誰にも真似できない発想力を持った、加藤実秋氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。
1966年、東京生まれで、1996年に映画「天使の涙」のノベライズを発表し、1998年講談社X文庫ティーンズハートから、少女小説の「トゥモロウトゥディ」という作品を発表します。
そして、2003年、37歳の時に、「インディゴの夜」という作品が第10回創元推理短編賞を受賞して、本格的に作家デビューを果します。
加藤実秋おすすめ8選をご紹介~独特の着眼点で読者を魅了~
また、「インディゴの夜」をシリーズ化したものは、テレビドラマ化、舞台化、漫画化されていて、絶大な人気を博しています。
加藤氏の日頃の鋭い観察眼と独特の着眼点や、誰にも真似のできない発想力が、読者を惹きつけているのです。
そんないつも魅力に溢れている加藤実秋氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。
1、『インディゴの夜』
インディゴの夜シリーズの第一弾であり、ホストクラブで起きる様々なトラブルをホスト達の能力をいかして、主人公である三十路の女性ライターの高原晶が解決していく連作短編集です。
歌舞伎町や六本木などの王道のホストクラブとは一線を画した、渋谷に店を構える少し風変わりなホストクラブ「club indigo」をベースに事件が起こります。
ここがポイント
ホスト達は源氏名も個性的であり、見た目も、もっとファンキーなのでが、若者特有のノリと団結力そして、横のつながりで事件を解決していく様は爽快感が味わえます。
渋谷の風景が魅力的に描かれていて、訪れてみたくなってしまいます。
平素な短文が連なっていますが、それでいて疾走感があり、とても読み易い作品です。
2、『チョコレートビースト インディゴの夜』
インディゴの夜シリーズの第二弾であり、前作と同様に主人公が個性豊かなインディゴのホストたちと共に、舞いこんできた事件を解決していく話です。
前作は事件に巻きこまれていくような感じの展開でしたが、今作は自分から事件へと、首を突っ込んでいく展開になっています。
ここがポイント
新たなホストのメンバーも加わり、ますます面白くなっていて、都会の闇の部分を象徴するような描写にも、鋭さを感じてしまいます。
安定した面白さが堪能できる作品です。
3、『ホワイトクロウ インディゴの夜』
インディゴの夜シリーズの第三弾であり、今回はインディゴのホスト目線で描かれている短編集です。
シリーズを重ねるほどに面白さが増してくる作品であり、今回はホスト達が個々に活躍し、三話までの話が最終話に繋がり、全編を通して楽しむことができます。
大改装することになったインディゴ、仮店舗探しに晶が奔走する中、ホスト達が事件に巻きこまれていくのです。
ここがポイント
ホスト達の思わぬ日常が垣間見れたり、キャラが別の話にリンクしている面白い仕掛けもあり、楽しめます。
スキマ時間に軽く読めて、楽しめる作品です。
4、『モップガール』
モップガールシリーズの第一弾であり、事件・事故現場などの特殊清掃も行う清掃会社で働くこととなった、桃子という女の子が主人公の話です。
事件現場を訪問し清掃いていく中で、被害者からのメッセージを感じ取れるようになり、仲間と事件の謎解きをしていきます。
桃子の不思議な能力は、事件現場の清掃中に突然おきるフラッシュバック、そして桃子に異変が起き、ある時は視覚に、ある時は味覚や臭覚に、そして皮膚感覚にも起こるのです。
事件の真相が突き止められるまで、桃子に起きた異変は回復しないのです。
ここがポイント
コミカルなのに、ミステリー要素が味わえる作品です。
5、『メゾン・ド・ポリス退職刑事のシェアハウス』
メゾン・ド・ポリスシリーズの第一弾であり、退職警察官専用のシェアハウスである「メゾン・ド・ポリス」の住人達と、新米刑事の牧野ひよりが事件に挑む話です。
退職後の生活と家族の在り方、高齢者の就労、生きがいなど、ライトなミステリーでありながら、現代社会の課題が浮き彫りにされているような感覚になってしまいます。
事件に関しても、器物破損から殺人事件、政治絡みに至るまで、幅広く本格的なのです。
ここがポイント
何よりも強い個性のキャラクターと、年齢を感じさせない頼もしい、おじ様たちのやり取りが面白く描かれています。
続巻が楽しみな作品です。
6、『メゾン・ド・ポリス2退職刑事とエリート警視』
メゾン・ド・ポリスシリーズの第二弾であり、牧野ひよりはメゾン・ド・ポリスに住むおじ様たちと息もあってきて、チーム力を発揮していき、事件に挑む話です。
今回は、ひよりの父が失踪した理由を追いながら、様々な事件の犯人を挙げていき、最終話で父の失踪に関する謎が明らかになっていきます。
ここがポイント
とにかく、バイタリティー溢れまくりのおじ様たちの勢いに引きずられるように、ひよりが日々成長していく姿が分かります。
連作短編形式になっていて、サクッと読めるエンターテインメントです。
7、『メゾン・ド・ポリス3退職刑事とテロリスト』
メゾン・ド・ポリスシリーズの第三弾であり、シリーズ初の長編であり、爆弾テロリストとの対決する話です。
苦手なベテラン捜査員とコンビを組むことになった、ひよりなのですが、何かやりにくそうに感じてしまいます。
テロリストの仕掛ける爆弾に翻弄される、ひより達ですが、今回も頼もしいおじ様軍団と団結して事件解決に挑んでいきます。
ここがポイント
いつもながらのテンポの良い展開と、最終的なハラハラドキドキ感は、かなり楽しめます。
長編になった事で、ライトな味わいがさらに増した作品です。
8、『メゾン・ド・ポリス4殺人容疑の退職刑事』
メゾン・ド・ポリスシリーズの第四弾であり、殺人容疑をかけられて勾留されたメゾン・ド・ポリスのおじさん、迫田さんの話や夏目さんの過去にも迫った結構ハードな内容になっています。
拘留された迫田さんの状況は大変不利であり、おじさん達は真実を突き止めるために、捜査に乗り出していきます。
また、夏目さんの件では、謎が多く本人が口を閉ざしてきた過去にメゾン・ド・ポリスの面々が絡んでいきます。
ここがポイント
正しいことを行うことが、これほどまでに困難を極めることなのかという事に、気付かせてくれます。
心地良い読書が満喫できる作品です。
まとめ
加藤実秋氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
加藤氏の独特の着眼点や発想力が実感できますよ。