穏やかな気持ちになれる、益田ミリ氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。
京都芸術短期大学業後、デザイナーを経て、フリーのイラストレーターとなり、2001年「OLはえらい」という作品で、漫画家デビューを果します。
そして2006年に「すーちゃん」という作品で注目を浴び、2011年「はやくはやくっていわないで」という作品で第58回産経児童出版文化賞産経新聞社賞を受賞します。
益田ミリおすすめ作品8選をご紹介~女性の細やかな心情を描く~
益田氏は40代に突入した時に、美しいものを見ておきたいという欲望に駆られて、一人で団体ツアーに参加し始めたそうです。
行きたいところや、見てみたいものはあるけれど、一緒に行く人が見つからないとか、休みが取れないとかで、何となく自分を制御している人が多いはずというのが益田氏の見解です。
居心地のいい空間はやはり、自分で作らなくてはいけないし、そのスキルがあるのも40代なのだそうです。
前向きな気持ちで描く益田氏の作品には、そんなところが反映しているのですね。
そんな益田ミリ氏のおすすめの作品8選をごご紹介いたしますので、お楽しみください。
1、『週末、森で』
森で田舎暮らしをしている早川さん、経理のOLマユミちゃん、旅行会社のOLのせっちゃんのの大人女子3人が集まって、田舎で女子会をしたり、それぞれの場所での生活が綴られたコミックです。
友達が来ても、予定を優先したり、自由気ままの早川さんであり、いい意味で気を使わない、この距離感こそが本当の友だちなんだろうと思います。
マユミちゃんとせっちゃんも早川さんだから、一緒にいたいとか遊びに行きたいと思うのではないでしょうか。
ここがポイント
どのような環境でも、しなやかに楽しめる人は、羨ましいと思います。
肩の力が抜けて穏やかな気持ちになる作品です。
2、『ほしいものはなんですか』
専業主婦と独身義妹の価値観と、生活観が描かれているコミックです。
筆者、得意の独身女性の目線の他に、小学生の子ども目線とママである、主婦目線も加わっています。
欲しいもの、なりたいもの、大人になるにつれ薄れていくものを、子供の目から見た純粋な疑問に刺激されてしまいます。
ここがポイント
ずっしりとした、女性の心の闇を描く作品であり、結婚して主婦になっても、結婚せず働く道を選んでも、自分が選ばなかった方の選択肢が羨ましくなってしまうのです。
ハッとさせられたり、癒されたりする作品です。
3、『前進する日もしない日も』
益田氏が30代後半から、40代にかけて綴ったエッセイ集になります。
力の入っていない本当に自然体のエッセイなので、力が貰える気がします。
自分のテンションが下がり気味な時に、すんなり読むことができて、じんわりと沁み込んできます。
大好きな旅行をして、仕事をして、日々の生活に揉まれて、それで大変なことも増えてくるけど、それと真っ向から向き合いながら、楽しんでいる姿が励みになるのです。
ここがポイント
寝る前に読むと、一日の疲れが吹き飛ぶように思う作品です。
4、『心がほどける小さな旅』
益田氏が心を和ませたり、元気になりたいために出かけた旅のエッセイです。
自分の時間は、自分のものなんだと感じられる自由な旅、本当にいいです。
行ったことのない場所や、知らなかった行事がてんこ盛りで、日本を旅行しなければという想いに駆られてしまいます。
ここがポイント
なんだか少し疲れた時にふと旅に出る、非日常で元気になれる気がしてしまう作品です。
5、『言えないコトバ』
益田氏のコトバにたいするこだわりが、これでもかと詰め込まれているエッセイになります。
自分も何気なく普通に使っているコトバ、相手に対して不安感や嫌悪感を抱かせるコトバは、気を付けなくてはいけないのです。
他人からすると考えすぎではないかと思われることも、本人にとっては大きな問題だったりするものなのです。
他の人がさらりと使っているコトバでも、自分はなんとなく使えないコトバがあるのです。
ここがポイント
自分が言われたくないコトバは、決して使ってはダメなのです。
6、『君の隣で』
「終末、森で」の続編であり、主人公の早川さんが結婚して、小学生の男の子の母親になっています。
早川さんの人生も大きく変化しましたが、お友達二人の人生も変化しているのです。
時の移り変わりによって変わるもの、変わらないものがあるのです。
森はいつも変わらず、そこにあり、小さい頃のささやかな想い出や、今の自分が考えていることであったりと、いろいろな感情を思い出してしまいます。
ここがポイント
楽しく、懐かしく、そして悲しくを足した感情は、決して忘れてはいけないのです。
心が和やかになる言葉が、たくさん詰め込まれている作品です。
7、『お茶の時間』
じんわり沁みて、後を引く面白さが詰まったコミックエッセイです。
カフェでお茶してケーキを食べる、たったそれだけのことなのに、その時の気持ちを表現したり、周りの人たちの様子から妄想したりしたことをほっこりと読ませてくれます。
また、ほのぼのとしたカフェあるあるで、一番頷けたのは「カフェが自分の部屋化していることありませんか?」というフレーズです。
一見、無駄と思える時間も、きっと必要な時間であり、カフェで読書したり、ぼーっとするのもよし、雑談に花を咲かせるのもよし、隣のはなしに聞き耳を立てるもいいのではないですかねぇ。
ここがポイント
そうです、カフェは幸せな時間が過ごせる空間なんです。
8、『わたしを支えるもの すーちゃんの人生』
すーちゃんは40歳を迎えても、30代で感じていた不安や葛藤が、また別の形で現れてくるのです。
40歳になったすーちゃんの心情の変化、悩みや戸惑い、ふと考える、これからの事。
大人の何気ない悩みについ共感を覚えてしまいます。
時の流れと人生を考えさせられる内容であり、あっけなく父親を亡くしたすーちゃんにかけた「大丈夫」って言わなくていいのと言う先生の言葉が温かくて涙を誘います。
ここがポイント
誰かを支えることが、自分を支えることになるかもしれないと思える作品です。
まとめ
益田ミリ氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありました、是非この機会に読んでみてください。
本当に心がほっこりして、優しい気持ちになれると思います。