人間模様が堪能できる、西澤保彦氏のおすすめの作品を10選ご紹介させていただきます。
西澤氏の作風はSF的な特殊設定の本格ミステリー・安楽椅子探偵もの・青春ミステリー・変態性癖や人間の狂気を全面に出したものなど実に多彩です。
また質より量を重要視していて作品は60作を超え、現在もコンスタントに作品を発表し続けています。
この記事の目次
西澤保彦おすすめの作品10選をご紹介~本格ミステリーとSFの融合~
一般的には西澤氏はSFミステリー作家として有名であり、代表作の「七回死んだ男」はSF設定ミステリーの金字塔として有名です。
シリーズものもたくさん執筆していて、多彩で意欲的な姿勢が西澤ミステリーの読みどころとなります。
そんな西澤氏の厳選したおすすめの作品を10選ご紹介させていただきます。
《解体諸因》
九つの章で構成された、バラバラ殺人を妻財にした連作短編集です。
ここがポイント
何故死体をバラバラにしたのかということに、視点をあてて挑んでいく話です。
バラバラ殺人をあらゆる角度から検討して、何故死体は解体されたのかを当たり前の論理を外して調査していきます。
バリエーションが豊富なバラバラ殺人事件の真相を十二分に堪能できる、今までに類を見ない作品です。
《彼女が死んだ夜》
四国の架空都市を舞台に繰り広げられる様々な事件に挑んでいく、匠千暁(タック&タカチ)シリーズです。
女性の死体の後始末を依頼されたタック達が、連続殺人事件の解決に乗り出し、推理ゲームさながら真相に迫っていきます。
ここがポイント
軽快でユーモラスなストーリー展開ですが、本格ミステリーの路線を外れることなく西澤氏の意図が伝わってきます。
思考の道筋もハッキリしていて、きちんと騙してくれる作品です。
《七回死んだ男》
ここがポイント
タイムスリップとミステリーを融合した話です。
主人公の少年がきっかり24時間を9回繰り返す、「反復落とし穴」体質という設定でストーリーは展開していきます。
そして祖父が死んでしまう事件を回避するために、少年は必死に助けようとするが、がうまくいかない。
終盤の展開は予想できなく、非現実的なSF要素と論理的な本格推理が、うまく融合していて納得してしまいます。
しかし、ラストのどんでん返しには驚かされます。
《人格転移の殺人》
大地震によって6人が逃げ込んだ先は、人格を入れ替える実験施設だったという話です。
ここがポイント
人格が複数の人間の間で次々に転移していき、誰の人格なのか分からなくなってしまいます。
SF設定にもかかわらず、読者への挑戦が用意されている、本格ミステリーです。
ラストの心温まる素敵なオチに納得する作品です。
《瞬間移動死体》
妻の殺害を企むヒモ同然の婿養子が、テレポート能力を利用して殺害しようとする話です。
しかし殺されたのは金髪の見知らぬ男、超能力と言えども欠陥があって、それを補うために四苦八苦する様子が面白可笑しく描かれています。
ここがポイント
とてもコミカルでテンポよく読み進んでいけて、伏線の張り方が絶妙な作品です。
《スコッチゲーム》
匠千暁シリーズの第四長編であり、二年前、高校の女子寮で起きた殺人事件にキャンパス4人組が挑んでいく話です。
現在のタカチの心を縛る重くて、やるせない事件が明らかになっていきます。
ここがポイント
とにかく人間関係について、かなり深く考えてしまう作品です。
《依存》
匠千暁シリーズの第五長編であり、タックの衝撃的な発言からスタートする話です。
過去と現在の場面が交互に語られて、お決まりの謎を推理したりしてストーリーは展開していきます。
ここがポイント
ゆがんだ愛情や執着などもあり、背筋がゾクッとする怖さもあります。
長編ですが長さを感じないくらいの面白さが満載です。
タイトルの意味がずっしりと響く作品です。
《神のロジック 人間(ひと)のマジック》
世界各国から集められた6人の生徒が暮らす、陸の孤島である、謎の学校で起こる様々な話です。
意図不明の推理ゲームが実習であったりと、とにかく謎につつまれた環境下で様々な出来事が起こります。
ここがポイント
中盤から一気に事件が展開していき、著者の「人格転移の殺人」を彷彿させます。
最後まで目が離せない作品です。
《腕貫探偵》
7編からなる連作ミステリー短編集であり、腕貫が似合う市役所の奇妙な男が探偵役を務める話です。
日常の小さな事件や疑問などに対して、腕貫さんが解決のヒントをくれたりして、ストーリーは展開していきます。
ここがポイント
コミカルな話が多い中にも重厚で悲惨なラストの話もあったりと、メリハリがきいていて、面白い展開になっています。
スキマ時間に読むにはいい作品です。
《身代わり》
匠千暁シリーズの第六長編であり、シリーズ最大の危機「依存」を乗り越えようとする、4人が新たな事件に遭遇する話です。
ソネヒロの殺害事件と、タックの高校時代の同級生の明瀬が女子高生と共に遺体となって発見された、二つの事件を軸に話は展開していきます。
ここがポイント
論理パズル的なミステリーであり、話は二転三転する構成で推理の道筋が緻密に書かれていて、面白く読める作品です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。西澤氏の多彩な作品は楽しんでいただけましたでしょうか。
この機会に読んでいない作品があれば是非、読んでみてください。
あなたの読書ライフが広がると思います。