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佐藤青南おすすめ9選をご紹介~常に追い込まれる状況で描写~

マルチな才能を発揮している、佐藤青南氏のおすすめの作品9選をご紹介させていただきます。

大学に入学するも除籍となり、上京してミュージシャン活動を始めますが、あまり芽が出ませんでした。

その後、2010年に「ある少女にまつわる殺人の告白」という作品を書き上げ、第9回のこのミステリーがすごい大賞の優秀賞を受賞して、作家デビューを果します。

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佐藤青南おすすめ9選をご紹介~常に追い込まれる状況で描写~

作家デビュー後は、ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズの他、「オイディプスの檻-犯罪心理分析班」、「たぶん出会わなければよかった嘘つきな君に」など、たくさんの作品があります。

今やマンガ原作に使用されたり、ドラマ原作に使われたりと、売れっ子作家の一途を辿っています。

そんな佐藤青南氏のおすすめの作品9選をご紹介させていただきますので、お楽しみ下さい。

1、『ある少女にまつわる殺人の告白』

ある男が取材という名目で、10年前に起きた少女虐待事件について、彼女に関わった関係者たちの証言から、真相を明らかにしていくインタビュー方式で綴った話です。

ここがポイント

読むのが辛くなるような虐待の現状や、児童相談所や児童福祉司が抱える問題点を浮き彫りにしながらも、肝心の「あの事件」に関しての詳細を終盤までハッキリさせないあたりに、構成の妙を感じてしまいます。

健気な印象の少女、亜紀に、不穏な空気が漂い始めるあたりから、物語に引き込まれてしまいます。

最後の語り手の後に感じる、第三章のタイトルである「連鎖」にはゾクッとしてしまいます。

そして前半と読了後では少女、亜紀に対する印象が全く違ったものになってしまう程、意味深な作品です。

2、『サイレントヴォイス・~行動心理捜査官・楯岡絵麻』

行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズの第一弾であり、5編からなる連作短編集です。

容疑者の無意識の行動から、真実を見分ける行動心理捜査官である、楯岡絵麻なのです。

物語の舞台は3畳ほどの取調室であり、容疑者を観察し、質問そして真実を見極めていくのです。

ここがポイント

地図を見せるだけで、隠れ家の住所まで特定してしまい、誘拐犯、歯科医、占い師、女優、結婚詐欺師のウソを次々に見破っていきます。

栗山千明氏が主演でドラマ化もされていて、心理学が好きな方は絶対楽しめる作品です。

3.『ブラック・コール・~行動心理捜査官・楯岡絵麻』

行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズの第二弾であり、難事件に挑む4編が収録されています。

絵麻の恩師であった裕子先生の暴行殺人事件の犯人の手がかりが、見つかるところから物語が展開していきます。

一話ずつの行動心理学からの取り調べと、15年前の事件の犯人との対決がようやく並行して描かれていきます。

話だけであった恩師の事件が、犯人の記憶として事細かに語られるところは、あまりに残虐であり、目を覆いたくなります。

ここがポイント

正義とは何かを考えさせられる作品です。

4、『インサイドフェイス・~行動心理捜査官・楯岡絵麻』

行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズの第三弾であり、洗脳の恐ろしさをテーマにした4編からなる短編集です。

今回は保険金詐欺放火事件から始まり、最後は患者によって病院が乗っ取られ、操られる話まで、色々な事件が題材になっています。

ここがポイント

絵麻が心の内を探るだけでなく、様々な暗示で相手の行動を操り、ますます人間離れした能力を見せつけています。

一筋縄ではいかない被疑者ばかりであり、いつもの取り調べ室でのパターンもありながら、前作にはなかったハラハラする場面もあり、飽きずに一気読みできる作品です。

5、『サッド・フィッシュ・~行動心理捜査官・楯岡絵麻』

行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズの第四弾であり、楯岡絵麻がピンチになる場面もある4編からなる短編集です。

ここがポイント

これまでは舞台背景の殆んどが、取り調べ室か居酒屋が多かったのですが、今回は公安の元カレに頼まれて、絵麻が国際テロ組織のアジトに潜入するというトンデモナイ展開になります。

傲岸不遜のエンマ様の絵麻がふと見せる心の隙、案の定その隙で、大ピンチに陥った彼女を救うのは果たして誰なのか。

相変らず、とぼけた感じの相棒である西野や、コテコテの昭和刑事である筒井との絡みがコメディタッチで笑わせてくれます。

捜査の中に心理分析や行動分析などが、巧みに組み込まれていて、今回も楽しめる作品です。

6、『ストレンジ・シチュエーション~行動心理捜査官・楯岡絵麻』

行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズの第五弾であり、歪んだ愛が引き起こす様々な事件をおさめた4編からなる短編集です。

今作は旅行帰りの夫婦が、空き巣をしていた人間に殺害されるのですが、その容疑者である警察官が自殺してしまうのです。

そしてこの話をベースにして、マンションでの女性殺害や、アイドルの殺害、ブラック企業の社長令嬢の殺害の事件をエンマ様こと楯岡絵麻が行動心理を読み取って、犯行を明らかにしていくのです。

ここがポイント

前作までどんどんスケールアップしていたメインの事件は、今回はあっさりめでしたが、原点回帰の作品と言えます。

7、『ヴィジュアル・クリフ~行動心理捜査官・楯岡絵麻』

行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズの第六弾であり、初の長編で、楯岡に心理学を伝授した占部教授が事件に関わってくる話です。

高齢者に怪しげな健康機器を高額で売りつける「ご長寿研究所」で、殺人事件が起きてしまいます。

意外なことに顧客の中に楯岡絵麻の尊敬する恩師、行動心理学の第一人者である占部教授の名前が在ったのです。

事件解決の為に、絵麻と恩師、占部の一騎打ちに発展してしまいます。

絵麻よりも一枚の二枚も上手の相手に、一歩も引けを取らず、果敢に挑んでいきます。

ここがポイント

警察庁入庁を目指したいたころよりもさらに、刑事としての矜持が絵麻に感じられる作品です。

8、『白バイガール』

神奈川県警の新人白バイガールである、本田と川崎が、先輩隊員に揉まれながらも成長していく話です。

バイクの運転も、上手くできない本田木乃美と、運転テクニックも仕事も申し分のない川崎潤の二人が、それぞれ偶然出くわした無謀運転をきっかけに、その裏に隠された事件を上司や先輩ライダーたちと解決していくのです。

ここがポイント

白バイという、安全運転と交通違反の検挙件数が求められる仕事ならではの評価に対する苦悩からは、刑事の世界とは違った警察の一面が見えてきます

事件そのものも、更に最後にもう一捻りが効いていて、なかなか読ませる展開の作品です。

9、『たぶん・出会わなければよかった嘘つきな君に』上・下

二年間、彼女がいなかった男が、居酒屋で知り合った年下女子大生に惹かれていく一方で、職場の年上女性に好意を持たれる話です。

主要な登場人物3人が、3人とも嘘をつきながら、いびつな三角関係の中で、陰惨な結末へと展開していきます。

章立てが3章から構成されていて、3人の視点で語られるのですが、その度、衝撃的に事実がひっくり返されてしまうのです。

興味深いのは、嘘にも様々な嘘があり、利己的な嘘や、自己保身の嘘、目的遂行のための抜き差しならぬ嘘、そして愛を失いたくないための嘘。

ここがポイント

執着の強すぎる人というのは、周囲を巻き込んで、不幸を増長させる怖さがあることを示唆してくれる作品です。

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まとめ

佐藤青南氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

読書の楽しみが広がりますよ。

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