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本城雅人おすすめ作品8選をご紹介~圧倒的な説得力で魅了する~

エンタメ性の高い作品を描く、本城雅人氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

明治学院大学経済学部を卒業後、産経新聞社に入社し、サンケイスポーツの記者として、20年間プロ野球、競馬、メジャーリーグの取材などに携わったあと、退職し、作家に転身しています。

2009年、「ノーバディノウズ」という作品が、第16回松本清張賞候補となり、同作で第1回サムライジャパン野球文学賞を受賞します。

代表作に、「球界消滅」、「英雄の条件」、「トリダシ」などがあり、「トリダシ」は第18回大藪春彦賞候補、第37回吉川英治文学新人賞候補となっています。

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本城雅人おすすめ作品8選をご紹介~圧倒的な説得力で魅了する~

最近の執筆に心掛けていることは、登場人物とプロローグとエピローグの雰囲気だけを決めて、オチも決めずに書くことに専念しているそうです。

また、執筆する時には、いくつかの決め事があって、その一つが多視点であり、自分が読者だった時、三人称多視点が一番面白かったので、そう心掛けているそうです。

そんな本城雅人氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『ノーバディノウズ』

韓国系アメリカ人でメジャーリーグのスターは、実は日本人ではないのかという疑惑から、ジャーナリストの失踪に発展していく話です。

MLBを代表する強打者ながら、地方球団でばかりプレーし、大都市の人気球団への移籍を拒み続ける、韓国系アメリカ人のジャスティン・キング。

彼が実は日本人だという噂が流れ、真相を確かめに向かった者が、次々と姿を消していくのです。

ここがポイント

無意識のうちに身についてしまった民族ごとの習性や、野球選手の考え方が重要な鍵として描かれ、比較文化の点からも興味深く楽しめます。

ミステリー色はそれほど濃くなく、アイデンティティを一つのテーマとしたノワール小説の雰囲気を醸し出している作品です。

2、『球界消滅』

日本のプロ野球12球団を4球団に再編成して、メジャーリーグに参加させるという話です。

この話の中心となる登場人物は、横浜ベイズ副GM大野俊太郎、元メジャーリーガーの磯貝蓮二、東都ジェッツ親会社の東都新聞社国際事業室長の牛島輝也の3人なのです。

ここがポイント

MLBの収益構造や、日本球団のMLB入りなど、ネタとしてはそれほど真新しさはありませんが、オーナー、選手、審判、ファンなどのいろんな人達の事情や思惑などを描いたところが、興味深く楽しめます。

基本的には実存する球団がモチーフになっていたり、一番の読みどことしては、牛島の仕掛けた合流構想の全貌と、オーナー会議などで見せる巧みな説得、反対論の芽を摘み取る手札の数々にあるのですが、その過程でプロ野球界を取り巻く状況も見事に映しだした作品です。

3、『トリダシ』

スポーツ新聞社の編集局を舞台にした、7編からなる連作短編集です。

スポーツ新聞である、東西スポーツのデスクの鳥飼は、スポーツ新聞の三大要素は、「金、出世、女」だとうそぶき、その露骨で下品な言動と、なりふり構わない取材の為、社内外でも、敵が多く、当番の日はとりあえずニュースを出せと言うのを口癖にしているため、周りからは「トリダシ」と呼ばれ忌み嫌われていたのです。

そんな鳥飼にベテラン野球選手の引退の記事を没にされた女性記者や、鳥飼を嫌い彼がデスクの時には、スクープを出さないようにしている記者などの姿が描かれています。

ここがポイント

本作品には、「誰が何を言った」ではなく、「誰が何を言わなかった」から始まる取材の心理戦の醍醐味が余すとこなく、描かれていて、興味深く楽しめます。

記者たちの熱き戦いの現場を垣間見れる作品です。

4、『英雄の条件』

MLBで過去のドーピング疑惑が持ち上がり、元大物日本人メジャーリーガーの津久見にも疑いの目が向けらる話です。

著名なスポーツドクターの屋敷跡地から、表紙に<2005>と書かれたノートが発見され、その中に、メジャーリーグ、ブルックスの選手の名前と数字が書かれていたのです。

そのことが発端となり、選手のドーピング疑惑が浮上し、ブルックスが優勝した2005年は、果たして公正なものだったのか?ジャーナリストの安達がその件を追うことになるのです。

ここがポイント

事件の追及と公表の有無を問われるジャーナリスト、そして精神的にも、肉体的にも常にギリギリの状態で闘い続けて行く選手側、さらに選手をマネジメントする会社の思惑があったのです。

プロスポーツと薬物の関係は、残念ながら現在に至っても、拭いきれない闇のままであり、自らを破滅に導く薬物に何故手を出してしまうのか、フィクションとは言え、本城氏の提示する構図は、実に生々しく、生活に懸かれば、綺麗ごとでは済まされない部分があるにせとよ、せめてファンには、夢と英雄の矜持を示して欲しいと思います。

人間の強さと弱さの極限を描いた、熱くて緊張感のあるエンターテインメント作品です。

5、『紙の城』

テレビ局傘下の新聞社と、IT企業による買収の攻防戦の話です。

ゲーム会社からスタートし、企業買収を繰り返すことによって成長してきたIT企業、インアクティヴは、アーバンテレビとの話し合いの末、自社が保有するアーバンテレビの株を返す代わりに、東洋新聞の株を手に入れるのです。

ここがポイント

東洋新聞は、日刊新聞法で、企業買収から守られているという商法を盾に、果たして再起を図ることができるのでしょうか。

速度重視のネットニュースに対し、記者の取材力と様々な部署が作り上げる紙の新聞は、どのように勝負していくのでしょうか。

読みたいと思わせる紙面作りを提供することの難しさと、社内に浸透する慢心に反発する企業愛を持つ社員に胸が熱くなる作品です。

6、『ミッドナイト・ジャーナル』

7年前の連続幼女連れ去り・殺人事件の誤報により、支局に飛ばされてしまった3人の新聞記者達が、新たに起きた児童連続誘拐事件の発生に当時との関連性を強く感じ、リベンジを果たすかの如く、取材に奔走する一部始終を描いた話です。

ここがポイント

警察への夜回り、取材先との信頼関係、他社とのスクープ争い、派閥人事など、記者たちの日々がリアルに描かれ、彼らの熱量が伝わってきます。

新聞としてのメディアの価値は、段々と小さくなっていくのかもしれませんが、書き続けてくれる記者がいる限り、なくてはならないものなのです。

過酷すぎる仕事を辞めないのは、真実を伝えるという責務以外の何物でもないのです。

ミステリというよりも、記者たちの人間ドラマ作品です。

7、『傍流の記者』

東都新聞社、同期入社の6人の仕事ぶりを描いた6編からなる連作短編集です。

黄金世代とも呼ばれた同期6人の中で、社会部長になれるのは1人だけであり、ひとり一人が、仕事に対して一心に目指した先は、果たして何だったのでしょうか。

辛い時も支え合う同期のはずが、いつの間にか足を引っ張り合う間になっていて、6人それぞれの考えやプライド、焦りなどがリアルに表現されています。

ここがポイント

6人の記者たる誇りと、矜持がぶつかり合い、それぞれの人物が背負い辿ってきた人生も丹念に描かれていて、組織の中で上に立つものが、直面し苦しむ内外の葛藤や、そんな自信に投げかける問いかけの一つひとつに深く共感してしまいます。

記者の世界がリアリティ感タップリに伝わってくる作品です。

8、『夢を食う男』

前田幸治氏が、叩き上げから馬主になり、牧場まで開設して、オーナーブリーダーとなり、ダービー馬を出すまでに至る軌跡の話です。

無敗で三冠を達成したコントレイルを生産したノースヒルズの前田幸治代表の半生を描いたノンフィクションノベルです。

ここがポイント

三冠達成に至るまでの裏側は勿論のこと、日本屈指のオーナーブリーダーとなった経緯や転機など、日本ダービーを三度制した強さの秘訣などが、鮮明かつ詳細に記されています。

夢を追いかけることの楽しさを与えてくれる作品です。

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まとめ

本城雅人氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

元新聞記者の立場からの作品は、臨場感に溢れていて、楽しめると思います。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非、この機会に読んでみてください。

読書の楽しみが広がりますよ。

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