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小川哲おすすめ作品5選をご紹介~造形や内面描写をクリアにする~

小説を書くことは建築に通じる部分があるという、小川哲氏のおすすめの作品5選をご紹介させていただきます。

大学院在学中の2015年に「ユートロニカのこちら側」という作品で、第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、作家デビューを果します。

2017年には、カンボジアの現代史を絡めたSF小説「ゲームの王国」で、第38回日本SF大賞を受賞します。

また、同作は第39回吉川英治文学新人賞候補となり、第31回山本周五郎賞も受賞しています。

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小川哲おすすめ作品5選をご紹介~造形や内面描写をクリアにする~

そして2022年に刊行された「地図と拳」が第13回の山田風太郎賞を受賞し、そして同作で翌2023年1月に第138回の直木三十五賞を受賞します。

同作は「このミステリーがすごい!2023年版」で9位、「ミステリが読みたい!2023年版」国内版8位とミステリとしても高い評価を得ています。

そんな小川哲氏のおすすめの作品を5選ご紹介いたしますので、お楽しみください。

1、『ユートロニカのこちら側』

視覚や聴覚、位置情報などのデータを提供する代わりとして、高水準の生活が保障された実験都市を描いた6編からなる連作短編集です。

近未来、自分の情報を全て明け渡す代わりに、仕事をしなくても安心・安全に暮らせる、企業とサンフランシスコ市によって運営される島があるのです。

24時間監視される生活に耐えきれず、病んでしまう人たち、犯罪傾向を察知すれば、犯罪を起こす前に逮捕することが、できる法律なんて、どうなんでしょうか。

その人の意志の変化まで見通せる、AIのようなものに支配されてしまうのでは、ないでしょうか。

ここがポイント

ユートピアを目指すはずが、いつの間にかディストピアになってしまうのかも、しれません。

現実に戻れば、個人情報は既に、管理され始めていて、私たちの未来もこうなっていくのは、疑う余地さえなくなりつつあるのです。

やはり、情報化社会が進化すると、このような世界になってしまうのでしょうか。

2、『ゲームの王国』上・下

上巻は70年代のカンボジアで、ポル・ポト政権が如何にして、成り立ったかを描いた歴史スペクタルものです。

冒頭から引き込まれ、辛い描写も多々ありのですが、先が気になり、最後まで、目が離せなくなります。

ここがポイント

政権奪取後の恐怖政治の凄まじさは、SFというより、あたかも歴史小説を読んでいるかのような錯覚に陥ってしまいます。

下巻は2023年に舞台を移し、カンボジアを理想の国家である「ゲームの王国」にするべく、手段を選ばず権力を握ろうとするソリヤと、脳波を使ったゲームを開発し、活用することで、ソリヤの策略を阻止しようとするムイタックの戦いがメインになっていきます。

物語りの圧倒的なスケールに驚愕する作品です。

3、『嘘と正典』

過去と現在、父と子、隔たれた時間を繋ぐ仕掛けが、特徴的な6編からなるSF短編集です。

マジックと時間旅行の真意に挑む作品や、各馬の系統に隠れた物語、ドイツ帝国の誕生に纏わるifがテーマの作品など、読み応えのある話ばかりです。

ここがポイント

その中でもやはり表題の「嘘と正典」が一番印象的であり、もし、マルクスとエンゲルスが出会っていなかったら、共産主義は生まれず、この世界はどうなっていたのかと、想像力が刺激されてしまいます。

難しい箇所はスルーしつつも、歴史が改変される物語は面白く興味深々になります。

思想的であり、科学的である作者に乾杯したくなる作品です。

4、『地図と拳』

日露戦争前夜から第二次世界大戦終結後までの50年余りにわたり、満州国の架空の都市である仙桃城に引き寄せられた人々を描いた話です。

満州の架空の村、「李家鎮」を舞台に史実に沿った骨太な展開を通じて、日本が何故無謀ともいえる戦争に突き進んでいってしまったのか、そしてそもそも戦争は何故起きてしまうのか、その原点について、筆者なりの視点で描かれています。

細川や須野親子など鍵を握る人物が、多数登場するのですが、確たる主人公がいるわけではないのです。

むしろ歴史に翻弄される架空の都市「李家鎮」、のちの「仙桃城」が主役の物語と言えます。

地図とは国家、拳とは戦争であるのです。

ここがポイント

今も変わることのない、地図と拳が50年余りの歳月を経て、残した者は何なのか。

戦争に翻弄される人の人生、粗末に扱われる命の裏で、懸命に世の中のことを考えている人たちがいたのです。

いまだ、人はどこかにある楽園を、探し続けているかもしれないと思える超大作です。

5、『君のクイズ』

クイズ番組の決勝で、対戦相手が、問題を一言も読まれないうちに正答し、優勝してしまったことに対して、やらせがあったことを疑う主人公が謎を追う話です。

クイズ王の三島玲央は、例えばポスターを見て、ある言葉が目に入ったとしても、クイズ本番では、ストレートにその言葉を思い出すわけではなく、その時考えたことから回答を連想すのだそうです。

しかも解る前にまず回答ボタンを押して、絞られた範囲の中から、秒で答えを引き出すそうで、クイズ王になり得る貴重な理由がそこにあったのです。

その主人公が、ライバルである本庄絆の脳内を分析していくのです。

ここがポイント

この作品を読むことで、超人的なクイズの回答をする人たちの思考回路というものが、少し解明できたような気がします。

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まとめ

小川哲氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

SF界の新鋭の作品は、今までにない、斬新さが味わえます。

まだ読んでいない作品がありましたら、この機会に是非読んでみて下さい。

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