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荒木源おすすめ作品8選をご紹介~滅びのドラマに物語の形を~

分かりやすい文章で描く、荒木源氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

東京大学文学部仏文科卒業後、朝日新聞社に就職し、社会部記者を経て、2003年に「骨ん中」という作品で、作家デビューを果たします。

2010年に、「ちょんまげぷりん」(原題「不思議の国の安兵衛」)とうい作品が、錦戸亮氏主演で、映画化されています。

さらに2015年には、「探検隊の栄光」が、藤原竜也氏主演で映画化、翌2016年には「オケ老人!」が杏氏主演で映画化されています。

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荒木源おすすめ作品8選をご紹介~滅びのドラマに物語の形を~

荒木氏は、中学生の頃から、作家になりたくて、大学も文学部に行ったのですが、小説が思うように書けなかった為、新聞社に就職したとのことです。

ところが記者として、取材を続けるうちに、記者にはできないけれど、形にしたいものが重なっていき、今なら小説が書けると思い、小説家に転身したそうです。

心の隅に夢を持ち続けていれば、いつかは叶うんだと、振り返ってそう思ったそうです。

そんな荒木源氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『オケ老人!』

たまたま耳にしたアマチュア楽団の演奏に感銘を受けた高校数学教師の中島が、勢い余って加入したのは、平均年齢が80歳近い交響楽団だった話です。

入団したのは、高齢な老人ばかりの梅ヶ丘交響楽団(梅響)であり、ドタバタ劇とみんなが成長していく姿が、楽しく描かれています。

序曲を最後まで通して演奏できない梅響と、メンバーを蹴落として、技術向上を目指すもう一つの楽団の梅フィル。

楽しいのが一番大事か、技術向上を目指したいで揉めるのは、オケに限らず、アマチュアの団体によくある問題なのです。

ここがポイント

フィクションなので、そこは面白く、双方両極端に描かれていて、猪突猛進・優柔不断な主人公に、ちょっとした恋バナとロシアのスパイ、第二の主人公である老人たちの行動も笑えたり、しんみりしたりと、ドタバタが楽しめる作品です。

2、『ちょんまげぷりん』

180年前から現代にタイムスリップしてきた侍の木島安兵衛が、シングルマザーのひろ子と一人息子の友也が暮らしている家に転がりこむ話です。

最初は変人の不信な男として、突き放すのですが、行きがかり上、構っているうちに、情けが移り家に置くことになってしまうのです。

安兵衛は、家に置いてもらう代わりに、恩返しにと、家事を身につけ、料理、特にお菓子作りのパティシエとして、非凡な能力を発揮し始め、その才能と、歯に衣着せぬ言動から、マスコミの寵児となっていくのです。

ここがポイント

封建社会のくびきから解き放たれた、彼が得た者とは果たしてそれは、そしてそんな彼から現代人が得た者とは、、、。

誰かに必要とされることは嬉しいことであり、最初から最後まで気持ちよく駆け抜ける娯楽性バツグンの作品です。

3、『探検隊の栄光』

人気番組であるジャングル探検隊の撮影で、ゲリラに囚われたクルー一行が、ゲリラと共に番組を作り上げて、交流を深めていく話です。

コメディかと思いきや、反政府ゲリラに人質にされたり、なのに彼らを説得して、撮影を強行したりと、展開はしっかりとしていて、ゲリラに共感するようになる過程も、お定まりのストックホルム症候群ではなく、相手の境遇を知った上での理解なので、納得がいきます。

ここがポイント

笑いとシリアスの絶妙なブレンドで、登場人物のその後までしっかりと、描かれていて、最初に受けた印象よりも全然きちんとした作品です。

4、『大脱走』

超ブラック企業にやっとの思いで就職した片桐いづみは、飛び込み営業で3年経った後に、入社してきたとんでもない新人、俵の教育と、営業ノルマ達成のために、自ら墓穴を掘ってしまい絶体絶命になる話です。

現実においてもブラック企業は、こういう構造になっていて、人間、過度なプレッシャーを徐々にかけられると、途中から思考停止状態に陥ってしまって、それが当たり前と思い始めてしまうものなのです。

リフォーム詐欺の実態が分かる物語からは、騙された顧客だけでなく、社員もまた被害者なのかも知れません。

ただ訪問営業自体が、時代に沿わない職種に思え、営業手法としての対個人向け商材の難しさを感じてしまいます。

ここがポイント

世にいうブラック企業で働く主人公の間違っていると思いながらも、生きていくためには仕方ないとジレンマに悩まされる姿が痛々しく、働くってどうあるべきかを、考えさせられる作品です。

5、『ヘビメタ中年!』

梅と高校時代にヘヴィメタルバンド・ブラッククローを組んでいたメンバー4人が、三十余年の時を経て、再結成する話です。

当然メンバーは皆仕事に就いていて、結婚して家庭があるメンバーもいるのですが、地元の「ヘビメタ祭り」と銘打ったライブハウスのイベントには定期的に出演しているのです。

切り口としては、面白い曲と、メンバーの組み合わせであり、作中での80年代のメタルを知っている人ならば、ニンマリするバンド名も出てきて、楽しめます。

ここがポイント

音楽だけに留まらず、コンプレックスや恋愛などの話もあり、どの話も夫々に個性が出ている作品です。

6、『独裁者ですが、なにか?』

あの国の変な髪形の指導者や、昨今の東アジアの国際情勢を揶揄した風刺的な話が綴られています。

表紙からも分かるように、北朝鮮のあの方が、主人公のパロディです。

この作品ではあの方にも一族の業があって、悩んでいるように書かれていますが、富を貪り、国民を逼迫させ、近隣諸国に脅威を与えているから理由にはならないのです。

緊張状態は当面続くと思われますが、この事態の収束は、この作品のラストのような結果しかないのかと思ってしまいます。

ここがポイント

彼が孤独な独裁者としても、元々独裁者というのは孤独なものであるし、人を信じられない人間は、孤独にならざるを得ないのです。

あの国の国民の本音が、知りたいと思える作品です。

7、『早期退職』

中堅の菓子メーカーで、営業第二課長を務める主人公の辻本荘平が、早期退職募集のメールと、上司からの肩たたきにより、早期退職するか、会社に残るかということに悩む話です。

辻本は真面目さ故に、疑心暗鬼になり、部下の尻をたたいたり、喫茶店で昔馴染みを前に、涙したり、妻に隠れて再就職や田舎暮らしを調べたりと迷走していきます。

そうこうしているうちに、会社の不祥事が発覚し、円満な早期退職どころではなくなってしまうのです。

ここがポイント

不真面目に見えていた部下が、実は一番、お客様のことを考えていた等、ご都合主義のところはあるものの、エンタメ小説として気持ちよく楽しめる作品です。

8、『残業禁止』

準大手ゼネコンのヤマジュウ建設で、現場事務所長として働く成瀬和正は15階立てホテルの建設中に、残業時間上限規制の支持が舞い込む話です。

現場は人手不足に仕様変更と、成瀬は責任者として無事にホテル建設を期日までに、間に合わせることができるのか。

ここがポイント

今作は働き方改革に視点をあてた作品であり、上と下、会社と依頼者など、板挟みになってしまい、あっちを立てれば、こっちが立たずという、仕事をしていく上でのあるあるな辛さをひしひしと感じてしまいます。

現場と上層部では、温度差が全然違い、噛み合わず、そんな現場での葛藤が、リアルに描かれている作品です。

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まとめ

荒木源氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、この機会に是非、読んでみてください。

読書の楽しみが広がりますよ。

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