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宇月原晴明おすすめ作品7選をご紹介~幻想が現実を生み出す~

様々な題材を組み合わせて描く、宇月原晴明氏のおすすめの作品7選をご紹介させていただきます。

早稲田大学文学部日本文学科卒業後、出版社に勤務し、当初は現代詩手帳を中心に、現代詩の作家、批評家として活動をしています。

また、大学在学中は、早稲田文学に重松清氏らと一緒に、携わっていました。

1999年に本名の永原孝道名義で発表した「お伽ばなしの王様 青山二郎論のために」という作品が、第6回の三田文学新人賞を受賞します。

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宇月原晴明おすすめ作品7選をご紹介~幻想が現実を生み出す~

その後、宇月原晴明名義で発表した「信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス」という作品で、日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、再デビューを果たしています。

2006年には、「安徳天皇漂海記」で、第19回や山本周五郎を受賞しています。

宇月原氏の作品は平穏で凪いだ文章にも拘わらず、波瀾万丈な内容の物語を描き、読者を虜にしています。

そんな宇月原晴明氏のおすすめの作品7選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』

織田信長は、ローマ皇帝ヘリオガバルスと同じ神を信じ、しかも両性具有者であったという設定で、描かれる話です。

大戦前夜のベルリンで、ヘリオガバルスを研究しているアントナン・アルトーの元へ不思議な日本人青年の総見寺が訪れ、信長とヘリオガバルスの共通点を示唆するのです。

納得のいくその話に取り込まれ、様々な文献を調べ、総見寺の話も何度も聞き、ある日、ある男の前でそれについての論議を繰り広げるのです。

ここがポイント

信長の意図、明智光秀の裏切りの真実、豊臣秀吉の心中など、伝記でありながら、真実だったのではないかとすら感じる物語の運びの素晴らしさに引き込まれてしまいます。

活き活きとした描写は、知識や理論の壁を越えた熱量で、大いに愉しませてくれる作品です。

2、『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』

安土桃山時代、関白となり、聚楽第に入った豊臣秀次が、果てるまでを山場にした絢爛たる伝奇小説です。

伴天連の錬金術師と手を組んだ豊臣秀次と、それを止めようとする秀吉、日本史にキリスト教史、錬金術、グノーシス異端といった要素を取り込んで再構築した展開で、相変わらず耽美で、狂おしい世界観に圧倒されてしまいます。

ここがポイント

マニエリスム期に花開くグロッタが、聚楽の地下に出現するとは、思いもよらぬ想像力であり、グロテスクの語源であるグロッタで繰り広げられるバトルシーンは、目も眩むほどの豪奢で、グロテスクな描写で、戦慄のクライマックスが味わえます。

加えて今作では、信長亡き後の秀吉・家康の空虚や、死の間際の秀吉の哀しさなど、人間描写が印象的な作品です。

3、『黎明に叛くもの』

戦国時代の梟雄・斎藤道三と松永久秀をイスラム教の暗殺教団の技術を受け継ぐ兄弟弟子として描いた話です。

イスラーム伝来の暗殺術・呪術・麻薬毒薬・傀儡を駆使し、兄弟子である斎藤道三と共に、戦国の覇者となるべく、一介の河原者から戦国の世をのし上がっていく松永久秀の姿があったのです。

しかし、覇王・織田信長の輝きに、いつしか斎藤道三が屈し、久秀自身も掠れていき、それでも必死に抵抗していったのです。

自ら逃れたはずの波山の法に囚われ、嫉妬に絡めとられ、他の多くの者を巻き込みながら、滅していく久秀の姿に涙してしまいます。

ここがポイント

全てを理解した末期の時、久秀の胸に去来したのは、どのような感情だったのでしょうか。

素晴らしい喜悲劇の作品です。

4、『天王船』

「黎明に叛くもの」の4編からなる外伝的短編集です。

ここがポイント

それぞれ松永久秀初の暗殺と、自動人形との出会い、久秀と信長の初対決、後日譚、前日譚を描いて、全部本編をイイ感じに補足しています。

基本的には、本編ありきの物語であり、単品としては、宙に浮いた感じの話が多めですが、そんな中、波山がまだ日本へ渡る前の前日譚的ストーリーである「波山の街」は、「安徳天皇漂海記」にも繋がる内容で、伝奇色も多めで、かなり強烈さを感じます。

短編でも幻想的な世界観を十分に堪能できる作品です。

5、『安徳天皇漂海記』

平家の滅亡とともに壇ノ浦に入水し、非業の死を遂げたはずの安徳天皇が、実は「神器」に守られていたという話です。

第一部の「源実朝編」で、幼いまま神器の中で、生き続ける安徳天皇が、流転の後に、源実朝の元にやってくるのです。

安徳天皇に対する設定はかなり奇抜ですが、そのことが、源実朝や幕府に影響を与えていく様子が、見所となり、楽しませてくれます。

マルコ・ポーロを中心に展開する第二部は、さらにすごいことになっていきます。

ここがポイント

様々なテキストを引き、歴史的な人物や事項が散りばめられているとはいえ、煙にまくような空想の数々に読者を迷いこませる作品です。

6、『廃帝譚』

「安徳天皇漂海記」の外伝であり、遺された混沌たる水蛭子の玉の行く末を紡ぐ、4編からなる短編奇譚集です。

無常の理を持って描かれる大元帝国、明朝の落陽、もの悲しい最期に隣国の戦乱と統治の歴史を見ました。

悲運の公主の奇跡と清朝の神秘を排した帰結も上手く、描かれています。

後鳥羽院の苦悩を描く末章(大海絶歌)は、時代に翻弄された義兄弟の愛憎と、哀愁に心が打たれてしまいます。

幻想的で荒唐無稽な話であることには間違いないのですが、頂点に立つ人の限界と苦悩が痛い程分かります。

人間的であればあるほど、行き詰ってしまう未来を読むと切なくなってしまいます。

ここがポイント

人の持つ一番単純な身内に対する愛着を、普通に育めない人たちの感情が空回りしているような感じが、もどかしく思います。

その手にあったはずの国を無くす帝の情念が、描かれている作品です。

7、『かがやく月の宮』

日本で最も古い物語と言われている「竹取物語」に、後世に伝えられたものとは、似ても非なる異本があるという奇想天外な話です。

主人公の女性は、自分が執筆しようとする物語の導入部に悩み、父から譲り受けた「輝く月の宮」を紐解いていくのです。

ここがポイント

そこには、かぐや姫に求婚する五人の公達のそれぞれの事情や、末路だけでなく、禁裏の奥深くにいながら、次第にかぐや姫に惹かれていく帝の深い孤独が、描かれていたのです。

物語が進むにつれ、かぐや姫の謎は、西域の伝説や日本の神話にまで繋がり、いくつかの物語を同時に読んでいるかのような不思議な感覚に陥ってしまう作品です。

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まとめ

宇月原晴明氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

歴史上の出来事を違った視点から捉えた作品は、さぞかし驚かれたと思います。

まだ読んでいない作品がありましたら、この機会に是非読んでみてください。

今までの歴史の概念が覆るかもしれません。

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