疾走感溢れる作風の逢坂剛氏のおすすめ作品11選をご紹介させていただきます。
大学卒業後、博報堂に勤務する傍ら、執筆活動を行い、1997年に同社が移転すると同時に早期退職をして、神田にオフィスを構えて、専業作家になります。
また趣味ではフラメンコギターにハマり、それがきっかけで、本場のスペインにも興味を持ち、会社員時代、2週間の有給休暇を取って、現地を旅行したそうです。
そんなわけで、作家になってからもスペインを舞台にした作品を多く執筆しています。
逢坂剛おすすめ作品11選をご紹介~誰も書かないものを描く~
作家としてのポリシーは「人様に迷惑をかけない」ということであり、編集者に対してもあまり、無理な注文を付けないようにしているとのことです。
作家は想像力が命であり、現実そのもののリアリティではなく、小説の中のリアリティをいかに作り上げるかということだそうです。
そんな逢坂剛氏のおすすめ作品を11選をご紹介させていただきますので、どうぞ楽しんでください。
『裏切りの日日』
百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の第一弾であり、公安刑事コンビの桂田と浅見が警備指導に訪れた企業のビルで、立てこもり事件に遭遇する話です。
そしてほぼ同時刻に、右翼の大物が愛人のマンションで射殺される事件が発生します。
ここがポイント
この二つの事件に関連性はあるのか、誰が騙して、誰が騙されているのでしょうか。
刑事ものとして読んでも、ハードボイルド作品として読んでも、楽しめる作品であり、次作が楽しみになります。
『百舌の叫ぶ夜』
百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の第二弾であり、記憶を失った男、妻を失った警察官等、様々な人物の視点から、目まぐるしく展開していく話です。
序盤は時系列が前後するのと、登場人物の多さで混乱してしまいますが、スピード感のある展開なのでかなり楽しめます。
ここがポイント
中盤で明らかになる百舌の正体にに驚き、黒幕の登場でさらに目が離せなくなってしまいます。
古さを感じさせない楽しめる作品です。
『カディスの赤い星 上・下』
幻のフラメンコギター(カディスの赤い星)をめぐる、日本とスペインを舞台にした、ハードボイルドミステリーです。
序盤はPRマンの主人公が、スペインに絡んだ人探しを中心に、ユーモアも交えながら静かに展開していきます。
終盤にかけてはスペインが舞台になっていて、穏やかな序盤とは対照的に暴力や格闘シーンが登場して、一気にハードボイルド感が強くなっていきます。
ここがポイント
何層にも張り巡らされた伏線と、その回収の面白さは健在であり、逢坂氏の作品にかける情熱が伝わってくる作品です。
『幻の翼』
百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の第三弾であり、百舌の叫ぶ夜の続編です。
死んだと思っていたあの男が帰ってきたのです。
倉木と大杉の男っぷりも小気味よく、ハードボイルド全開で、スピード感もあり、楽しめます。
ここがポイント
疾走感あるれる逆転劇が味わえる作品です。
『さまよえる脳髄』
脳に傷を負った3人の男たちが、美貌の精神科女医を巻き込み、事件を起こしていくサイコサスペンスです。
ここがポイント
治療や実験によって露わにされていく、隠された人格、そしてその人格が過去の衝撃的な出来事によって、歪められていきます。
人間、誰でも右脳に支配される時と、左脳が優勢な時とがあり、人間は皆、二重人格みたいなものだという結論には妙に説得力を感じてしまいます。
背筋がゾクッとする終わり方に逢坂氏の意図が感じられる作品です。
『砕かれた鍵』
百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の第四弾であり、相次ぐ警察の不祥事、麻薬の取り締まり現場で発生した、警官の射殺事件などが絡む話です。
そしてその背後で動きを見せる「ペガサス」とは一体何者なのか。
ここがポイント
本編とは関係なさそうな複数のエピソードが、終盤に至るにつれ、一気呵成に一つにまとまっていきます。
最後まで一気に読ませてくれる、力強い作品です。
『よみがえる百舌』
百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の第五弾であり、死んだはずの百舌が生き返って、次々と以前の事件の関係者を殺害していく話です。
よみがえった百舌は一体誰なのか、誰がよみがえらせて、誰が百舌なのかを推理していく中、意外なトリックに翻弄させられます。
ここがポイント
謎にスリル、アクションやエロスというバラエティに富んだ展開でかなり楽しませてくれます。
今後の展開が気になる作品です。
『しのびよる月』
御茶ノ水警察署シリーズの第一弾であり、表題作を含む6編からなる連作短編集です。
かって小学校の同級生であった斉木と梢田が御茶ノ水署で再会し、いがみ合いながらも事件を解決していく話です。
二人の口論もウイットに富んでいて面白く、事件の真相にも驚きがあってかなり楽しませてくれます。
ここがポイント
短編ですがトリックは結構本格的であり、ラストの捻りも効いている作品です。
『禿鷹の夜』
禿鷹シリーズの第一弾であり、禿富鷹秋、通称ハゲタカと呼ばれる破天荒でアウトローな刑事の話です。
刑事とは到底思えない、ハゲタカの行動ですが、何故か引き込まれてしまいます。
そんな極悪非道で悪魔のような男なのですが、彼女にだけ見せる人間味が、愛らしく描かれています。
ここがポイント
強烈なキャラクターに呆然としてしまう作品です。
『鵟の巣』
百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の第六弾であり、妖艶な美人警部、洲走かりほと主人公の倉木美希・大杉良太コンビとの対決の話です。
ここがポイント
警官が絡む犯罪の裏で糸を引く、政治家の存在が明らかになっていきます。
明らかに巨悪に対する力は弱まったように見えますが、相変わらず傷だらけになりながら、事件に挑んでいく姿は感動ものです。
この先、まだまだ楽しめそうなシリーズです。
『墓標なき街』
百舌シリーズ(公安警察シリーズ)の第七弾であり、全く関係がないと思われた二つの事象が交差し、巨悪の存在が明らかになる話です。
今作は武器不正輸出問題と、百舌の復活?が絡んでの殺人事件という流れで、ストーリーは展開していきます。
時代はめぐり、当初からの主要な登場人物は大杉と美希ですが、なんと警察官になった大杉の娘が登場します。
ここがポイント
続編がありそうで、糸を引く終わり方になっていて、まだまだ楽しめそうな作品です。
まとめ
逢坂剛氏の作品はいかがでしたでしょうか。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。
ハマってしまうかもしれないです。