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藤原緋沙子おすすめ8選をご紹介~人情味が溢れる物語空間を創出~

意外性に満ちた物語を描く、藤原緋沙子氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、小松左京氏が主宰する創翔塾で小説を学び、人気テレビ時代劇シリーズの脚本家を務めた後に、2002年「雁の宿」という作品で小説家デビューを果します。

そして文庫書き下ろし時代小説のブームをけん引していくのです。

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藤原緋沙子おすすめ8選をご紹介~人情味が溢れる物語空間を創出~

2013年には「隅田川御用帳」シリーズで第二回歴史時代作家クラブシリーズ賞を受賞します。

また時代小説作家の必需品として、「切り絵図」というものがあり、執筆には、なくてはならないものだそうです。

切り絵図とは、江戸時代の後期に麹町で荒物屋を営んでいた人が、武家地とつながっているので、しょっちゅうお武家の家の場所を聞かれる、だったら見やすい地図を自分で作ろうと思い立ったのが、始まりのようで、区分地図のことです。

このような切り絵図を用いた執筆で、創作に取り組んでいるそうです。

そんな藤原緋沙子氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『恋椿』

時代劇ドラマを観ているような、4つの話が楽しめます。

立花平七郎は凄腕の北町定廻り同心であったのですが、ある事件をきっかけに、江戸市中の橋の管理監督を行う定橋掛という閑職へ追いやられてしまうのです。

かっては黒鷹の異名をとっていた同心であり、花形職から閑職へ移るのですが、めげることなく淡々としているのです。

ここがポイント

どの話も理不尽に怒りを覚え、虐げられる人に哀しみを抱き、寄り添う人に希望を抱いてしまう、まさに時代劇の王道です。

悲しい終わり方の話ばかりですが、人情味も味わえる作品です。

2、『風光る』

藍染袴お匙帖の第一弾であり、4話からなる、町医師である千鶴の人情捕物帳です。

医学館の教授方であった亡き父の後を継ぐ、若い女医である桂千鶴が関わるちょっとミステリアスな人情話です。

ここがポイント

漢方・蘭方に優れ、女囚も診る千鶴は、奉行所の情けない同心からも頼られているくらい、好奇心が旺盛なところがあり、疑問に対しては、十手持ちのように追求していくのです。

そのため、危ないことに遭うこともあるのですが、無役の若い旗本である、菊池求馬に助けられながら、謎に迫っていきます。

事件を起こしたものを罰するというよりも、人情味のある一風変わった時代小説作品です。

3、『遠花火』

一千石の旗本の次男坊であり、腕も立つし男ぶりも良い主人公の秋月伊織が、江戸の噂を追いかけ、様々な事件に巻き込まれる連作短編集です。

一つひとつの作品は、結構重層的な凝った作りになっていて、謎解きのおもしろさもかなりあります。

ここがポイント

八丁堀の捕物だけではない立場で事件を解決し、且つ人情を絡め、少々コミカルな味も加えています。

見届け人というよりも、よろず相談請け負い人という感じで、それが仕事として成り立つのか良く分からない世界ですが、探索能力と剣の腕で事件を解決に導いていく作品です。

4、『雁渡し』

藍染袴お匙帖の第二弾であり、人情味のある良い話が綴られた4話からなる短編集です。

押し込み強盗事件、夜鷹の殺人事件、小藩の不正に絡むお家騒動、そして、千鶴の父、東湖の死因の真相といったことに絡んでいきます。

ここがポイント

コオロギの声や渡り鳥、親の死という大きな感情が動く時に、見た風景や音は、いくら時が経ってもその時に引き戻されてしまうものだと感じてしまいます。

危ない場面では、菊池求馬が救ってくれて、また、千鶴のことを理解してサポートしてくれる人々に囲まれて、医師ならではの視点で、問題を解決していきます。

颯爽とした千鶴の活躍が楽しめる作品です。

5、『父子雲』

藍染袴お匙帖の第三弾であり、父の愛がテーマとなっている2話が綴られています。

千鶴が長崎で薫陶に触れたシーボルトが登場する1話目は、、内容に少々戸惑ってしまいますが、余韻に浸ることができます。

2話目の千鶴の父代わりとも言うべき、老医師である酔楽の淡い夢話は、お約束とは言え、切ない想いになってしまいます。

父と子、絆が深いほど、一旦歯車が狂うと、いがみ合う関係になってしまうものなのでしょうか。

ここがポイント

剣劇ものでは味わえない、温かい人々の普段の生活が、感じ取れる作品です。

6、『紅い雪』

藍染袴お匙帖の第四弾であり、千鶴の助手をしている、お道の幼馴染のおふみが許嫁の松吉に訳も告げず、吉原に身を売った話を含む3話からなる短編集です。

どの話もじんわりとしていますが、千鶴が襲われたりと、スリリングなシーンもあります。

ここがポイント

相変らず奉行所の連中は動かないのですが、お約束の展開とは言え、求馬が千鶴が危機になると必ず現れて、千鶴の手助けをするのです。

求馬の母親とは患者と医師という関係で会い、いい雰囲気になるのですが、当の二人の関係はまだまだ爽やかすぎて、進展もないようです。

今後の展開が気になるシリーズです。

7、『漁り火』

藍染袴お匙帖の第五弾であり、いろんな人の恋物語が綴られた3編からなる短編集です。

今回はお道の恋や、五郎政の初恋の相手であるお秀との再会など、恋物語が中心なのですが、肝心の求馬と千鶴の仲は相も変わらず進展がないようです。

以前登場した千鶴の恩人である、井端家にも家禄が戻り、やっと安心できそうです。

ここがポイント

人には本当に背負っている色々なものがあり、それもまた人生だとつくづく感じてしまいます。

後半になるほど、展開に弾みがついて、読み易い作品に仕上がっていると思います。

8、『ふたり静』

刀を捨てて商人となった清七郎が、切り絵図屋として生きることを決め、動き出すまでを描いた話です。

不遇の境遇から違う人生へ羽ばたこうとする若者が、周りで起きる不思議な出来事の数々を解決していきます。

皆いろいろな人生の問題があって、ひた向きに生きているのに、足掻く姿には切なく感じてしまいます。

ここがポイント

切り絵図制作にまつわる話は少なめですが、制作にかかわる人、それぞれ抱える事情や、それに伴う市井の揉め事などに焦点が当てられている作品です。

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まとめ

藤原緋沙子氏の作品のご紹介はお楽しみ頂けましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

読書の楽しみが広がりますよ。

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