青春時代の恋愛や心の傷を描く、櫻いいよ氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。
奈良県出身で、大阪府在住であり、2012年に刊行した「君が落とした青空」という作品が、累計15万部を突破する大ヒット作となり、小説家デビューを果します。
2015年には、本作品は、スターツ出版文庫の創作3作品の一つとなり、映画化もされ、2022年2月に公開されています。
櫻いいよおすすめ作品8選をご紹介~青春の一コマを描写~
直近の話題では、「交換ウソ日記」という作品が、2020年にTikTokで話題を集め、シリーズ化され、コミカライズ展開も好調で、2021年には、野いちごジュニア文庫化もされ、シリーズ累計発行部数は65万部を突破しています。
また、本作品は映画化もされ、2023年7月に公開されています。
青春の心の傷や葛藤を描く、小説世界にはファンが多く、近年は児童文学の執筆など、活躍の場を広げています。
そんな櫻いいよ氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみ下さい。
1、『君が落とした青空』
交際中の高校生の実結と修弥、ある日修弥が交通事故に遭い死んでしまい、それから何度も、実結の中で、その日の朝から修弥が交通事故に遭うまでの一日が繰り返される話です。
些細なことから、すれ違いが始まり、言いたいことも上手く伝えられなくなっていた、二人だったのです。
交通事故に遭った修弥を救おうと、あがくことを何度も繰り返すうちに、実結は、修弥の本当の想いに段々と気付いていくのです。
自己完結せずに、あの時、話していれば、一歩踏み出していれば、気付けたことは、たくさんあったのです。
ここがポイント
そして繰り返す日が7日目を迎えた時、二人を待ち受けていたのは、予想もしない結末だったのです。
切ない中にも、後悔しないようにと考えさせられる作品です。
2、『交換ウソ日記』
勘違いから始まった、ウソの交換日記の恋物語です。
移動教室の机の中にあった「好きだ」と書かれたメモを見つけた希美は、人気者の瀬戸山と交換日記を交わすうちに、人違いだということが分かったのに、言い出せず、交換日記を続けてしまうのです。
相手のことがどんどん好きになってしまい、苦しくて仕方ない希美は、それでも止められずに続けてしまうのです。
内気で自分の意見が言えず、周りに合わせてしまう希美と、人気者で、言いたいことは、はっきりと口にするタイプの瀬戸山。
ここがポイント
勘違いから始まった恋で、まるで正反対の二人ですが、却ってそれが良かったのかもしれません。
思い遣りのある、ウソを感じてしまう作品です。
3、『交換ウソ日記2~ERINO′S Note~』
前回の主人公である希美の友人、副生徒会長の江里乃が主人公で、ラブソングが綴られたノートを拾ってから、持ち主との交換日記が始まる話です。
江里乃は正義感が強く、真面目で完璧な女生徒なのですが、恋愛に関しては大の苦手であり、告白され、付き合っても、何故か必ずフラれてしまうのです。
ここがポイント
そんな彼女はある日、読んでいるこちらの方が、恥ずかしくなってしまうようなラブソングの歌詞が綴られたノートを拾い、白けた感情を抱きつつも、同時にここまで純粋に誰かのことを想える持ち主のことを羨ましくなってしまうのです。
恋愛のドキドキ、切なさ、甘酸っぱさ、苦い部分などがギュッと詰まっていて、胸を揺さぶられてしまいます。
心情描写に引き込まれてしまう作品です。
4、『交換ウソ日記3~ふたりのノート~』
1作目に登場した瀬戸山君の妹の美久と、幼馴染の景が、くっついたり、離れたりを繰り返しながら、高校生になり、交換日記をする話です。
周りに流されやすい美久と、自分の好きなものしか興味を示さない景の付き合っては別れを繰り返したきた二人が、図書室に置き忘れたノートで、相手を知らないままに、交換日記を始めたことで、お互いの気持ちに気が付いていくのです。
大切な人とそれ以外、他人ほど言葉に責任を持たない場合もあるし、その言葉に傷つくのも辛くなってしまうのです。
ここがポイント
二人の視点が交互に描かれて、物語りが進み、日記を通した理想と現実、そして思い込みに過ぎないことをすり合わせていく様子が、素敵な作品です。
5、『図書室の神様たち』
高校の古い図書室に本を探しに訪れた爽風(さやか)が、そこで「神さまになりたい」という笹木誠という男子に出会う話です。
古い本を探すのが目的だったはずなのに、笹木誠の分け隔てのない性格に、すこしずつ影響されていって、爽風は彼と会うのが段々と楽しみになっていくのです。
誠のとある秘密を知ってから、事なかれ主義の爽風が、自分と周囲を変えていこうとするも、そう簡単にはいかないところが、課題となっていきます。
ここがポイント
彼のことを理解したいと思ううちに、一方的ではなく、人と分かり合えるように成長していくところと、彼女の行動によって何かが変わっていくのです。
同じようなことで悩んでいる人の背中をそっと押してあげられるような作品です。
6、『世界は「」で満ちている』
親友からの裏切りによって、孤立してしまった中学1年生の由加が主人公の5章で綴られている話です。
親友からの裏切りで、好きな人も友達もいなくなり、由加は孤独になってしまうのです。
彼女を支えてくれたのは、不良になったことで避けていた幼馴染の悠真だけだったのです。
ここがポイント
タイトルの「」に入るであろう文字は目次とリンクし、愛→孤独→毒→無知→君と変わっていき、でも最終的には、自分で考え答えを出していかなくてはならないのです。
噂というのは、かってに独り歩きして、周りはそれを信じて、自分が否定したところで、なくなる訳はないのです。
自分で考えて、本当ににそうなのかという、疑問を抱いて、自分で悩んで答えを出して欲しい。
誰かが言ったからと言って、私もそう思うという考えを放棄することだけは止めて欲しいと痛切に感じる作品です。
7、『わたしは告白ができない』
主人公の女子高生、小夜子が、学校で人気の男子、睦月耀に告白しようとするのですが、いつも誰かに邪魔をされてしまう話です。
人の頼みを断ることが出来ない小夜子は、周囲を皆巻き込んでしまう人気者の睦月耀に恋してしまうのですが、告白に踏み切れず、したためたラブレターは82通にも及んで、渡そうと思い持ち歩いていた82通目のラブレターを紛失してしまうのです。
ラブレター紛失事件の真相を突き止めた結果、睦月から風紀部にスカウトされた小夜子が、なかなか告白する機会もないまま、共に解き明かしていく不幸の手紙、盗まれた思い出、公開ラブレターといった謎の数々。
部活動を通じて、少しずつ距離も縮まったように思えましたが、彼女の告白への道のりは、まだまだ、遠そうです。
ここがポイント
ミステリー要素も味わえる、青春恋愛作品です。
8、『世界は「」で沈んでいく』
学校でいじめられていると、両親に誤解されて、田舎の町に引っ越すことになった中二の凛子の話です。
一人の方が気楽でいいと、学校生活を過ごしていたら、先生に心配され、両親にも心配され、転校することになったのです。
凛子は友達を作るのが苦手であり、一人でいる時間を大事に思い、周りに気を遣わせるのも申し訳ないと思ってしまうタイプだったのです。
しかし、相手には協調性がないと思われたり、壁を作っていると、感じられていたのです。
凛子のように自分の気持を伝えるのが苦手で、友達つき合いに気後れしてしまう子は、少なくないのかもしれません。
ここがポイント
人との関り方が苦手で、友達が作れないから、作らないようにしているという苦しさが伝わってくる作品です。
まとめ
櫻いいよ氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非、この機会に読んでみてください。
青春真っ只中のあなた、過ぎ去った青春のあなたもきっと、何かを見つけられるかもしれません。