普段目にする、ミステリー小説にも、たくさんのジャンルがあります。
その中でも歴史を題材にした、ミステリー小説12選をご紹介させていただきます。
・教科書の歴史しか知らない。
・歴史にはあまり興味がない。
・時代背景がよくわからない。
このようなご意見や疑問のある方は勿論のこと、初めてミステリーを読む方にも、面白く読むことができるおすすめの歴史ミステリー小説をご紹介させていただきます。
日本の歴史も楽しくわかるミステリー小説12選をご紹介
ご紹介させて頂く歴史ミステリー小説12選は、作者の個人的な見解もかなり入っていて、自分が思っていたものと少し違うかもしれません。
しかし緻密な調査をして書き上げた厳選した作品ばかりですので、歴史のこともかなり分かりやすく解説されています。
この機会に是非楽しんで読んでいただけたらと思います。
①『君の名残を』朝倉 卓也
高校生3人が、激動の平安時代末期へタイムスリップしてしまう話です。
ここがポイント
誰もが知っている歴史上の人物に成り代わり、その時代を生きていく様が描かれています。
長編で読み応えがあり、展開に飽きることなく引き込まれてしまいます。
感動が連続する歴史ミステリー小説です。
②『新装版 猿丸幻視行』井沢 元彦
過去にタイムスリップして、柿本人麻呂の和歌の暗号を解き明かすという話です。
「いろは歌」の謎や伝記的な要素を盛り込みながら、猿丸太夫を祖先とする一族に伝わる暗号解読を中心に、柿本人麻呂の実像に迫っていきます。
ここがポイント
歴史のロマンを体感できると評判で、筆者のデビュー作でありながら、あの「占星術殺人事件」を退けた第26回江戸川乱歩賞受賞作品です。
日本の歴史が好きな方には、珠玉の1冊になると思います。
③『タイムスリップ森鴎外』鯨 統一郎
大正時代から現代にタイムスリップしてきた文豪、森鴎外が自分を殺そうとした犯人を探す話です。
大変テンポよく読めて、文句なしに面白いというレビューが多いのも納得できます。
ここがポイント
鯨統一郎氏の最初のタイムスリップシリーズですが、サスペンス仕立てになっているのが魅力です。
④『タイムスリップ明治維新』鯨 統一郎
続いても鯨統一郎氏の作品で、女子高生が激動の幕末にタイムスリップしてしまう話です。
ここがポイント
読んでいて、思わず吹き出しそうになる場面が多々ありますが、明治維新とはなんぞや、新選組とはなんぞやという歴史上の事柄が大変分かり易く描かれています。
細かいことは抜きにして、面白く読める歴史ミステリー作品です。
⑤『タイムスリップ水戸黄門』鯨 統一郎
またまた鯨統一郎氏の作品で、過去から現代に悪を裁く為にタイムスリップしてきた、水戸黄門が活躍する話です。
面白くて退屈しなかったという読者が多いのも頷けます。
ここがポイント
社会風刺も沢山有り、スカットして気持ち良く仕上がっています。
読書でリラックスしたい時には、おすすめの1冊です。
⑥『写楽殺人事件』高橋 克彦
謎の浮世絵師、東洲斎写楽の秘密に迫るミステリーです。
ここがポイント
写楽の正体と、現実に起きる二つの事件の謎解きが絡み合って、何とも複雑なストーリー展開になります。
浮世絵に詳しくなったような気分が味わえ、謎解きもすこぶるロジカルに展開していきます。
第29回江戸川乱歩賞を受賞した作品であり、著者のデビュー作です。
後半に待っている怒涛の展開に、ただ驚くばかりです。
⑦『北斎殺人事件』高橋 克彦
葛飾北斎は隠密だったという仮設を立てて、展開していく話です。
ここがポイント
北斎=隠密説を立証すべく、若手の研究者が様々な調査を行い、その真髄に迫っていきます。
歴史上の人物や史実を分かりやすく解説しているので、納得して読むことができます。
日本推理作家協会賞を受賞しており、真の歴史ミステリー小説と言えます。
⑧『広重殺人事件』高橋 克彦
歌川(安藤)広重は、暗殺されたのかということがテーマであり、現代の殺人事件の謎にも絡んでいく話です。
ここがポイント
コレラで亡くなったとされている広重ですが、実は殺されたのではないかという仮説を立て、検証していきます。
歴史の部分の解説が詳しくされているので、時代背景もよく分かります。
なんとなく切ないミステリーに仕上がっていて、読み応え抜群な作品です。
ご紹介させて頂きました⑥⑦⑧の高橋克彦氏の作品は、「浮世絵三部作」と呼ばれていて、かなり人気があります。
⑨『南朝迷路』高橋 克彦
後醍醐天皇の隠した財宝にからみ、発生する殺人事件の話です。
推理作家と雑誌の編集者が、取材で訪れた隠岐島で、後醍醐天皇の隠し財宝伝説と殺人事件を偶然にも耳にし、それに巻き込まれて、隠岐、吉野、長野、青森と南北朝争乱の悲話を追いかけていきます。
ここがポイント
歴史を知らなくてもさらりと読める内容であり、トラベルミステリー風に仕上がっています。
エンディングは意外にあっさりしていますが、歴史に隠されたロマンが味わえる作品です。
⑩『信長の棺』上・下 加藤 廣
本能寺の変で殺害された、織田信長の遺骸はどこへ消えたかという、謎を追う本格歴史ミステリーです。
一般的に知られている織田信長が明智光秀によって殺害されたということではなく、違った側面からの描写になっています。
著者の独特な筆致で、今までとは違った歴史の捉え方に驚きを隠せません。
ここがポイント
織田信長の死を、新しい視点から捉えた作品です。
⑪『神無き月 十番目の夜』飯嶋 和一
関ヶ原の戦いの2年後に発生した、ある村で起こる惨劇を描いた話です。
一村皆殺しという、何とも残忍な結末を迎えるまでの経緯をあらゆる立場の人物に焦点をあてて、描かれています。
ここがポイント
大変読み応えがあり、時代小説の真髄を崩さずミステリーとしての要素も多分に含んでいます。
飯嶋和一氏の執筆するものにはハズレはないと言われる程ですので、必読の書には間違いありません。
⑫『QED百人一首の呪』高田 崇史
殺人事件が絡む百人一首の謎を解き明かしていくという、ミステリーです。
会社社長が自宅で一枚の札を握りしめて惨殺されたが、関係者には皆アリバイがあったのです。
不可能犯罪だと思われたその謎を博覧強記の薬剤師である、桑原が挑んでいきます。
ここがポイント
謎解きのシーンはかなり読み応えがあり、百人一首の面白さが十分に味わえます。
デビュー作にして第9回メフィスト賞を受賞していて、歴史が苦手な方でも、楽しみながら読むことができる作品です。
まとめ
いかがでしたでしょうか、ご紹介させていただきました作品は歴史のことを、楽しく面白く読んでいただけるような厳選したものばかりです。
是非、この機会にミステリーを通して日本の歴史に触れてみて下さい。