記事内に広告が含まれています。

おすすめ推理小説 サスペンス一覧(作家別) 短編ミステリー

大山誠一郎おすすめ5選をご紹介~心の機微を絶妙な伏線へ転化~

ミステリーの妙味を描く、大山誠一郎氏のおすすめの作品5選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、2002年に電子書籍販売サイトの「e-NOVELS」に犯人当てミステリ作品「彼女がペイシェンスを殺すはずがない」を発表して注目を浴びます。

そして2004年に「アルファベット・パズラーズ」という作品で、本格的に作家デビューを果します。

同作は2005年版の「本格ミステリ・ベスト10」で第8位にランキングされています。

スポンサーリンク

大山誠一郎おすすめ5選をご紹介~心の機微を絶妙な伏線へ転化~

大山氏はミステリ作家を数多く輩出していることで、知られる京都大学推理小説研究会に入りたくて、京都大学に入学したそうです。

そして、そこは作家になるべく人たちが、切磋琢磨し合うミステリ版「虎の穴」的なところを想像していたそうですが、実際に入ってみると、同期や一級上でも、自分以外に作家志望が居ず、拍子抜けしてしまったそうです。

そんな大山誠一郎氏のおすすめの作品5選をご紹介させていただきますので、どうぞお楽しみください。

1、『アルファベット・パズラーズ』

同じマンションに住む、刑事と翻訳家と精神科医が、上品で切れ者のオーナーの部屋に集まって、推理していくという、短編3作と中編1作からなる連作短編集です。

「Pの妄想」、「Fの告発」、「Cの遺言」、「Yの誘拐」の4編を収めた、まさにパズル的ミステリーの連作集なのです。

条件付きでの事件を提示されて、それを安楽椅子探偵が、解いていくという趣向で物語は展開していきます。

各話のトリックや真相については、それが現実的に実現可能かどうかというよりも、あくまで創作上でこういった可能性が、考え得られるかどうかといったレベルなのです。

論理性よりも、推理の意外性を重視している内容であって、最後のどんでん返しは衝撃的であり、かなり楽しむことができます。

ここがポイント

段階を踏んだロジックの構成には、短編ながらも大きなカルタシスがあり、密度の高さが味わえる作品です。

2、『仮面幻双曲』

双子の弟が整形手術で顔を変えて、兄への復讐を誓うところから、物語はスタートします。

兄の占部文彦の依頼で、滋賀県双竜町を訪れた、兄妹探偵の川宮圭介と奈緒子は、双子の弟、武彦に命を狙われているので警護してほしいと頼まれます。

しかし、警護のかいもなく、兄の占部武彦は殺されてしまい、捜査は進展せず、第二の殺人事件に発展してしまいます。

メインとなるトリックは巧妙なミスリードも相まって、シンプルであるけれども、難解に仕上がっています。

ここがポイント

使い古されたと思っていた、ミステリー小説の「双子トリック」にまだこんなに驚く仕掛けがあることに、驚いてしまう作品です。

3、『密室蒐集家』

密室トリックの醍醐味が、大いに味わえる、時代も場所も異なる、5編からなる短編集です。

密室殺人が起こると、どこからもなく「密室蒐集家」と名乗る人物が現れて、たちどころに事件を解決して、いつの間にか姿を消していなくなってしまうという何とも奇妙な、月光仮面のような人物がいるのです。

時代背景が1937年から始まって2001年までの密室が出現して、楽しませてくれます。

ここがポイント

そしてその約60年以上もの間、その「密室蒐集家」は、事件解決のために出現し続けているのです。

「密室蒐集家」は人ならぬ者には間違いないとは思いますが、名探偵が人間であるべきか否かは、読者の想像に任せて、密室の謎が存分に楽しめる作品です。

4、『赤い博物館』

時効が成立した事件や、迷宮入りした事件の捜査資料を保管する、犯罪資料館で、そこの館長と左遷された刑事が、迷宮入り事件の謎を解いていくという5編からなる短編集です。

ある事件の構図が別の構図に変わり、真相は未解決になるだけあって、複雑で常識から外れたところはありますが、小さな手掛かりから推理を重ねて、二つの構図がきれいに入れ替わる様は見事としか言いようがありません。

ここがポイント

この作品の真意は、真の犯人を突き止めるのは勿論なのですが、それよりも隠された真実や動機が凄く、一話の中で、何度も驚かされてしまいます。

予想外の結末に驚愕してしまう作品です。

5、『アリバイ崩し承ります』

時計屋の主である美谷時乃が、刑事から依頼されたアリバイ崩しをやってのける、7編からなる短編集です。

祖父から時計屋を引き継いだ孫娘、時乃が刑事から事件の内容を聞いて、その事件のアリバイ崩しを五千円で引き受けるのです。

ちょっとした思い込みから、ガッツリと物理を仕込んだものまであり、バラエティーに富んでいて楽しめます。

ここがポイント

そして決め台詞の「アリバイは、崩れました」という言葉は何度言われても、スッキリした気分にしてくれます。

スキマ時間に、パズル感覚で楽しめる作品です。

スポンサーリンク

まとめ

大山誠一郎氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

今までのミステリーとは少し異なる、味わいの違いを感じていただけたと思います。

まだ、読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

読書の楽しみが広がりますよ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

-おすすめ推理小説, サスペンス一覧(作家別), 短編ミステリー

© 2024 サスペンスLIFE