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半藤一利おすすめ10選をご紹介~あの時、何が起きていたのか~

昭和史研究の第一人者である、半藤一利氏のおすすめの作品10選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、文藝春秋新社に入社し、「週刊文春」、「文藝春秋」編集長、専務取締役を経て、作家となります。

1965年、太平洋戦争終結を決定した、1945年8月15日正午までの24時間を描いた、「日本のいちばん長い日 運命の8月15日」という作品を大宅壮一名義で刊行し、ベストセラーとなります。

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半藤一利おすすめ10選をご紹介~あの時、何が起きていたのか~

作家であり、ジャーナリストの半藤氏は、昭和史研究で知られていて、数々のノンフィクションを手掛けています。

1993年「ノモンハンの夏」という作品では、山本七平賞を受賞し、2006年には、「昭和史1926~1945」、「昭和史戦後編1945~1989」で毎日出版文化賞特別賞を受賞しています。

2015年には、吉永小百合氏らと共に菊池寛賞を受賞しています。

しかし、2021年、1月12日午後、自宅で倒れているのが見つかり、死亡が確認され、90年の生涯に幕を閉じています。

そんな昭和史の研究に足跡を残した、半藤一利氏のおすすめの作品10選をご紹介させていただきますので、お楽しみ下さい。

1、『日本のいちばん長い夏』

ポツダム宣言発表から、終戦までの日々を様々の立場の30人が語る、昭和38年に開催された大座談会の記録です。

終戦時の政府関係者、将校、前線にいた兵士や従軍看護婦、国内外にいた外交官、英国人や日本人の捕虜、獄中の共産党員、銃後の庶民など28名と紙面参加の2名が一堂に会し、終戦間近の状況を語り合った貴重な記録です。

敵国の情勢や国民の犠牲よりも、陸軍上層部の顔色ばかりをうかがって、戦争を継続していた実態が、何ともやりきれなく思ってしまいます。

ここがポイント

どうしてその時なのかと、悔やむべきところは多々ありますが、それでも日本という沈没しそうなボロ舟を終戦という港に入港させるために苦心し、奔走した人たちがいたからこそ、今の日本があるのです。

そしてこの座談会が「日本のいちばん長い日」を執筆するきっかけとなったのです。

文藝春秋
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2、『日本のいちばん長い日』

降伏と敗戦を宣言する天皇陛下の生声配信を翌日に控えた8月14日、一足先に知らせを聞いた軍人たちが、各地で否認し始め、叛乱計画を起こすことが、綴られています。

ここがポイント

昭和20年7月27日、ポツダム宣言が出された時、日本の敗色は濃厚だったにも関わらず、ソ連の和平仲介を頼みにしていた政府は、ポツダム宣言の受託を渋ったのです。

しかし、その後の2回にわたる原爆投下、及びソ連の参戦で、敗戦は決定的となってしまうのです。

8月9日の御前会議は、軍部の反対を押し切る為に鈴木貫太郎首相が打った、奥の手であり、昭和天皇の決断でポツダム宣言受諾が決定するのです。

玉音の録音、青年将校たちによる宮城の占拠、鎮圧など、危機一髪の24時間を克明に記した作品です。

※ポツダム宣言:米・英・中の三国政府首脳の連名で、日本に対して発せられた13項からなる降伏勧告の宣言。

3、『ノモンハンの夏』

参謀の辻正信、服部卓四郎ら関東軍の独断暴走と中央参謀の怠慢、無責任体制、組織の麻痺、そしてソ連戦力の軽視によって引き起こされたノモンハン事件の悲劇の話です。

関東軍を先兵とする日本陸軍の暴走が、日本を戦争に駆り立てていく過程が分かり易く描かれています。

情報を軽視し、自分勝手な考えで作戦を立案して、将兵を無駄に死なせた挙句、大した処分も受けずに出世してしまう作戦参謀には怒りを覚えてしまいます。

ここがポイント

これだけの手痛い失敗から何も学ばず、太平洋戦争に突き進んでいった陸軍参謀の罪は計り知れないほど重いのです。

その当時天皇陛下が如何に英米開戦を含め、戦争行為を禁忌していたか、それに対し陸軍の暴走が如何に酷いものであったのかが、分かる作品です。

4、『ソ連が満州に侵攻した夏』

第二次世界大戦で、日本の敗戦が濃くなってから、ソ連が満州を占領するまでの話が綴られています。

孤立した日本が英米と戦うこととなったのも、日ソ中立条約という大義名分があったからであり、戦時中もソ連への和平工作や停戦など、なにかとソ連頼みであったのです。

しかしその条約を守ることなく、スターリンは日露戦争の報復の為に、満州へ侵攻し、日本の根拠なきソ連信望は簡単に崩れ去ってしまうのです。

悲惨であったのは、侵攻後の満州の邦人居住者であり、国策として、また開拓者として満州へ移住したにもかかわらず、結末は日露戦争での戦利品としての満州国の存在はソ連侵攻により崩壊してしまうのです。

ここがポイント

ヨーロッパの敗戦国は、先ず非戦闘民の安全を図ることを実行したのですが、その当時の日本はその国際常識や感覚までもが欠如していたのです。

5、『昭和史 1926~1945』

主に日本という国が、どのような経緯を経て、太平洋戦争に突入していったのかが、描かれていて、その失敗から導きだされる教訓までが言及されています。

日露戦争以後の日本は、夜郎自大な国になったと言われていて、その不思議な自信が、広い目で見る視点を喪い、結局は敗戦への道をひたすら進むのを止めることが出来なかったのです。

何百万もの死者を出してしまった背景には、戦慄を越えて、虚しささえ覚えてしまいます。

現代から過去を批判するのは簡単ですが、もしその当時、自分自身が意思決定の当事者と仮定したなら、果たしてその判断は自分の意志だけで行えたのだろうかと思ってしまいます。

人間は弱い生き物であり、易きに流れやすく、勝利が続けば、合意が得やすく、負けが続けば、衝突が生じ、泥沼に陥ってしまうのです。

ここがポイント

政治における決定的な崩壊が起こるまで、問題を先延ばしし、抜本邸な改革や、撤退の勇気を避けた体面主義や小手先のごまかしをみる度、現代の日本は過去の教訓を活かせていないと、感じてしまいます。

6、『昭和史 戦後編 1945~1989』

今の日本がどうやって出来上がったのかを、戦後の歴史から学ぶことができる一冊です。

東京裁判、戦後の政治家、GHQ等、戦前にも、いや、全ての過去においても言えることですが、それぞれの立場の様々な思惑に左右された偶然が重なり、歴史は紡がれていくのだという事がわかります。

半藤氏が何度も言っているように歴史に”もしも゛はありませんが、あと少しでも何かの歯車がずれていたなら、歴史は全く違ったものになっていたかもしれないのです。

日米安保条約によって、平和憲法を掲げた非武装の国になった代わりに、アメリカの言いなりになることは、避けられなくなってしまったのです。

ここがポイント

戦争に負けたという事は、こういうことであり、主体性など持ち様もなく、日本列島は世界情勢のおもむくまま、漂流しているようにみえてくるのです。

ビジョンを持てていない現実が、認識できる作品です。

7、『聖断 天皇と鈴木貫太郎』

太平洋戦争を終結させた首相である、鈴木貫太郎氏の生い立ちをたどりつつ、昭和20年8月に天皇陛下が聖断を下す過程を追う話です。

鈴木氏は226事件で、侍従長として襲われ、瀕死の重傷を負いながらも、終戦時の首相として再び政治の表舞台に登った稀有の体験の持ち主だったのです。

どっしりと構え、無駄口をたたかない鈴木氏は目立たない存在だったかもしれませんが、日本を終戦に導いていった功績は大きかったのです。

ここがポイント

戦争は始めるよりも、止めることの方がずっと難しく、帝国陸軍はぎりぎりまで、武装解除に応じなかったのです。

昭和天皇と鈴木首相はぎりぎりまで、戦う姿勢をみせつつ、一気にポツダム宣言受諾まで持って行き、見事に武装解除に成功したのです。

この二人のどちらが欠けていても、今のような平和な日本は、なかったのかも知れません。

8、『あの戦争と日本人』

明治維新から太平洋戦争敗北までのことを半藤氏自身の戦争体験を交えながら、日本近現代戦争史を分かり易く解説しています。

軍部の話と世相が中心で、教科書で習う歴史とは少し違った視点で描かれていて、興味を惹いてしまいます。

歴史の流れもつかみやすく、半藤氏の実体験も交えているので、かなり現実味があります。

軍部が客観性を喪った楽観論で精神論に傾いてしまうところと、世間が義憤に駆られてナショナリズムに熱狂するところが、なにか怖さというか、恐怖さえ抱いてしまいます。

ここがポイント

無敵皇軍という夢想から脱しきれなかった軍部の失態と、作り上げられた声で熱狂した世論の恐ろしさは、人間をどん底に追い詰めてしまうのです。

理性や常識が崩れた時、人間は思考停止状態に陥ることを歴史は教えてくれるのです。

9、『指揮官と参謀 コンビの研究』

対立する、或いは相補う二人の人物の交点を辿ることによって、彼らが歴史に及ぼした影響が描かれています。

指揮官だけ、参謀だけに注目するのではなく、指揮官と参謀をセットで描く視点はとても新鮮であり、興味深さが倍増します。

様々なコンビ13組を例に挙げているのですが、指揮官と参謀の組み合わせは、相性が悪ければ相反する思考になったり、さりとて、相性が良くても、二人で暴走する可能性もあり、なかなか難しいのです。

ここがポイント

太平洋戦争や日中戦争の重要な局面を担当した指揮官と参謀が、どのように行動したかに止まらず、その生い立ちや性格をエピソードを入れながら詳細に描いている刺激的な作品です。

10、『戦争というもの』

太平洋戦争時の名言を集め、自身の経験も交えて解説しています。

東京大空襲で逃げまどい、多感な少年時代に戦争に巻き込まれてしまった半藤氏が、病床にありながら、最後の力を振り絞って書き残した遺言ともいえる作品です。

戦時下での14の言葉を取り上げ、半藤氏のお孫さんを含めた戦争を知らない世代に向け、独特の語り口調で、戦争の愚かさと教訓を伝えています。

名言もありますが、驕慢に満ちた軍人の言葉や、昔の著名な人の言葉を引用しているのも、印象的です。

ここがポイント

情勢を都合よく解釈し、国を誤った方向へ導いた軍部と政府、そして耳障りのいい言葉で国民を煽った新聞各社にのせられた人々。

過ぎたこと、終わったことにしてはいけないと感じる作品です。

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まとめ

半藤一利氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

まだ読んでいない作品が、ありましたら是非この機会に読んでみて下さい。

あなたの知らない、日本の奥深い歴史に出会うことが、できますよ。

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