の解釈に幅をもたせた、奥行きのある作品になっています。

《天帝妖狐》

乙一氏の初期作品を2作収録した中編集です。

一作目は「MASKED BALL」という作品であり、学校のあまり使われていない、男子トイレでの落書きに返事を書いたことから始まる話。

顔も分からない相手と壁に書くメッセージを通じて繋がっているという面白さと事件の犯人を見つけるまでのスリル感が楽しめます。

二作目はタイトルにもなっている「天帝妖狐」で、純朴な少女の杏子が夜木という体の至る所が包帯で巻かれた謎の男を助けるところから始まる話。

夜木の孤独感、そして彼に居場所を作ってくれた杏子への深い感謝の気持ちに胸が熱くなります。

乙一氏の作品をあまり知らない方に是非読んでいただきたい2作です。

《暗黒童話》

事故で左眼と記憶を失った女子高生の「私」。臓器移植で新たな左眼を手に入れるのだが、その左目が過去に見てきた記憶を脳裏に再生し始める。

元の自分になれない孤独感や家族や友人の落胆する顔、左眼の記憶に導かれるように旅に出てしまいます。

驚くほど終始暗闇の中に取り残された気分になり、不気味でグロテスクな表現もあり、不安な気持ちになってしまいます。

ミステリーではなくまさしくタイトル通りの「暗黒童話」です。

《死にぞこないの青》

飼育が係になりたかったばかりに嘘をついてしまい、先生に嫌われ、クラスでもいじめられっ子になってしまったマサオ少年。自分から生み出した存在「アオ」と共に復讐を始める。

教師による理不尽ないじめと自分の存在価値を貶められ、おさえていた憎悪が溢れる少年の様子が手に取るように分かります。

「アオ」の登場も不気味であり、日常の生活が少しずつ狂っていく流れは危機感と不安を駆り立てられます。

複雑な気持ちになってしまう作品です。

《きみにしか聞こえない》

切なさや、人の優しさをそっと感じさせる3編からなる短編集。

分かりやすい言葉で書かれていて大変読みやすく不思議な話もありますが、読んでいてほわっとしてしまいます。

どの話も結構重たい内容で最後には胸が締め付けられるが前向きにしめくくられています。

少し不思議で切ない作品です。

《暗いところで待ち合わせ》

目の見えない女性が一人で暮らす家に、殺人の容疑をかけられた男が住みつくという話。

全体的に静寂な雰囲気で話が進み、お互いが少しずつだが心を通わすようになっていきます。

誰もが感じる孤独感や社会的に生きづらく計り知れない苦しみが続こうとも、たった一つの出会いが燈明を照らすこともあるということが分かります。

心が温まる作品です。

《平面いぬ。》

ファンタジーホラー4編「石の目」「はじめ」「BLUE」「平面いぬ。」を収録する傑作短編集。

どの作品もファンタジー要素を含んでいて序盤にはミステリアスなホラー感を出しながら終盤にかけては切なく感動に満ちた終焉へと導いています。

現実にあるはずのないものがキャラクターとして描かれていて、そのどれもが主軸を担っているのが分かります。

不思議に楽しめる作品です。

《失はれる物語》

表題作「失はれる物語」を含む8編からなる短編集。

現実の中にありえそうな話やファンタジー色の強い話が詰まっていて乙一氏らしさが色濃く出ています。

心の中の電話で繋がった絆、事故に遭い右腕の皮膚感覚しかない男の世界、引っ越した部屋には以前住んでいた女性の優しい幽霊、線路で自殺した美女の死の真相等、どれもこれも興味を引く話です。

乙一氏の話のタネの目の付け所に驚いて感服してしまいます。

《GOTH-夜の章》

残酷な事件に興味のある悪趣味な若者、”僕“と”森野夜“が関わる3編からなる短編集。

この二人は殺人や死に興味があるだけで正義感はなく、犯人を捕まえることなどしません。

そして何の変化もなしに元の日常に戻っていきます。主要登場人物は一様に狂っているとしか思えません。

不気味な闇の魂を見事に描き切っています。

《GOTH-僕の章》

繋がりのある短編集であり前作「GOTH-夜の章」の後編の3編です。

この世には殺す人間と殺される人間が存在し、そう自覚する”僕″に焦点をあてています。

相変わらず殺人の際の描写はリアリティ感があり、場面の描き方が斬新でまるで漫画を見ているようです。

乙一氏、独特のミステリーが堪能できます。

《ZOO1》

ミステリーやホラー等ジャンルがミックスされた5編からなる短編集。

それぞれの作品のテイストが微妙に異なり、読んでいても全く飽きがこない描写です。

中でも人気のある「Seven rooms」は確かに何とも言えない迫力に満ちているし、「陽だまりの詩」は寂寥感と清涼感に満ちあふれています。

ブラック加減が秀逸です。

《ZOO2》

ZOO1同様のジャンルがミックスされた6編からなる短編集。

同じ作者が書いた作品とは思えないほどの乙一氏の引き出しの多さに驚いてしまいます。

ホラーチックの話が多いと思っていたらいきなり笑えるような少しユニークな作品があったりと飽きさせない工夫が凝らしてあります。

乙一ワールドが堪能できます。

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まとめ

残酷さと切なさが混在した、乙一氏の作品はいかがでしたでしょうか。

一度、作品に足を踏み入れるともう脱け出れなくなってしまいます。

読んでいない作品がありましたらこの機会に読んでみてください。

読書ライフが広がりますよ。

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