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夏川草介おすすめ作品8選をご紹介~リズム感のある温かい描写~

心に刺さる言葉を駆使した文章で知られる、夏川草介氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

医学部卒業後、長野県の病院にて地域医療に従事しながら、2009年に「神様のカルテ」という作品で、第10回小学館文庫小説賞を受賞して作家デビューを果します。

また同作品で、2010年の本屋大賞第2位を獲得し、映画化もされています。

他の代表作品に「神様のカルテ2」、「神様のカルテ3」、「神様のカルテ0」、「本を守ろうとする猫の話」などがあります。

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夏川草介おすすめ作品8選をご紹介~リズム感のある温かい描写~

夏川氏は医者であり、多忙な現場の中でも執筆を続けている理由は、いずれ世を騒がす大傑作を書き上げたい。

そして悠々自適の作家生活に入ることを夢見ているからでは決してないとは断言できないそうですが、概ねはないそうです。(笑い)

あくまでもそういう瞑想は酒の肴としておいて、奇妙な話ではあるそうですが、医者という、ろくでもない仕事(これは夏川氏の自論)を正気を保って維持するために、執筆することがある種の精神的リハビリのような役割を大いに果たしていることは、確かなようだと語っています。

そんな夏川草介氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみ下さい。

1、『神様のカルテ 1』

信州松本にある、24時間、365日対応の病院で働く、一風変わった29歳の内科医の栗原一止とその周りにいる優しい人たちの話です。

漱石を敬愛する栗原医師の語り口は独特でユーモアが漂い、友人の外科医師や内科部長、妻、絵描きなど個性豊かで前向きな登場人物を配置して、地域医療の厳しい現状を描いています。

ここがポイント

医療系の内容にしては、柔らかく、軽妙なタッチで、自殺未遂や死の事が描かれた後半は、多少の重さはあるものの、温かな感動を残す演出が施されています

がん患者が残した手紙を読む場面は、本作のクライマックスとなっています。

終末医療について深く考えさせられますが、心が温まる作品です。

小学館
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2、『神様のカルテ 2』

今作は栗原一止が務める本庄病院に、医学生時代の親友である進藤辰也が東京から赴任してくる話が主となっています。

今回は何組かの夫婦、主人公の栗原夫妻、栗原の親友でもある今回初登場の進藤夫妻、患者のトヨさんマゴさん夫妻、そして古狐先生夫妻が、登場します。

その中でも長年連れ添った後者の2夫妻の絆には圧倒されてしまいます。

いかに死ぬか、そのためにはどのようにして生きるのかということを、考えさせられる内容でした。

ここがポイント

人は孤独ではなく、友や家族、そして出会った人たちとの人生を受け止めて、限られた自分が人生を顧みるのだと思ってしまいます。

生きるという事、そして生を全うするという事の意味を感じてしまう作品です。

小学館
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3、『神様のカルテ 3』

本庄病院に赴任してきた女医の小幡先生が、栗原一止医師に大きな影響を与える話です。

新任の内科医の独特の倫理観を疑問視する中、老人の術前検査の盲点を小幡医師に突かれた栗原は、人生の転機を迎えるのです。

東西看護師のエピソードも面白いのですが、栗原を「自己満足で患者のそばにいる偽善者」だとする小幡医師との対立や島内老人の手術が本作の焦点となります。

治療は投資信託じゃないと熱弁をふるう彼女は、生命を軽んじる全ての人間達を糾弾しているのです。

ここがポイント

医療政策の矛盾を抱えながら、現場で患者に向き合う医療スタッフの苦悩を描きつつも、人間同士の交流を温かく見守る視線を喪わない優れた作品です。

小学館
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4、『神様のカルテ 0』

栗原の学生時代の話や、本庄病院が24時間365日の看板を掲げた頃の話、そして妻のハルナさんの冬山での活躍などの話を綴った「神様のカルテ」への前日譚となる、4編からなる短編集です。

それぞれの登場人物たちが非常に生き生きとしていて、主役に据えられたキャラだけでなく、脇役たちも含め、様々な人生を描き出しています。

ここがポイント

人生はいろいろと大変で、苦しいことばかりだけど、それでも頑張って生きようとする気持ちにさせてくれます。

國枝さんの「小説を読めば別の人生を生きられる」とか「優しさは想像力」という言葉は小説好きには心に沁みてしまいます。

精一杯、前を向いて生きようという気持ちにさせてくれる作品です。

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5、『本を守ろうとする猫の話』

古書店を営み、一緒に暮らしていた祖父が亡くなり、古書店を閉めて伯母の家で暮らすことになる林太郎の前に、人の言葉を話すトラ猫が現れる話です。

主人公の林太郎が、試練に立ち向かって成長する姿を通じて本について、また、本を読むことについて、いろいろと考えさせられます。

タイトルにもあるようにストーリーに登場するトラ猫の存在と、主人公との関り方、心情や行動の変化が小気味よく描かれています。

ここがポイント

本に対する向き合い方を問うと同時に、そこから生まれる、人を想う心や、無限の広がりを示唆しており、本を想う夏川氏の気持がストレートに伝わってくる作品です。

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6、『新章 神様のカルテ』

より良き医師となる為に、大学院生となった栗原一止が、組織と患者の間で、医療に真剣に取り組む話です。

今作は、29歳のすい臓癌患者との向き合い方が大きなテーマとなっていて、患者の意向と大学病院のルールがかち合うなど、終始重苦しい展開です。

ここがポイント

大学病院の理不尽さ、癌という病がもたらす失望、栗原医師の飄々としながらも、ただ患者に寄り添う姿に目頭が熱くなってしまいます。

それでも神様だけが知っているカルテに立ち向かえる、家族の強さをひしひしと感じてしまいます。

さまざまな想いが、刺さる言葉と共にジワジワと心に染み渡ってくる作品です。

7、『勿忘草の咲く町で~安曇野診療記~』

医療が抱えるさまざまな問題を研修医の桂正太郎と、看護師である月岡美琴が二人の純愛も交えて考えさせてくれる話です。

ここがポイント

地域医療、高齢者問題、看取りなど、暗く重くなりがちなテーマですが、随所に美しい風景描写と花の話が挟まれていることで、こころが和みます。

多忙で責任の多い業務をこなし、日々葛藤しながら命と向き合う医師や、看護師の方には本当に頭が下がってしまいます。

正義感や希望に溢れる若手医師、きれいごとでは片付けられない現実を長年見続けてきたベテラン医師、一見薄情に見える手段を取ってでも、病院を守ることを選ぶ経営陣など様々な情景が描かれています。

医師が直面する厳しい現実と、答えのない問いにハッとさせられる作品です。

8、『始まりの木』

今作は、日本のあるべき姿は何だったのかを問う、深いテーマである民俗学の話です。

民俗学を専攻する大学院生の藤崎千佳が、准教授である古屋神寺郎の助手として全国各地に足を運び、今失われようとしている日本人の魂を探訪に行くのです。

ここがポイント

科学や理屈で割り切れるものばかりではなく、人間の心に根ざす事柄は奥が深いことが分かります。

伝承されている不思議な事柄と同様に、人の感情に起因しているとの観点に立てば、死んだ人に絵を貰ったり、いない僧侶の読経の声が聞こえたり、当たるはずのない夕陽に染まったりという現象は、その場にいて感情を共有している人達たちの間には起こり得るかも知れないのです。

奥の深い民俗学の感動に震えてしまう作品です。

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まとめ

夏川草介氏の作品のご紹介はお楽しみ頂けましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、この機会に是非読んでみて下さい。

心が温かくなります。

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