本格ミステリーを描く、東川篤也氏のおすすめ作品10選をご紹介させていただきます。
大学卒業後、一般の会社に就職するも、26歳で退社してアルバイトなどをしながら執筆活動を続けていきます。
そして2002年に執筆した「密室の鍵貸します」で、有栖川有栖氏の推薦を受け、本格的に作家デビューを果たします。
東川篤哉おすすめ10選をご紹介~ユーモアを交えたミステリー~
インターネットや携帯電話を使ったことがないそうで、情報収集は、もっぱらテレビや新聞だそうです。
作風としてはユーモアのある掛け合いや、ギャグを作品に多く織り込んでいて、いわゆるユーモア・ミステリーが主流となっています。
そんな東川篤哉氏のおすすめ作品を刊行順に、10選ご紹介いたしますのでお楽しみください。
1、《密室の鍵貸します》
烏賊川市シリーズの第一弾であり、しがない貧乏学生が密室殺人に巻き込まれてしまう話になります。
登場人物は皆、個性的で面白く、全体的にコミカルな感じで、ストーリーは展開していきます。
ここがポイント
軽い文体にも拘わらず、トリック自体は本格的に駆使されていて、かなり楽しむことができます。
軽い文体なのに、本格ミステリーが味わえる作品です。
2、《密室に向かって撃て》
烏賊川市シリーズの第二弾であり、警察の失態で持ち逃げされた拳銃で、次々に事件が起こる話になります。
登場人物が個性豊かに描かれていて、笑える要素も満載で、尚且つ、刑事と探偵の攻防も面白くなっています。
ここがポイント
笑いを誘う内容ですが、トリックはしっかりと練られているので、楽しめます。
伏線の張り方と、回収に納得する作品です。
3、《完全犯罪に猫は何匹必要か?》
烏賊川市シリーズの第三弾であり、寿司チェーンの社長から、いなくなった、飼い猫の捜索を依頼される話になります。
しかし、その依頼の直後、社長は自宅のビニールハウスで殺害されてしまうのです。
ここがポイント
相変わらずのユーモア感が満載ですが、いつもよりもミステリー色が濃くて、トリックもかなり難解になっています。
ふざけたタイトルですが、かなり完成度の高いミステリー作品です。
4、《探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて》
天才少女探偵アリサと、うだつの上がらない30男の迷コンビが、難事件に挑む話になります。
ユーモアミステリーの形をとっていますが、本格推理顔負けの部分も多分にあり、面白くなっています。
ここがポイント
会話がとても軽快で、時々笑えるところもあり、何よりも二人の軽妙な掛け合いがツボにはまってしまいます。
ほっこりさせてくれる作品です。
5、《館島》
瀬戸内海に浮かぶ孤島の銀色の館で起きた、殺人事件に女探偵と若手刑事が挑んでいく話です。
ここがポイント
クローズドサークルものであることも忘れてしまいそうになるほど、軽いノリであっさりと読むことができます。
ミステリーとしても、かなり解り易くなっていて、巧妙に仕掛けられた伏線もあり、楽しむことができます。
気分転換にうってつけの素晴らしい作品です。
6、《交換殺人には向かない夜》
烏賊川市シリーズの第四弾であり、交換殺人に挑む、探偵や刑事たちの話になります。
相変わらずの笑いを随所にちりばめながら、ストーリーは展開していきます。
ここがポイント
しかし一旦、謎解きの部分に入ると、本格ミステリーのような展開になり、伏線が巧妙に仕掛けられているのが解ります。
爽快な気持ちよさを味わえる作品です。
7、《殺意は必ず三度ある》
鯉ヶ窪学園探偵部シリーズもので、野球部のベースが盗まれ、その後、野球部監督が死体となって発見される話になります。
「野球見立て殺人」と名付けられたその事件に、鯉ヶ窪学園探偵部の三バカが挑んでいきます。
ここがポイント
頻繁に野球ネタも織り込まれていて、大胆不敵なトリックも含めた、とても楽しいミステリーです。
野球好きには堪らない面白さがあじわえる作品です。
8、《ここに死体を捨てないでください》
烏賊川市シリーズの第五弾であり、妹が犯した殺人の死体を姉と青年が捨てに行く話になります。
死体遺棄という物騒な犯罪でありながらも、あまり深刻さを感じさせない展開です。
ここがポイント
いつもながらの軽快な登場人物同士の会話と、最後まで予想のつかない展開にページをめくる手が止まりません。
犯行トリックに凝った作品です。
9、《謎解きはディナーの後で》
お嬢様が刑事で、その執事が難事件を解決に導く、安楽椅子探偵の話が6編綴られている連作短編集になります。
ここがポイント
二人の掛け合いが大変面白く、繰り出される推理は荒唐無稽に見えますが、ギャグの中にも緻密な伏線やミスリードが多くみられます。
明快な文章なので、謎解きを練習問題を解くような感覚で楽しむことができ、かなり満足できると思います。
ミステリーを気楽に楽しめる作品です。
10、《探偵さえいなければ》
烏賊川市シリーズの第八弾であり、ユーモアミステリー5編からなる連作短編集になります。
全体のストーリー展開はバカミスのようでありながらも、トリックはいつも通り堅実に練られています。
ここがポイント
軽いノリでありながらも、きちんと抑えるところは抑えているので、本格ミステリーとしてもかなり楽しめます。
ユーモアミステリーの良さが解る作品です。
まとめ
東川篤哉氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。
従来のミステリーとは少し違った、ユーモアミステリーを堪能していただけと思います。
読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
あなたの読書の楽しみが広がると思います。